ありえない人からの不思議な手紙で新しいビジネスが生まれた話

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数年前のある夏の日、1通の手紙が届いた・・・


30度を超えた、めちゃくちゃ暑い日だったが

クーラーがキライだったうちは、窓を全開にして

パソコンに向かって仕事をしていた。


郵便やさんがポストに郵便物を入れた音がしたので、

汗を拭きながらトントンと階段を降り、

冷凍庫からアイスキャンディを出し、

くわえながら、郵便物を取りに行く。


ポストに入っていた、その手紙を見て、

うちの心臓は、一瞬止まりそうになった。



口にくわえたアイスがすべて溶けるくらい、

時間が止まってその場に立ちすくんでしまったんだ。


それは9年前に他界した、

”父”からの手紙だったから。。。



懐かしい父親の字


でも・・


でも・・


なんで????



なぜ、その手紙が届いたのかは、

手紙の文章を読んで理解した。


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「けんいちへ


元気かな?もう結婚してるのか?

家族はみんな仲良くできてるか?


お父さんは今、つくば万博に来ています。

(1985年に茨城県つくば市で行われた万国博覧会)


この手紙は21世紀になったら届くということなので、

今思っていることを書きたいと思います。


21世紀の世の中がどんな風に変わってるのかとても楽しみです。


でもきっとお父さんは、相変わらずお母さんのことが大好きで、

けんいちやはるな(妹)のことを愛していることでしょう。


こんないい加減な父の元に生まれたのに、

しっかりと育ってくれて本当にありがとう。


2人の父でいられること本当に誇りに思います。

これからも家族仲良く支えあっていきましょう。


けんいちが世の中にとっていいこと

仕事にできていると、とても嬉しいです。


手紙が届いてびっくりした、家族の顔を見るのが楽しみです。


たくさんの愛を込めて


父より」


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父との思い出と、もらったもの


父は昔からちょっと変わった人でした。


大切にしているおもちゃがあると、

そんなもの友だちにあげちゃえ
え?あげたら無くなっちゃうじゃん!
人は死ぬときには何も持っていけない。

だから亡くなった後に世の中に残るのは集めたものじゃなくて与えたものなんだぞー
てか、まだ死なないし。

幼かった私には、父がまったく何を言っているか理解できなかったけど。


★おかげで〈モノ〉に対する執着がほとんどないし、人に与えるのが大好きになった。


そんな父はお酒が大好きで、飲んでベロベロで帰ってくる。

そして、たちが悪いことに、飲みに行くと隣で飲んでいた「どこの誰かも分からない人」と仲良くなって、うちに連れて帰ってきて泊めようとする。


そのせいで父はよく母親とケンカしていた。

で、昔はうちもそれが嫌で仕方なかった。


★おかげで、初めての人と話すのが得意になった。w

人を家に招いて、もてなすのが当たり前になったし、

そして、初めましての人とでも、一瞬で仲良くなれる。



塩ってどうやって作られてるの?
よし!調べるからちょっと待ってろ!

そんな質問を投げかけると、すぐに実際の現場をみせようとする。

次の日曜日、塩つくってるとこ見に行くぞ!
え?マジで?

そして、いつもそういう場所や現場に連れて行ってくれた。



テレビってどうなってるの?

と聞くとすぐに分解して説明してくれた。


★おかげで、疑問があったらすぐに解決したり調べたりするクセがついてしまった。。

だから、今でも情報や雑学にとても詳しいし、かなり多方面にわたって勉強をしている



小学生のころ、友人たちと山でカブトムシをとっていたら、

23時を過ぎてしまい近所で大騒ぎになっていた(警察沙汰)


友人は家の間で待っていた両親から

何時だと思ってるんだ!!!心配かけて、ふざけるな!!

と怒鳴られて怒られまくって凹んでいたのに、


うちの父は

ちゃんと、他の友だちにも
分けてあげられるくらいとれたのか?

楽しかったか?

だったらいい。

今度は、怒られないようにもっと工夫しろよ。
あ、う、うん。ごめんなさい

と叱りながらも笑顔で迎えてくれた。


★おかげで、上手にやれば、好きなだけ好きなことをやってもいいんだ!と思えるようになった。


父は、研究員をしていたが、仕事をさっさと切り上げて、

明るいうちから毎日キャッチボールをしれたし。

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