初めての海外一人旅で東南アジアへ~一人旅だけど1人じゃなかった2週間~Part 3(危うく乗れなかった寝台列車)

前話: 初めての海外一人旅で東南アジアへ~一人旅だけど1人じゃなかった2週間~Part 2(シンガポールの朝)

僕は疲れ切っていた。

スタバの前にいつまでもいるのはと思い、近くにあった階段に座った。でも心のどこかであきらめたくない自分がいた。10分ぐらいしてまたスタバに戻る。そんなことをしていた時、通知が来た。

友達
Where r u?(Where are you?)

「それは俺のセリフやーーーー!!」
とつっこみたくなるのを抑え、紳士に答える。どうも僕らは駅を出て、違う方向に行ってしまったらしい。後で聞いた話では、この待ち合わせ場所付近にはスタバが2つもあった。だから、僕がスタバにいる、とメッセージしても、分からなかったらしい。(てかスタバ自体、待ち合わせ場所でもなんでもありません笑)

会話から場所をつきとめてもらい、10分後、無事会うことができた。

この旅に来て、初めての会話、午後3時頃。この友達は2年前、オーストラリアに行った研修で会ったシンガポール人学生。だと思っていたら、実はマレーシアのペナン島出身で、シンガポールの高校に通っていたことが発覚し、びっくり。笑 とにかく、久々の会話を楽しむことができた。

ところで"marbleslab"とはなんだったんだろう?
答えはこれ。

そう、Marble Slabというお店だったのです…ってどこやねん!!日本にこんな店ないから、分かるはずない。


さて、次なる目的地はCity Hallという駅。別の友達数人と会う予定でした。でも心配無用。この辺りは朝から歩きまくっていたので、完全に把握していた。スタバもどこにあるか分かっていたので、Wi-Fiに困ることもない。時間通りに着くと…やっぱり友達は誰も来ていなかった(笑)

またスタバに行き、Wi-Fiを拝借してFacebook Messengerにかじりつく。今度はオープンスタイルのスタバなので、勝手に席にも座った。ごめんなさい。2回目ともなると慣れたもので、のんびり座りながら、皆が来るのを待ちました。数人来たところで、ハグや握手で感動の再会を演出。いや、実際1年ぶりに会って感動してたけど。笑

夜に会った友達は、これまた研修で行ったイギリスで1年前に仲良くなった人達。「シンガポールらしいものが食べたい。」とだけ言うと、連れてってくれた、フードコートに…ちょっと落胆気味だったのですが、そのフードコートから見える景色がこれまた良かった!窓越しにマリーナベイサンズや、高層ビル群が見える位置。だんだんと暗くなっていくなかで、夜景も見れた。

また、シンガポールは多民族国家だから、フードコートに行くと色々な国柄の料理が食べれて良い。ということでフードコートに案内してくれたそう。実際、インド系やマレー系、中華系など、様々な種類のものを取り分けて食べれました。結構シンガポール行ったことある友達は、シンガポールの飯はまずいと言ってたが、そうでもなかった。海外なんてこんなもんでしょう。まあくそまずい物も一部ありましたけどね(笑)

食後は夜景を見に再び海辺へ。なんと行ったのはF1コースにもなる部分で、そこからシンガポールの夜景を眺めることができた。

シンガポールの夜景は素晴らしいですね。良いのは一部分だけなのですが、見応え十分。移動後、この写真も撮ってもらうことができた。

世界三大がっかりと称されるマーライオン。でもシンガポールの夜景をバックに見れば、結構映える。嫌いじゃない。ただしこれを1人で眺めるのは、意見が分かれるところ。友達にさよならを言った後、しばらく座ってマーライオンを見ていたが、なんというか…さみしい。正直、これからマレーシアへ1週間、1人で行けるのかと不安になったほど。

でも行くしかない。飛行機に乗って、ここまで来たんだ。バイトでお金稼いで来たんだ。立ち上がった僕は、マレーシア・クアラルンプール行きの寝台列車に乗るために、ウッドランズという、シンガポールの北の方にある駅を目指した。


寝台列車に乗れない!?

ウッドランズ駅というのは、シンガポール国内の発達した電車網のおかげで、中心部のマリーナベイ地区から一本で行ける。友達にどれくらいの時間で行けるかも聞き、余裕をもって行くことにした。時間があれば、スタバにまた入ってブログでも書こうかな~なんて考えていた。

しかしなぜか、うまくいかない。まず乗った電車が途中の駅で営業を終えてしまい、降りなければいけなくなった。次に来た電車に乗ろうとすると、まるで甲子園での試合終了直後の阪神電車のように混んでいた。夜10時を過ぎていたのに。次の電車になんとか乗れたものの、予定していたような時間の余裕はなくなった。

なんとか駅に着くと、マレー鉄道がどこかに停まっていて、すぐ乗れるはずだった。でも、どこを見渡しても今乗ってきたシンガポール国内の路線しかない。駅の地図を見ても、そんなのはなかった。「そうだ、スタバに行こう!」今回もWi-Fiにつないで調べたらいいはず。でもなぜか、Wi-Fiがつながらない。なんで??

諦めてタクシーで行くことにした。どうやらこの駅にはないようだから。駅だけあって、タクシーが数台停まってる。ちょっと費用がかさむけど、しょうがない。

Hey Taxi!僕をマレー鉄道のウッドランズ駅まで連れてってくれ!
はあ?どこそこ?知らないなあ。駅員にでも聞いとけ。

なんで??????

たしかに寝台列車が出発する駅はウッドランズ駅。たとえ路線が違っても、同じ町にあるはずだから、駅は近いはず。なんでタクシーの運ちゃん知らんの??焦っていた僕は、いよいよ走り出した。改札に戻り、駅員に尋ねる。すると、「バスに乗れ。856番だ。」とのこと。

なるほど、改札口から1つ降りると、そこにはバスターミナルがあった。バスで行けばいいのね。856番か、オッケー。果たして、そのバスターミナルには何台のバスがあり、どれだけの乗り場があったでしょうか?その中から856のバスを探すのは至難の業。

どの乗り場かも分からないから、足で稼ぐしかない。

そう考えた僕は14kgのバックパックを揺らし、乗り場をしらみつぶしに見て行った。するとなんと幸運なことか、856のバスがちょうどバス停に停まるところが見えた。シンガポールで夜11時に全力ダッシュ!最後の1人としてバスに飛び乗った。

………あれ?どうやってお金払えばいいの?てかどこまでバス乗ればいいの?

乗ってから気付いた。
分からないから運転手に聞くと、イコカやスイカのようなカードを、タッチできるところを指さした。(もちろんシンガポールでイコカもスイカも使えない。)カードは持ってないと伝えると、「はあ?はよ金払えや。」とキレてくる運転手。しかも話の途中でバス出発させてしまうし…

信号で停まったところで、やっと現金での支払いを受け付けてくれた。マレー鉄道の駅まで行きたい!と数回伝えると、1.50SGDで行けると教えてくれた。細かいのがなかったので2.00SGD払うと、バスは再び走り出した。おつり?そんなものありません。

まあこれでひとまず駅まで行けるはず。時間もギリギリ間に合いそう。夜のシンガポール北部の道路を眺めながら、やっと一息つけた。途中、駅の近くらしいバス停を過ぎた。でも運転手は何も言わない。次のバス停に着いたとき、ふと気になった。「あとどれくらいで着くのだろう?」

すいません、あとどれくらいでウッドランズ駅に着きますか?
バスの運転手
もう過ぎたわ!はよ降りろ!!

えええええええ!?もう過ぎた!?!?
あんなけ目的地やお金のことでもめたのに、なんで教えてくれなかったんだろう、運転手さん。てかいちいち怒るなよ。
おかげさまで、バス停1つ過ぎちゃった。この時、電車出発まであと15分。

なんとなく外の景色眺めてたから、だいたいの方角は分かる。信じた方向に走ってくと、駅は見つかった。電車出発まであと10分。

2階に上がると、若いインド系のお兄さんがいた。

お兄さん
パスポートは?
はい!これです!
お兄さん
e-Ticketプリントアウトしたやつは?
えっ…?

なんとe-Ticketをプリントアウトしとくの、忘れてた。てか当日の朝、スタバでiPod Touchから予約したんで、プリントなんてできません。しかしスクショもメモもしていなかったので、事態は最悪の方向に。

お兄さん
e-Ticketの証明ないなら、乗れへんわ。

うわあああああああ。まじで?ほんまに?聞きまくると、どうも1階のオフィスに行けば、ネットで確認できるかもしれないとのこと。ここから1階と2階を3往復。上ではe-Ticket見せれないと無理。下ではほぼオフィス閉まりかけ、というか閉まっていて、「なんでもっと早く来なかった?」「もう電車出発するから対応とか無理、あきらめな。」と言われる始末。最後には上にいたインド系お兄さんもついてきてくださったが、結局だめだった。

もう終わった…明日の朝一のバスでクアラルンプールまで行こうかな…なんて考えだしたとき、道は急に開けた。

お兄さん
本当に予約してんな?本当はあかんけど、とりあえず駅の中入っていいよ。

なんと優しい方なのでしょう。この時出発予定時間まで5分をきってました。

シンガポールの出国審査とマレーシアへの入国審査を2分で済ませ、ホームにたどり着く。すると、さっきのお兄さんが駅員の人と話していた。

お兄さん
とりあえずこの車両で座っといて。次の駅で15分停車するし、そこで確認する。

なんとお兄さんが、すべて話を通してくれていた!ありがとう、インド系お兄さん!

案内された車両に乗ると、寝台車両じゃなくて、ふつうの座席。そして記念すべき、飛行機以外での初の国境越えを経験した。

次のジョホールバル駅に着くと、チケットの確認を駅のパソコンでしてもらい、寝台車両に移ってもよいと許可がでた。本当に話を通してくれたあのお兄さんには、頭が上がらない。

走りまくって、駅やバスの人と話しまくって、のどが渇いていた。電車の中の売店で、水を買う。

店員
はい、2リンギットでペットボトル1本ね!
はい。(紙幣を手渡す)
店員
どもーありがとう!
あれ、これ水2本ですよ?間違ってませんか?
店員
ん?君が渡したのは2シンガポールドル。僕が言ってたのはマレーシアリンギット。ここはもう、マレーシアだよ!

こんな形で、初めての国境越えを実感。水2本を抱えて、寝台車両へ向かった。

Part 4へ続く…はずでしたがめんどくさくなり一時停止中(笑)

著者の川本 和さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。