[完結編]天国へ旅立っていった馬鹿な友人へ9

前話: 天国へ旅立っていった馬鹿な友人へ8
次話: [あとがき]友人Bの死が、俺に与えてくれた物

 心を共に生きると言うこと



前回までのあらすじ

Bの涙を受けて4年ぶりにB家に参じた俺

俺は個々の思いを受け止めるため話を聞く

Bの為に心を痛め続けていたBおかん

Bのために自分に責め苦を望み生きる

そんな地獄のような日々で足掻いていた。

そんなBおかんにBの思いは届くのか

俺は4年越しにあの時言えなかった言葉をつむぐ

心と共に生きるということの意味と意義を…

あらすじここまで


泣き出すBおかんが少し収まるのを待って

Bおかんに俺は諭すように話し始めた。


知ってます?

死んだとき残す思いは

すべては残された人の道導べのために残される。



心はどこにある?

脳?思考をつかさどるのは脳だから人体構造上間違ってない。

心臓?医療的に症例が残されている以上実例がある、間違ってない。



だけど俺はこう思う。


心が芽生えるのは人と人との間の距離で

憎悪であれ

愛であれ

良くも悪くもそれだけは変わらない。


Bの肉体は滅んだ

Bは死後の世界に行き

Bの魂はBではないほかの生を歩む。

生きる意味…命の答えを探して


でもBの心は貴方とともにある。

残された人は

その思いと共に生き

その人だったらどうするのか?

思いを馳せ、考えることで

ピンチを切り開いてきた。

この心は死すべき人が生きてる人に残す

最後の贈り物なんですよ。



俺はBおかんに

Bの心を自分のための拷問道具にするのではなく

Bの心と助け合い、Bが見れない世界をBと共に見てほしかった。


泣き崩れるBおかんを諌めながら俺は言葉を紡ぐ。


あいつのことを無責任に忘れるわけじゃなくて

あいつの心を自分を責める道具に使うんじゃなくて

あいつの心まで殺さないようにあいつと共に生きてほしいんすよ

むずかいしいこといいますけど、やってくれますよね?


泣きながら頷くBおかん


涙は

悲しみか、安堵か、はたまたいずれでもないのか?

今の俺には知るよしもない。

だけど

きっとBがないて俺のところに来るようなことはあるまい。

不思議とそう思えた。


んじゃなんかあったら、いやなくてもいいんすけど遊びに来てください。

そう告げると

俺はいたずらっぽく笑いB家を後にした。




その日以来

Bが俺の前で現れることはなくなった。

困れば泣き付いてくるんだろうが

そんなことしなくてもよくなったんだろう。

願わくば、

B家の家族が心安らかに生きて

贅沢を言えば

時代を超えてもう一度家族になれる瞬間を

俺でなくて違った形になるだろうが

何からか形で見届けたいものだ。


俺は天を見上げる…

空にはいつも以上の青い空が広がっていた。

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[あとがき]友人Bの死が、俺に与えてくれた物

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