ボリビアで体験した漫画みたいな詐欺

 

今から4年ほど前、ひとりで世界一周の旅に出ました。

そこで最後のほうに訪れた南米ボリビアでの話です。

正直、嫌な思い出ですし、お話するのも恥ずかしい経験ですが、

これを読んで、気をつけて旅行してくれる人が増えたらという期待を込めて

書こうと思います。



旅に出て数ヶ月が経ち10カ国以上を訪れ、

旅人としてなんだか自信が出てきた頃、私は南米のボリビアにいました。


すごく貧しい国ではありますが、外国人と現地の富裕層向けに

街の中心部にはwifiが飛んでいるおしゃれなカフェが何軒かあります。


ボリビアの首都ラパスに着いてから数日が経ち、

そろそろ街歩きにも慣れたころでした。


その日もいつものカフェにネットをしに行こうと、

リュックにノートパソコン・日本の携帯(当時使っていたのはiPhone3)・パスポート・

サイフ・・・などなどあらゆる貴重品を詰め込んで街を歩いていました。

(この時点でどれだけ私の危機意識が薄かったか、お気づきいただけるかと思います・・・)


いつもの坂を上り、いつもの公園の横を通っているときに

ひとりの女性に声をかけられました。


風貌はちょっと裕福なボリビア人の若い女性といった感じ。


「ハーイ。 私エクアドルからひとりで旅行に来てるんだけど、

もし時間があったら、あの公園の噴水のところで写真撮ってくれないかな?」


英語もまぁまぁ話せるし、

同じひとり旅女子ということでやけに親近感が湧き、

時間もあったので、彼女(以下エク子とします)の写真を撮ってあげることにしました。


その後、お互いのことについて会話をしていると

突然ボリビア人の割腹のいいおじさんが近寄ってきて、

警察手帳を見せながら、

「警察だけど、外国人には抜き打ちでパスポートチェックをしているから

パスポートを提示しなさい」と言われました。


制服着てないし、なんか怪しいし・・・と思いながら念のため

「パスポートは宿に置いてきたからコピーしかない」

と言ってコピーを提示しました。


自称警官は「コピーじゃ確認が取れないからこのまま警察署まで同行しなさい。」と。


そこへタクシーが現れこれに乗れと。


エク子はパスポートを見せていたはずだけど、

私のせいで彼女も同行しなければならないという。


さすがに車はダメだろう。と最初はNo No と拒んでいた私ですが、

すっかりエク子のことを信用してしまっていた私は、


彼女の「南米ではよくあることなの。私も時間ないんだから、あなた早く乗ってよ」

という催促に負けて車に乗ってしまいました。


警察に向かっているという車の中では、オッサンは終始ご機嫌に話しをしていましたが、

10分ほど走った、まわりに何もないところで車が止まりました。


そこでオッサンが、

「最近は偽札が出回っているから、お前たちが持っていないかどうか荷物検査をします」

と、突然車内で荷物検査が始まりました。


エク子は「またコレね」といったような慣れた手つきで

バッグをオッサンに渡し、ひとつひとつ説明しています。


いよいよ私の番。

リュックごと助手席に持っていかれ、「これはジャパニーズの携帯か」とか

「これはノートパソコンか」とか見たらわかるやん。っていう質問を数個されながらも

私の私物チェックは終わりました。


その瞬間、エク子が、

「ちょっと、あなたいったん車から降りてくれる?」と言い、

「え?なんで???」となっている私を車から放り出しました。


この辺の記憶があまりないのですが、気が付いたら私は車の外にいました。

まだ状況が把握できていない私に、助手席からオッサンが私のリュックを手渡し

その瞬間車が去ってしましました。



・・・・・・・・?



5秒くらい私は状況が読めぬまま、唖然。

ふと我に返ると、


リュックがめっちゃ軽い!!!


慌てて中身を確認したところ、パソコン・携帯・カメラ・・・

金目のものは全部なくなっていました。


なぜか現金少しとパスポートは無事だったので、

そのまま次に見つけたタクシーを拾い日本大使館まで行き

助けを乞いました。


おわかりの通り、エク子もタクシーも、オッサンとぐる。


パスポートと少し現金が残っていたので、物を盗られただけで済みましたが、

命を奪われてもおかしくない状況だったので、

変に抵抗しなくてよかったのかもしれません。


今考えると、どこからどう見ても詐欺でしょ!っていう状況で

被害にあった自分が信じられませんが、

こんなことが起こってしまいました。


まさか自分は。と私も思っていましたが、

異国で、判断能力が鈍る場合もあるかもしれません。


こんな経験、ないに越したことはありませんが

万が一、この先あなたがこんな状況に陥ることがあった場合は

この話をチラっと思い出して、

危機を回避してください。


ちなみにラパスではこうやって盗まれたものが

日曜に開催される通称ドロボー市で売り出されるそうです・・・。


最後まで読んでくださってありがとうございました。















ストーリーをお読みいただき、ありがとうございます。ご覧いただいているサイト「STORYS.JP」は、誰もが自分らしいストーリーを歩めるきっかけ作りを目指しています。もし今のあなたが人生でうまくいかないことがあれば、STORYS.JP編集部に相談してみませんか? 次のバナーから人生相談を無料でお申し込みいただけます。

著者の谷口 真代さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。