ナイジェリア人の妻修行はヤギ狩りとヤギ頭スープ作り

先日幼稚園のリンゴ狩りがヤギ狩りになった話の続編。


遠足の日に現金を持ち合わせていなかった為その一週間後に義理母からのリクエストで家族と共にヤギ狩りへ。


まずその日の朝きっとお母さんは来ると曖昧な旦那の返事にイライラ。

計画性マイナス10ぐらいの家族。来ると言ってもこない日が多いのであまりあてにしない。義理母の家と私達の家は車で30−40分程。旦那はお母さん9時に来るからと言ってたけど信じなかった私の正解。昼過ぎ12:30頃に到着。(ヤギの為に)


義理母はめったに私達の家に訪問しない。遠いから、仕事が忙しいからなどの理由。

しかしヤギに目がない義理母。ヤギ!といったら本当にすぐに行動に出てびっくり。

私はヤギ狩りが出来るところを見つけた!と言わないと訪問してくれないんですね?と伝えると、訪問したでしょ!!と返される。心の中で「はい、およそ一年前に」

と呟いた。やっぱりないジェリンタイムだ。(汗)



ここから30分ほど離れているマサチューセッツ州のランカスターという所までいざヤギ狩りへ。まずオーナーのマニーにヤギを下さいと注文に行くと既に他の顧客から注文があった巨大な牛一頭の二本の後ろ足が天井から鉄の鎖で吊る下げられ逆さになって舌がベロンと出ている凄い光景が待ち受けていた。マニーは牛の毛皮を凄い勢いで巨大ガスバーナーで焼く作業中。15分ぐらい待ってくれと言われた。3歳の息子はそれをみてかなりトラウマになった様子。



写真は左から旦那、義理母、タイ人の友達、義理の弟(筋肉ムキムキ)




牛の処理が終わったマニーと一緒にヤギを選びに行く。


このヤギはちょっと小ぶりだったのでその日の夕食に選ばれなかった。


これはラム。ラムには興味はないそう。


義理母は脂肪のない若くて身の引き締まったヤギを探している。そして彼女が気に入ったヤギをオーナーのマニーに伝えた。

マニーは首に縄をかけ旦那とタイ人の友達に手伝ってくれと言ってきた!

旦那は嫌だと抵抗するが義理母に一喝され渋々ヤギを押さえたり引っぱったりしていた。


抵抗するヤギのお尻をたたいたり角を掴んだりしてヤギを連れて行く様子。ヤギは相当泣いていた。3歳児の息子はもう耐えられないようで私にずっと抱きついて「お母さん、ヤギいやだって!悲しいって!」と叫んでいる。。胸が痛い。。


そしてここから先は写真撮影禁止なので文面でしか説明できないが私はトイレを借りたかったのでマニーさんにどこかと聞くと現場のまっただ中に通された。殺されたばかりの牛、ラム、そしてまだ生きているヤギを掻き分けて命がけ?でトイレへ。


トイレに行く道中先ほど殺され毛皮を焼かれ皮を剥がされた牛のお腹をスタッフが巨大ナイフで切った!ドボドボと音を立てて物凄い勢いで溢れ出てきた長い長い腸と内蔵を踏まないように血を踏みながら切り取られた牛の頭とラムの頭を横目にしなんとかトイレに辿り着いた。物凄い生臭い匂い。こんな匂いは初体験だった。過酷なトイレへの道。。


そしてトイレに入ると電動ノコギリで選んだヤギの首が切られた音がした。。

トイレから出ると命果てたヤギの毛皮を早速ガスバーナーで焼き始めた。


説明しがたい匂いとその状況に吐き気がしたがなんとかこらえる。


そう!これも

ナイジェリア人の妻修行!!(涙)


こんなところで吐いたり愚痴を言ったら絶対に義理母に嫌われる!

出来るだけ平静を保って笑顔で彼女との会話に努めなんとかその場をやりくりする。


マニーとスタッフがヤギを切り捌くのを待っておよそ1時間程。

旦那が呼ばれ手押し車でヤギ肉を持ってきた!これにもビックリ。



車のトランクにヤギ肉を乗せる。かなり重い。これにも一苦労。


この時点で息子は英語で I don't wanna eat GOAT! (ヤギは食べたくない!)と叫んでいる。打って変わって義理母は大変満足そう。脂肪が少なくて良い肉だ!ととても喜んでいたのが印象的。そして小さいビニル袋に入っているのがヤギ頭。。。これにも彼女は大変満足そうだった。この日購入したヤギ一頭は320ドル。(3万円程)でも相当な量なのでお店で買うよりはお買い得?そして冷凍も冷蔵もされていないので新鮮度は抜群?



この日の夕食は家族が待ちに待った “ンゴンゴ” ヤギ頭スープだった。ナイジェリアでスープというとのは日本でいうお味噌汁のようにサラサラしているのものではなくカレーのようなドロドロしたもの。この感覚にも最初はちょっと戸惑った。


帰宅後義理母はヤギの脳みそから頭の全てを上手に解体し色んなスパイスをいれて3−4時間ほどヤギ頭を煮込んでいた。



そして数時間後に出来たンゴンゴ。



旦那は大好物が食べられて本当に幸せそうにしていた。


日本では嫁入り修行や妻修行で料理教室に通ったりすると思うがナイジェリア人の嫁入り修行、妻修行はまずヤギでも牛でも自分で買いにいってどんなグロテスクな光景も凛として受け入れ家族に大好物を与えるといった過酷な道だ。今回ヤギ狩りに初めて同行した事で嫁としての信頼度が増したのか義理母はとても喜んでくれていた。


この体験で一つ身にしみて思ったこと。私は去年からお肉は食べていないがそれまではお肉は沢山食べてきた。お店にいって簡単に買えるお肉。マニー牧場のトイレへの道中が頭をよぎりもう二度とただお店に並んでいるお肉!なんて思えないだろう。


小学校や中学校の遠足、課外授業などで皆がこういう体験をしたら飽食なんて絶対しないだろうしキチンと心を込めて”いただきます”そして”ごちそうさま”と言えるようになると思う。日々精進。


ナイジェリア人との国際結婚(ブログ)

著者のLove Juriさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。