鬱病の心に響いた、たったひとつの言葉

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忘れもしない、24歳の夏頃、

僕は1年間会社に寝泊まりしていて、ある日、衣類を取りに家に帰ると、

自分の家の安心感と、疲れからか深く寝てしまいました。


いつもより深く眠りにつくと、

次の日の朝、僕は立つことが出来なくなり、

何故か涙が止まりませんでした。


このまま会社に行っても死んでしまう…


3年間ずっと仕事を頑張ってきました、大好きな仕事でした。

しかし上司に言われた言葉が、脳裏をよぎります。


上司
お前は才能が無いんだから、早く仕事を辞めてしまえ!


毎日、自分は仕事に向いてない、誰かの足を引っ張ってる、そう思ってました。


俺が仕事を辞めた方が、みんな助かる…


そんな思いで働いていたのです。


そのまま、自分の部屋から出る事が出来なくなり


まるで、空に風船が自由に飛んでったような


僕の2年が始まりました。


家に居ても、外に出ても、仕事をしていない人間の心は晴れやかとはいかず

どこにいても、自分が浮いてる感覚だけが残りました。



浮世のような、空気がブヨブヨして、灰色に見える空に

味のしない食事。

夜中に、トイレと食事を少し取るだけで、

家族の誰とも合わずに自室に引きこもってました。


誰とも会話せず、病院に行くと、不眠と鬱病の診断がくだり、

3年間頑張ったベンチャー企業の社長から、ある日、突然呼び出されました。


社長
今まで悪かったが、会社を辞めてくれないか


突然のクビ宣告でした。
暫くは何も考えられず、ただ涙を我慢して頷きました。


社長
鬱の人間が、同じ現場に居ても悪化するだけだと思うからさ…

どんなに言葉を噛みしめても、


僕は、社長の言葉の意味が理解が出来ませんでした。


何もかも失って、3か月が過ぎ、ちょうど連休中の中学の友人が銭湯に誘ってくれました。


原田
中条、お前大丈夫なのかー?
ぜ、ぜ、、ぜんぜんだいじょーじ
原田
あれ…お前言葉…
(やばい、人と話さなすぎて言葉が発声ができない)
原田
ま、大丈夫そうだな、また色々一緒に遊びに出たりしようぜ。
あ、あ、あ、ありがとう、会社辞めただけで大丈夫だから…俺…
原田
安心して、何も話さなくても大丈夫だから!



なんかもう、色々自分の中にあった緊張の糸が切れてしまい、

彼には正直に話す事にしました。


鬱病、不眠、今、自分は自殺を考えている事。


もうどうせ死ぬかもしれないから、少し海外や、日本を回ってから死に場所を考えている事。

原田が最後に会う人かもしれないから、どうでもよくなって全部話しました。



原田
楽しそうじゃんよ、行って来い、色んな所!


…普通止めるもんじゃないのか


そういえば中学から原田は、こんな奴でした。

俺がどんなに不義理でも、時間を守らなくても、こんな状態でも、

なんか解らないけど、連絡だけはくれた数少ない友人の一人でした。


また、このベンチャー企業を紹介してくれたのも彼なので、

多少なりとも責任を感じてたのかもしれません。


僕は、次の日、キャッシュカード2枚を持って、

そのまま家から羽田空港行きのバスに乗ってました。


行先は無い、この先の事も何も解らない、

でも、此処には何故か居たくない。


なぜなら、理由は、

誰にも迷惑を掛けず

誰の目にも止まらず

この世界からひっそりと幕を引こう。


そう、決めていたからでした。


空港に着くと、まず発券シートの機械があったので、適当に一番早く飛ぶ飛行機に乗る事にしました。

当時は馬鹿だったなぁと思いますが、そのまま日本をぐるっと回り、

北海道では自転車で1日200キロ走ったり、海外は7か国同じように適当に旅行していました。

※どうでも良かったので野宿や、見知らぬ土地でも勝手に寝てました。


途中で、FACEBOOKに、たまに近況書いていた為

中学の友人や、高校の友人から連絡が来て


友人A
今暇してるなら、ちょっと俺の家寄ってけよー!
友人B
俺も旅行中だわ、現地で合流して一緒に遊ぼうぜ!



そんな感じでフラフラと変な感じで、新しい友人が出来たり、

中学、高校の友人と再開を果たしたりで2年が過ぎてました。


しかしどの国へ行って、どの場所にいっても、


…僕の死に場所は見つかりませんでした。


どこで死んだら、悔いが無いのだろう、周りの人に迷惑がからないだろうか、

たとえば、この先こんなことをしたら自分は変われるのだろうか、

結局、鬱になっても死ぬことも出来ない、


社会にも接してない、何も変わらないクズな自分が出来上がりました。


俺はこんなみじめな人生でいいのだろうか…



そんな疑問と悪夢にずっと悩まされました。


ただ普通に働きたい、普通に生きたい、


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