私が女性消防士になったわけ。1

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20歳。みんな、何してた?
私は医学部に行くために二浪して、でも全然目標に届かなくて、毎日行かなきゃいけない予備校からも逃げ出して、スタバでラテを飲むのが唯一の癒しだった。
ほんと、親にお金出してもらってるのに勉強はうまくいかないし頑張れないし、運動しないからデブだし肌は荒れまくり。成人式で振袖着ても、ただの白塗りの鯉のぼりみたいで情けなかったなぁ。
でも、そんな私が3年後に消防士になっちゃうんです。


とある2月某日。
二浪目のセンター試験では散々な成績で、医学部なんて絶望的。恥をしのんで三浪は…なんて親に聞いたものの、どこでもいいから浪人は許さん!!と家を蹴りだされて(そりゃそうだ。)またもスタバでラテをすすってた。
でもね、スタバでどんなけ考えても妙案なんて浮かぶ訳もないでしょ。だから、店を出てあても無くフラフラ街をさまよってみたの。
そしたらものすごい音がしたあと、バイクが飛んできた!

そう、目の前で交通事故が起きてたの。バイクと乗用車の接触事故で、バイクはこっちに飛んできて、乗ってる人は全然違う方に飛んでいってた。
とりあえず救急車っ!!
回りの人がそう叫んでた。私はびっくりして何も出来なかったけど、とりあえずバイクの運転者さんのところを見に行った。
顔から血が出てるし、動かないし。怖い。

「だ、だいじょうぶ…ですか?」

そうやって聞いてみるも、触ることすら出来なかった。何かしようよ!って思うのに何をしていいかわからなくて本当に悔しかったんだ。

そうこうしてるうちに、救急車がやって来た!普段は煩いと思っていたピーポーの音があんなに頼もしかったのは初めてだった。
そっからは速かったなぁ。怪我してたバイクの運転者さんは救急隊員の手によりサックリと救急車に入れられて病院へいっちゃった。

さあみなさん、お分かりでしょう?そう、この時に私は救急車との恋に落ちたのです(笑)
この車に乗りたい!!
そんな単純な思いと、救急隊員のヘルメットに書かれた「救急救命士」の文字。
帰ってネットで救急救命士になるには専門学校に行けばよいことまで突き止め、近所に救急救命士の専門学校が3次募集していることを発見し、2浪の間に溜め込んでいたパワーをフル稼働して4月から専門学校に潜り込むことに成功したのでした。
でも、私はまだ大事なことを知らなかったのです。。。

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