友達家族 ~親が子供になる~ 第三夜

このエントリーをはてなブックマークに追加
30

人は1人では生きていけない

1人で小さな2人を育てるのは大変でしたが、母も時々来てくれて手伝ってくれました。

子供と一緒に遊んでる時は笑顔も少しずつ出来る様になったとはいえ、まだまだ心の痛みは癒えてなかったのか、この頃から夜中だけすすり泣く様になりました。

今思えば怖い光景ですよね…。

夜中、ヘッドホンで音楽を聞きながら1人の世界に入り込むのが私の唯一の楽しみになっていました。
そしてその歌を聞きながらすすり泣く…ひとしきり泣いたらやっと疲れて不安を感じずに眠れるようになるんです。

すっかり私の心は壊れていたのか、外の世界には関心が行かず、それまで仲が良かった友達にも連絡ができずに、自分を狭い狭い世界へと追い込んでいました。
それがその時、唯一の心を落ち着かせる世界だったのかもしれません。



ある時、お兄ちゃんの3歳児検診に言った時の話。


昔、夫婦げんかばかりしてる時に、お兄ちゃんが登園拒否をした事があったんです。
その事を検診の時に来ていた精神科医の先生に聞いてみました。


昔、保育園を登園拒否した事があったんですが、息子は大丈夫でしょうか?
息子さんの事も心配ですが…
お母さん、今まで1人で頑張って大変でしたね。

先生のその言葉を聞いた途端に私はその場で号泣してしまいました。

別に誰かに褒められたいからお母さんをしてる訳ではなかったけど、私の中での理想の家庭を作りたくて、1人で頑張ってきたんですよね。

「仕事が忙しい…」
「お前が働かないから金がない…」
「お前は家にいて楽していいな」

なんて夫は言うだけで、家族の事を一緒に考えてくれず、悩みにも耳を貸さず、
2人で頑張ってるって感じられなくて、本当に辛かったんだと思います…。

自分の心だったのに見えなくなっていた私の心。
3年間の結婚生活の中で少しずつ私の心は壊ていってたことにも必死な毎日では気づかなかったんです。

だけど…

「お母さん、今まで1人で頑張って大変でしたね」

たったその一言の言葉に私は救われたんです。

両親でも身内でも友達でもなく…
先生とはいえ、初めて会った見ず知らずの人の言葉に救われました。

それまで必死にやってきたからこそ、辛かったからこそ私の心に響いたんでしょうね、
怖くて生命の危機以外は出られなかった私が、これをきっかけに少しずつ外に出られるようになろうと決心し、出る訓練を始めることにしました。

読んでよかった
このエントリーをはてなブックマークに追加
このストーリーをブログ等で紹介する

|

最近「読んでよかった」がついたストーリー

【2001年】孫さんとの思い出(YahooBB立ち上げ) 長編

35年間いつも側にいてくれた人と別れたいと思った理由【7】普通コンプレックスからの卒業

僕は車椅子に乗っている。ただ、それだけのこと。~幸せになるための〇〇~

最終話:11歳で母を自殺で亡くした若者が生きることを諦めなかった『からあげ』の話。

第4話:11歳で母を自殺で亡くした若者が生きることを諦めなかった『からあげ』の話。

第1話:11歳で母を自殺で亡くした若者が生きることを諦めなかった『からあげ』の話。

【末期がんの父に贈った病院ウエディング】めげない心が起こした奇跡

僕の名前も忘れ、100万人に1人の難病を患った妻と僕の物語

息子が20万人に一人と言われる難病と闘った話。たった9か月間の3人家族だった。

『好きな事しかしないが、それには情熱を傾ける』自分の性格を人事部の部長が認め、富士フイルム入社後に何でもありになった話~退社までの流れ

20歳でニュージーランドにワーホリに行ったら、渡航2週間で貯金が底をついた件

急に旦那が死ぬことになった!その時の私の心情と行動のまとめ2(発生事実・後編)

ホームレスとヒキコモリ7(終)

大学生が、たった3か月で500万貯めてドイツ製最高級車のBMWを買ったのに、2週間後にクラッシュして300万の請求が来た話

出会って30秒ぐらいの人にプロポーズした話 【第2話】

月見里 悠季さんの他のストーリー

  • 友達家族~親が子供になる~ 第七夜

  • 月見里 悠季さんの読んでよかったストーリー

  • 体重25キロのガイコツになって、死にかけた話(1)