世界初?!インドの孤児院でサンバをし、意外なことで子供たちから喜ばれた話

2度目のインド訪問でひょんなことから導かれるようにボランティアしたブッダガヤの孤児のための学校の開校一周年でサンバをすることになりました。そのお話です。

その学校を経営しているインド人の友人ダールがぜひサンバで盛り上げて欲しい、とのことで受けることになりました。一周年記念パーティーは2008年1月と決まっていたので、一人ではどうにもならないのでまずは、一緒に参加してくれる仲間を集め始めたのが、夏か秋頃だったでしょうか。

旅行会社も並行してやっているインド人の友人ディップの提案により、インド旅行+サンバボランティアのツアーを行うことに。

私の気持ちに賛同してくれた仲間が積極的に声をかけてくれたこともあり、ボランティアがしたいという理由の他、インドにいってみたい、昔からインドに興味があった、インド関係の仕事をしているので、、といった理由で9人が集まってくれました。

ただ、サンバ演奏をするのもつまらない、子供たちにも一緒に参加してほしい、とのことで手作りの楽器を作って持っていこうということに。仲間が会社からフィルムケースを無償であつめてくれ、その中にビーズや豆などを入れて、振れば音がなる簡易”ガンザ”のできあがり♫100-200個位は作ったのではないでしょうか。

みんな、会社やチームの練習の忙しい間をぬって演奏の打ち合わせや練習、諸々。



1月12日。出発当日。成田空港で集合。中には風邪をひいてしまった仲間もいましたが、無事全員出発することになりました。

夕方デリー着。思ったより寒くありません。
バスでそのまま市内観光。寄ったチャイ屋さんの男の子(15)の無垢な笑顔にみんな惚れこんで写真大会に。

1月13日。早朝、デリー→バラナシへ。日が差していて、暑い。といっても長袖必須の気候です。ホテルに荷物を降ろしてからサルナートという仏陀が説法を説いた仏教の聖地へ観光。車から降りるなり、物売りがものすごい勢いで売りに来ました。なぜか私狙いで。。。 


夕方のガンジス川をボートで鑑賞。ガンジス川までは途中車からリキシャに乗り換えて。ついたガンジス川流域。ぴかぴかの電飾にマントラのスピーカー。眠らない街、といった感じ。”聖地”の言葉がとても似合う。


 夕食はとあるゲストハウスの屋上で。タブラとシタール演奏を聞きながらのご飯でしたが、途中からみんな踊りだして、しまいには客の外国人旅行者や従業員のインド人も楽しそうに参加するしまつ。


ホテルに帰ってからは、夜遅くまでサンバ演奏の練習。 真夜中なのに普通に楽器叩いて苦情なかったのがすごい!



1月14日。早朝から日の出を見にガンジス川へ。
太陽の赤くて大きなまんまるにみんな ”ほ~”、と声にならない声。
朝のバラナシはとても寒いです。
でもたくさんの人が沐浴をしています。
インド人もさすがに寒いみたいでぶるぶるふるわせながら沐浴しています。

男も女も、若い人も老いた人も。
沢山の沐浴のインド人の光景は誰が写真をとっても絵になります。
 沐浴や朝日を見ていたら8年前の光景が思い出されてちょっと感慨にひたってました。8年前に一緒にいった友達とこの光景をいっしょに共有できたらよいのに、って!!変わらないよって! 
今度はゆっくりバラナシ行きたいなあ。

さて、朝食を食べたらすぐブッダガヤへ移動。約5時間の車の旅。
 ブッダガヤへ着いたらさっそく学校へ。リハーサルです。
一年前私が来たときは建物とトイレしかなかったのに、塀や池、植物が植えられてすっかり変わっていました。びっくり!!
リハーサルの途中インドPOP&トランスミュージックにみんなのりのりで踊りまくり。インド人のりがいいぞ!!


1月15日。早朝マハボーディー寺院へ。お釈迦様が悟りを開いた菩提樹がある寺院です。
 仏像様と再会!
うーーん、やはりこの方を目の前にするとじわっとくるのです。
ここインドに来れたのも、またこのブッダガヤという土地にこれたのも
なにもかもが導かれてきたのだなあ、と。
すべての出来事や人との出会いは御縁で会うべくして会ってるんだなあ、ということを感じました。
感謝、の言葉しか浮かびません。

さて、午後から学校の一周年記念パーティーです。沢山の人が見にきていました。学校の子供たちや家族だけでなく、村の人々。なんとインドのTV局まで!
8か月ぶりに会う里子は前と打って変わって明るい子供らしい無邪気な笑顔を見してくれました。去年は笑顔ひとつみせなかったのに。たった数か月でこんなに人間って変わるのですね!
サンバ演奏も大盛況でした。

(肌の露出をしないお国柄の為、あのサンバ衣装はさすがに無理だろうとキャミソールとミニスカート
にしたのでさえ、インドの女性たちの半分位には怪訝な顔されて帰られましたが。。。

 あの、子供たちの為に作った楽器も、配られるやいなや、みんなすごい勢いで楽器をとり、一心不乱に鳴らしていました。こうやってリズムを取るんだよ、というアナウンスなんて聞いていません。私たちの、『一緒に演奏をしてサンバのリズムを知ってもらう』という目的は達成できなかったけれど、こんな楽しそうな姿みていたら、もうどうでも良くなりました。だって、この『楽しむ』ことがサンバで一番大切なことなのだから!


あとでダールから聞かされました。

ダール
あの子達はね、貧乏だから生まれてから一度も『自分の所有物』を持ったことがないんだよ。
学校の制服も文房具も、みんな借り物。自分のものなんてないんだ。
千里たちが持ってきてくれたあの楽器が
『初めての自分の所有物』なんだ。
だから、子供達は心から嬉しいんだよ。
 本当に、ありがとう!!

 それで、あんな輝いた目をしていたのか!

ここビハール州はインドでも一番の貧困を抱える州である。幼稚園~小学校の年代の年代が、生まれてから一度も自分のものを持ったことがないって??日本では考えられないことでしょう?

パーティーが終わった後子供たちと戯れました。
一度に大量の子供たちに囲まれて、抱っこ攻撃。

人懐っこい、を超えて度が過ぎるくらい、まるで私たち家族?と思えるような甘えん坊。

みんな、子供達と遊んだあとはぐったり疲れましたが、私はなんだか清々しい気持ちでした。

あとで、ダールが 子供たちがこの遊びの時間が一番喜んでいたとのことでした。抱っこしてくれたのが、とっても嬉しかったんだって。


 親がいない子供たちにとって一番求めているのは、人の愛情。

一緒に笑顔を交わすだけでいい。

言葉なんて通じなくても、心は通じる。

ぎゅっとハグするだけでも、それが癒しになる。
 
 シンプルでとても大事なことを、逆に子供たちから学ばせてもらいました。


ダールからも是非来て欲しい、とのことで、また、インドDEサンバツアーを行いたいとおもっています。もちろん、サンバやっていない人、インドに興味ある人も大歓迎の予定。


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