日本初のコールドプレスジュース専門店サンシャインジュースのストーリー #stayjuicy

10代の頃から20代前半までアメリカに暮らし、日本に帰国後、アメリカやヨーロッパ、アジアの各国を訪れる機会に恵まれる仕事に就き、後、自身のルーツでもある台湾に移住。親戚の仕事の手伝いをしながら、台湾文化の中でしばらく過ごした。そんな様々な国で暮らした経験と、日本語・英語・中国語を使える強みをいかして積極的に旅をすることで、新しい事を吸収したり、新しい人と出会ったり、新しいアイディアをみつけたりすることが多い。サンシャインジュースもそうやって始まった。

3年前くらいに機会があってNYを訪れた。 様々な文化が入り乱れエネルギーにあふれるNYが好きで、行くたびに変わる街からいつも刺激を受け、アイディアをもらう。昔住んでいた頃から仲が良いNYローカルの友人達となんとなくコーヒーを飲みながらしゃべっていたら、「nori,最近NYでジューススタンドがちょこちょこできてきていて、面白いよ。ヘルスコンシャスな人は毎日のようにそこに立ち寄って1本10ドルくらいするジュースを買うんだぜ。」という情報。なんとなく面白そうな気がして、「連れて行ってよ」と言って、すぐにマンハッタンにでき始めていたコールドプレスジュースのスタンドに行ってグリーンジュースを飲んだ。すぐに「これ最高!」と思った。

僕はもうかれこれ10年くらい運動が生活の大事なところを占めていて、日々ランニングや水泳や自転車といったいわゆる、「エンデュランススポーツ」を通して精神と生活のバランスをとっている。少しでも時間があれば走ったり、泳いだりすることで頭の中を整理したり、体調を整えたりしている。アイアンマンディスタンスレース(水泳3.8km,自転車180km, ランニング42km)も1年に最低1回は走ると自分に課し、トレーニングをしながら生活のバランスをとる。必然的に食べる物も、体に良いもの・体に負担のかからないものを摂るようになっているし、あまり体に良くないものをとりすぎると体が重く鈍る感じがして、不快だから自然と体の反応が良いものを積極的に食べたり飲んだりしている。

そんな僕の体がNYでジュースを飲んだら敏感に反応し、これは間違いなく良いものだと感じた。そもそもコールドプレスジュース自体は知っていた。素材を絞るときに熱が加わらないコールドプレス製法で作られるジュースで、熱に弱い栄養素や酵素が生きたままジュースの中に含まれる「パワフル」なジュース。ジュースになっているから大量の野菜を飲んで体にチャージすることができるから手軽で素晴らしいというのも知っていたし、飲んだこともあった。癌の治療に医学的にも導入されるケースがあることなども聞いた事はあった。けれどNYでそれがあんなに手軽にお店に立ち寄って飲むことができるシーンをみて心底うらやましかったし、これが東京にもあればどれだけの人が喜ぶだろう、どれだけの人の生活を変えることができるだろう、と考えて、すぐに「東京でやろう!」と思った。その店に連れて行ってくれた友達に、「一緒にコールドプレスジュースの新しいブランド作ろうよ」って話して、すぐに計画は始まった。


SUNSHINE in the BOTTLE!

とにかく細かいことはよく考えていなかったけれど、新しい本当の意味でオーガニックで(=僕としてのこのオーガニックの解釈はもちろん「有機の」という意味もあるが“自然な”とか“自然発生的な”といった感じ)なにか多くの人をわくわくさせるようなコールドプレスジュースのブランドにしたいと思った。毎日店に立ち寄りたくなるような、生活の中にきちんと入り込んで多くの人に「このジュースがないとなんか1日がすっきりしないよね」と言ってもらえるようなブランドにしたかった。ネーミングもキャッチーでわかりやすいものしようと思い、言葉の響きもいいし、なによりおいしいジュースを作るのに欠かせない“サンシャイン”でいくことにした。サンシャインがそのままボトルに詰め込まれたパワフルなジュースを作ろうという決意でもある。(Sunshine in the Bottle!)

ロゴも、NYのアーティストである友人のマイクと作った。とにかくキャッチーで一度見たら忘れられないようなインパクトで、カラフルで、楽しくて、どこかちょっとおふざけ感のあるものを作りたい、とリクエストして、相談に相談を重ねてこのにやにやしたふざけたロゴが出来上がった。マイクもこのオーガニックジュースの“ノリ“を分かってくれていたし、彼自身もNYでグリーンジュースをよく飲んでいたので話は早かった。多くの人から「オーガニックのジュース屋のロゴとしてはドギツすぎる」とか「もっと女性的でクリーンなものにするべきだ」とか「そもそも気持ち悪すぎる」とか、反対意見もあった。けれど自分は満足していたし、新しいオーガニックジュースショップとして発信していくのには、インパクトもあって1度見たら忘れられないこのロゴは素晴らしいと思っている。

日本に戻り、アメリカからコールドプレスジューサーを取り寄せ、自宅でプロトタイプを作りまくった。 ジュースを作るのに有機野菜を使いたい、けれど都内で店や業者さんから買っていると価格も高く大量の野菜(約1kg)を使って1本のジュースを作るとその1本のジュースの値段が2000円くらいになってしまう。これじゃビジネスにならないし、そもそも「手軽」に毎日の生活にとりいれたもらう為には値段が高すぎる。実際にジュースに使用する野菜をどうしたらいいのか、 さっぱりわからなかった。でも、とにかく野菜を作っている現場を見てみたらヒントがあるかもと思い、材料にこだわった飲食店を経営する大尊敬する方に相談し、その方が仕入れをしている宮崎県の農家さんを紹介してもらってすぐに現地に連れて行ってもらった。農家の人たちに自分がやりたいことを伝え、とにかく野菜作り、流通の基礎的なことから話を聞いて教えてもらった。自分の目で、日々口にする野菜が作られている現場を見ることの価値を感じることができた。また、野菜だけが原料のシンプルで力強いジュースだけに、使われる野菜の生産者もわかって、生産方法もわかっていることでお金を払ってジュースを飲んでくれるお客様にも胸を張って僕たちのサンシャインジュースをオススメすることができる、自信のあるジュースを作ることができると思った。実際に生産者の方と話をすることで、彼らがどんな思いで野菜を作っているのかを聞くことができ、東京でその言葉を代弁してジュースを買ってもらうお客様にも少しずつでも伝えられればいいな、と思って、この”FARM to BOTTLE”(農場からそのままボトルに!)をサンシャインジュースのひとつのテーマにしていこうと思った。

素人の僕に大きな発見だったのが、生産者の方がこだわった製法でクオリティの高い野菜を作っても、例えば傷がついてしまっているからとか、サイズが大きくなりすぎてしまったから、といった「見た目」の問題で売れなくなっている野菜がたくさんあって、そういう野菜は近所の人にあげたり、なんと捨ててしまったり、土に返したりしているということも知った。でもジュースにするぶんには見た目は関係ない。だから、できるだけ見た目が悪いから売れない、「規格外品」を、通常のマーケットプライスよりも安く譲ってもらいたいという話をしてまわった。これがうまくできれば、生産者の方も規格外品をサンシャインジュースに供給していただくことで収入を得られ、僕たちも正規品よりも安く仕入れができ、お客様にも求めて頂きやすい価格でいいジュースを提供できるようになると思っている。 とにかくきちんと野菜の生産現場に足を運んで、野菜を作ってくれている方の話をできるだけ聞かせてもらって、さらに僕たちがどんな想いでどんなジュースを東京で作って販売しているのかを聞いてもらってそういうコミュニケーションをきちんとやっていくことを大事にしていこうと思っている。


WE ARE the TEAM SUNSHINE

今は大分根づいてきたサンシャインジュースだが、これまで、(今も)本当に 試行錯誤ばかりだった。NYでジュース屋をやろうと決めて日本に帰ってきて一番に、友人でPRの仕事をしていたイヂチに一緒にやろうぜと相談した。僕が出来ない事が沢山できて能力も高くて、センスもよいイヂチが一緒にやってくれたら心強いし良いチームができると確信していた。色々アツく伝えて、一緒にやってくれると言ってくれたのはすごくうれしかった。彼は今もサンシャインジュースの屋台骨としてなくてはならない存在で頼りまくっているけれど、その頃は二人とも何をどうしたらいいか分からなかった。店も、会社も、ウェブサイトも何もないけどイベントケータリングをイヂチが決めてきて、ケータリングするために僕の家で1台だけのジューサーで持って行くジュースを丸1日かけて黙々と作った。キッチンも野菜かすだらけになった。。妹や妹の友達に手伝ってもらって展示会とか、ヨガイベントとかにケータリングしてみると、飲んでくれる人の反応も良く、また、同時期に色々野菜の仕入れに関しても各地の農家から勉強して、これは面白い、とビリビリ感じていた。このころ、ずっと色々一緒に仕事をして、楽しい事をいつも一緒にやろうとしていたテっちゃんにサンシャインジュースの話をしたら、彼も可能性を感じてくれて、それならすぐに店を出そうよ、という話で合意した。今思えば、色々な人にこのNYでタネを拾ってきて日本各地の農家を訪れる事で少しだけ自分のなかで芽が出ていた「1本1000円野菜ジュース」ビジネスの話をしたけれど、前向きになって興味を持ってくれたのはこの2人だった。感謝感謝。

テっちゃんが、店舗設計のプロフェッショナルの彼の弟ヒロマサくんに声をかけてくれて、あっという間に恵比寿に店が出来上がった。その後生産が追いつかないことによる店の効率化を図る為の改装もヒロマサくんのおかげで、一晩でいきなりキッチンスペースが1.5倍になったりするミラクルを起こし続けながら拡大している。

さらに心強かったのが、長野在住でサンシャインジュースが店を始めて最初にジュースを作る時にとても重要になるアイテム「りんご」の農家を探していた時、長野でりんご農家を紹介してくれて、(結果的にそこでいきなり2トン購入)それ以降、サンシャインジュースの根幹である「良い野菜を、値段をできるだけ抑えて、日本各地の生産者から東京に集める」という、大きなミッションに一緒に取り組んでいる原さんにも出会った。彼も最初にりんごを買う早い段階からチームに入ってくれて、野菜の売買や流通を手探り状態から野菜の仕入れをメインに色々と一緒に動いてくれたり、野菜の厳しいコスト管理をしたりしてくれているおかげでビジネスとしてきちんと成り立っている感じもする。

お店をやれることになり、家庭用に近いジューサーを2台いれてオープンしたものの、生産が追いつかず、お店のスタッフと夜中までひたすらジュースを絞りまくったり、野菜の仕入れがよくわからなくなった上、夏場はクール便になることを忘れていて送料がグンと上がって原価が大変なことになったり、お店で使う野菜が多すぎてもはやジュース屋ではなく八百屋みたいになってたり(今も)、とにかくトラブルは絶えない。

おしゃれなジュース屋さんで働けるという希望を持ってアルバイトに応募してくれた人が「こんなはずじゃなかった」とやめる事はしょっちゅう、店はパンクして生産に追われている。そんな環境でもお店で毎日ジュースを作ってくれるスタッフの皆さんには本当に感謝しているし、早くみんながもっと働きやすい環境を作るようにしないといけないな、と日々思っている。


The ultimate JUICE; GREEN DETOXER by Sunshine Juice

コールドプレスジュースの店は東京にも増えてきた。とにかく最初に思っていたように、健康のために生活に取り入れて役立ててもらいたい、このジュースがないと1日がすっきりしない、と多くの人に言ってもらえるようなクオリティのジュースを作りたいし、そのために旬で、生産方法も胸を張れる野菜を作ってくれる農家さんとつながって街で忙しく動き回るお客様に手軽にサンシャインジュースを生活に取り入れてもらいたいと思う。

僕は毎日サンシャインジュースの大定番、グリーンデトクサーというグリーンジュースを飲んでいる。このジュースにはオーガニックのケール、ほうれん草、小松菜、セロリにレモンが加わり、グリーン野菜をがつんと味わうことができる骨太なメニューでストイックな人には大人気。自分で作っておいてなんだが、僕は完全にデトクサーアディクトになっている、でも、確かに野菜が苦手な人からは、「まずい」「えぐい」という感想が多々でる。実は一緒にやっているイヂチは当初はそんなに野菜が好きな訳でも健康志向な訳でもなかった。始めの頃なんて、新しいジュースができて味見で試飲してもらっても、大して飲まないし、あまりおいしいとかそういった前向きな意見はなかった。もちろん、グリーンデトクサーなんて飲める訳もなく、「こんな青臭いジュース飲める分訳ないだろ!」的な感じだった。それが、ついこの前みたら、グリーンデトクサーをグビグビ飲んでいて驚いた。「最近うまくて毎日飲んでるんだよね。」とか言いながら。もちろん、グリーンデトクサーが変わった訳ではない。最初はストイックでハードすぎると感じていたものも続ける事で感じ方が変わっておいしく感じられるようになり、日常に取り入れてもらえ、そのうちそれがないと1日がすっきりしなくなる。おいしさって口だけで味わうものではなくて、体全体の感覚と脳みそをフル稼働させて感じるものなんだと思った。サンシャインジュースを飲む事でそうやって、気づいたら体が喜ぶ事が少しずつ日常になっていく事を少しでも多くの人に実感してもらいたいし、実感し始めている人がすごく身近にいるのを見ることができてうれしかった。


Everybody loves the SUNSHINE.

今はこんなにカフェが町中にあふれているけれど、サンシャインジュースも近いうちにそんな感じになりたいと思う。家から仕事にいくまでの間にちょっと店によれてジュースが飲めたり、 朝のランニングのコースにあって走った後にジュースを飲んで家に帰れたり、街をぶらぶらしながらなんとなく店によってジュースが飲めたり、そのくらい当たり前に街にある存在になりたい。それと合わせて、もっと色々な場所に足を運んで色んな野菜や果物の生産者さんとつながって話を聞いて、パワフルないい野菜を集めたい。それ以外にも色々頭の中にはアイディアや構想がある。それを1つずつ、みんなで形にしていければいいな、と思うし、多くの方々のサポートを頂きながら少しずつ前進しているサンシャインジュース。今後の面白い動きにもぜひご期待頂きたいと思います。#stayjuicy #farmtobottle


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