【第二話番外編】「僕が軽音部に入るまで」〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜
このお話は、
【第二話】『最初の宝物』〜死に場所を探して11日間歩き続け、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜の、
はじさんと健ちゃんとの出逢いのキッカケになった、
僕が軽音部に入るまでのお話です。
僕は、バスケ部を辞め、1年の2学期の終わりから、軽音部に入った。
中学ではバスケ部で、引退してからバンドをやっていた。
高校では最初から軽音部に入るつもりだった。
そのためにその高校を選んだ部分もあった。
しかし、部活見学でバスケ部の練習を見て、またバスケがしたくなった。
バスケ部では、校則とは別に、部則というものがあった。
染髪、ピアスはダメ
炭酸は飲んではいけない
1年はホームルームが終わったらダッシュで部活の準備をする
まあ、要するに体育会系だった。
僕は、茶髪でピアスもしていたが、
バスケがしたくて、髪を黒く染め、ピアスの穴を塞いだ。
しかし、髪の長さの指定はなかったので、ロン毛だった。
ある日の練習試合で、僕だけ試合に出させてもらえなかった。
顧問の先生は、すごくえこひいきをする人で、
一人だけロン毛の僕は気に入られていなかった。
僕は、決して上手くはなかったが、3Pシュートだけは自信があった。
試合に出してもらえたほんの数分間で、必ず3Pを決めていた。
練習だって、一生懸命頑張っていた。
しかし、先生の好き嫌いだけで、試合に出れない。
何だかバカバカしくなった。
一番キツイ夏休みの部活を終え、
僕はバスケ部を辞めた。
自分で髪の毛切り、ブリーチし、ピアスの穴を復活させた。
僕は縛られるのが嫌いだ。
校則だろうが、部則だろうが、納得出来ない規則は嫌いだ。
髪の毛を金髪にして、朝のホームルームの後、
早速担任の先生に呼び出された。
「その頭は何だ?」
「親を呼ぶぞ!」
意味が分からなかった。
校則で禁止されていないのに、なぜ金髪じゃいけないのか?
高校の最寄の駅の隣の駅には、学区一、治安の悪い高校があった。
他の先生には、
「駅1つ間違えたんじゃないの?」
と言われた。
僕は、校則は守っていた。
ネクタイは学校指定のものをしていたし、
勉強は出来なかったけど、授業はちゃんと聞いていた。
分からないことは質問もしていたし。
先生に会えば、ちゃんと挨拶をする。
しかし、無視された。
挨拶も出来ない人間が、
なぜ教育者になっているのか意味が分からなかった。
初めての進路調査で、
「将来の夢を書いて提出しろ!」
と言われた。
僕は、
「モデル」
と書いて提出した。
それを見た担任の先生は、
「モデルは無理だろ!」
と鼻で笑いながら言った。
「否定すんなら、書かせんじゃねぇよ!」
と僕は言った。
いや、本当は、
「夢を書けと言われたので、今の気持ちを正直に書いただけです。」
と言った。
まあ、実際モデルになろうと行動しなかったのだから、
僕の中でもそこまで強くなりたいと思っていなかったのは事実だ。
しかし僕は、
人の夢を決して笑ってはいけないと思う。
学校の先生はクソみたいな人間ばかりだった。
僕は自由に生きたかった。
感情を吐き出したかった。
自分を知って欲しかった。
自分の気持ちを分かって欲しかった。
そんな僕に光を差したのが、音楽だった。
「音楽をやろう!」
僕は、バスケ部を辞めてから、小学校2年生以来のピアノを習い直していた。
「もっと音楽をやりたい。」
「軽音部に入って、またバンドをやろう!」
幸いにも、軽音部は僕のように見た目も個性豊かな人達が集まっていて、
自由な部活だった。
僕は自由を求めて、軽音部に入った。
ここまでが、軽音部に入るまでの出来事。
軽音部に入ってからも、色々と面倒なことはあったが、
クソみたいな大人達に相手にされなかった僕をステージに上げてくれ、
多くの人に心の中のメッセージを伝えることが出来た。
この経験は、今の僕の「伝える」いう仕事の原点になっている。
また、音楽を通して出逢った人たちは、
僕の人生で今でも大きく関わっている。
特に先輩達には、すごく可愛がってもらった。
慕ってくれる後輩達もいた。
音楽を通して、「僕」という人間を多くの人に認めてもらうことが出来た。
僕は、音楽で社会的な実績を残している訳ではない。
しかし、音楽を通して得たものは、
僕の人生において、僕自身にとって、とても大きな実績となっている。
音楽を通して出逢った人たちに、感謝をしたい。
僕のメッセージを聴いてくれた人たちに感謝をしたい。
そして、音楽自体に感謝をしたい。
「ありがとう!」
引き続き、
【第二話】「最初の宝物」〜死に場所を探して11日間歩き続け、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜
をお楽しみください!
著者の坂内 秀洋さんに人生相談を申込む
著者の坂内 秀洋さんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます