自分探しの旅に出た大学生が見つけた、ただ一つの真実 ~第8話 見たことのある景色~

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7日目 穏やかな日。



「おはよう」


友人の声と共に、岩間は目が覚めた。

絶好の観光日和。


今日は、友人とバイクで箱根観光。

朝食を食べて出発。


バイクの後ろに乗り、大涌谷や芦ノ湖、仙石原など、箱根の観光地を巡る。


「自分の足で漕がなくても進むなんて、本当に楽だね」

当たり前のように思っていた電車や車の有難さに気づく。


「友人と観光するのがこんなにも楽しいんだね」

当たり前のように思っていた友人の有難さに気づく。


当たり前という有難さを感じて、あっという間に時間が過ぎていく。

そして、夕方になり、楽しく楽な時間は終わりを迎える。


自転車を置いていた宿に戻り、そこで友人と別れた。

友人は颯爽とバイクで去っていく。

その後姿を見ながら、岩間は再び自転車で走り出す。



一人旅再開


箱根のてっぺんに到着。

あとは、下り坂のみ。


「スピードを出せる」


このワクワク感がたまらない。


箱根駅伝でよく見る坂をこれでもかというくらいのスピードで下る。

そして、カーブを攻める。とことん攻める。


・・・攻めまくり、転びそうになる。

調子に乗ったことを一瞬反省して、また攻めまくる。


そして、下り坂も終わり、箱根峠終了。

小田原に到着。

攻めたおかげで、40分で下りきる。


その後、1号線を進む。

車道は、車で渋滞。

岩間は、動かない車をチラッと見て、優越感に浸りながら、車の横をスイスイと走り抜けた。



見たことのある景色


平塚に到着して、厚木に向かうため、北上。

21時、厚木到着。


何か食べようと、周りを見渡すと、松屋を発見。

松屋で牛丼を注文。


「あれ?なんかこの景色見たことあるな」


ふと思ったが、思い出せず、


「またどうせデジャヴだろう」


と気にしていなかった。


普通に牛丼を食べた後、また出発しようと自転車に乗った時、あの日の記憶がよみがえる。


「こ、ここってもしかして1日目に寄った松屋か!」


そう。

偶然にも1日目に寄った松屋と同じところだった。


なぜかこの偶然が嬉しかった。

このちょっとしたことでも喜べる岩間がそこにいた。


その後、マンガ喫茶を見つけ、そこで夜を明かす。

(実は、ここも1日目に利用しようと思っていたマンガ喫茶だった)


狭いスペースの中、


「ついに明日が最後か。」


と、安堵感と寂しさを感じていた。


そして、岩間は忘れてはいけない最も大事なことに気づいてしまった。


「あれ?そういえば、まだ自分を見つけてない( ゚Д゚)」


本来の目的を思い出し、「やばい」と焦りながら、岩間は眠りについた。

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