自分探しの旅に出た大学生が見つけた、ただ一つの真実 ~第7話 箱根峠との戦い~

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6日目 箱根峠よ、こんにちは。


「朝ですよ」

おじさんの声と共に、岩間は目が覚めた。

ゆっくり休めて復活!

さらにおじさんに自転車の整備をしてもらい、自転車も復活!


おじさんのおかげで、箱根峠との戦いに挑む準備が整う。


出発前、この旅唯一自分が写った写真を撮ってもらう。



家を出発して、途中のコンビニまで送ってもらう。


おじさんに

「本当にありがとうございました!」

とお辞儀をしながら、走り出す。


その直後、お茶目な岩間は、感謝の気持ちが強くお辞儀をしすぎて、

前に停まっていた車にぶつかる。


(・・・一瞬沈黙が流れる)


車に傷がついてないことを確認して、

運転手さんに

「ごめんなさい!」

とお辞儀をしながら、再び走り出す。


岩間は、感謝と謝罪のお辞儀をして、箱根峠に戦いを挑んだ。


箱根峠の試練


平坦な道を1時間ほど走ると、ついに箱根峠突入。

見るからに下り坂が一切ないのが分かる。


ここまでいろいろな試練を乗り越えてきた岩間だが、

箱根峠は、まさに最後の試練に相応しい場所。


「よし。行こう。」


覚悟を決めて、岩間は走り出した。


・・・10分後。

気づくと岩間は、早くも自転車を押していた。

やはり6日目の疲労で体力の限界がきていた。


(もう疲れた)

心の声が聞こえる。


(もう疲れた)

何度も何度も心の声が聞こえる。


だが、戻ることはできない。

ただ、進むしかない。


そして、体力も限界に近づき、心が砕かれそうになった瞬間。


(頑張れ)

微かに何か聞こえる。


(頑張れ)

確かに聞こえる。

(頑張れ)

力強く確かに聞こえる。


今まで乗り越えてきた景色が走馬灯のように浮かび上がる。

そして、

「こんなところで負けるものか!」


岩間は、再び覚悟を決め、箱根峠に戦いを挑んだ。



乗り越えた先に。


上り坂のみの箱根峠を数時間走り続け、岩間はついに箱根峠を越える。

峠を越えると、箱根の観光地。

だが、夜になり、観光客はいない。


「ようやくここまで来たか」

一人、達成感を感じる。


箱根の街並みを見ながら、ふと昨夜の奇跡を思っていた。


「もし、昨夜、あの時間に沼津にいなかったら」

「もし、信号が赤で隣におじさんが止まってなかったら」

「もし、こんにちはの一言がなかったら」

そう思うと、確実に箱根峠に負けていただろう。

おじさんのおかげで箱根峠を乗り越えられた。


一つ一つとても小さなことだけど、今、こうしてここにいるのは、

その一つ一つの偶然が起こした奇跡なのかもしれない。


この奇跡に感謝し、岩間は今夜の宿に向かった。



宿到着


予約していた観光地より少し離れた宿に到着。

実は、箱根では友人と合流をして、一緒に観光する予定だった。

もちろん友人は、自転車ではなくバイク。

宿で合流し、友人のバイクでご飯を食べに行く。


バイクの後ろに乗りながら、

「今まで頑張って上ってきた道がいとも簡単に通り過ぎていく・・・」

と、少し切ない気持ちになりながら、文明のすごさをしみじみと感じていた。


ご飯を食べた後、宿に戻り、友人とこれまでのことを話したりして、楽しい一時を過ごす。


「明日は箱根観光だ!しかもバイクで!」

この旅で、本当の意味でワクワクした気持ちと安心感で、岩間は眠りについた。

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