サッカーバカの話

 40を超えても海外でサッカーに打ち込む話です。与太話(馬鹿話)的な内容なのでで気楽にお読みください。


 気がつくと既に海外に出てきてから9年目(2016年現在)に突入中。このままだと確実に10年越えは決定的な状況です。現在執筆時の2016年時点で46歳。中年をそろそろ通り越して、老人の扉が見え始めている今日この頃です。


 私の他のストーリー『自分の体のこと シリーズ』を読まれている方ならご存知のことなんですが、私は生まれつき、両膝の軟骨の奇形(半月板が三日月状ではなく本当に半月の様な形)と多分それに伴って発生したと思われる両膝の『分裂膝蓋骨』、さらにはそういった障害に気がつかずにスポーツを続けていたことで発生したと思われる両足首の『関節内遊離体(野球選手やテニスプレーヤーの肘にできやすい『関節ネズミ』と同じ様のものです)』と、走ったり飛んだりするスポーツをするには全く向いていない体を持っているのが私です。


 実際に高校2年の時に左足首の手術(比較的簡単に取り除ける関節内遊離体の除去)、大学4年次に左膝の半月板の整形手術、そして2010年には両膝の分裂した膝蓋骨に付いている腱を間引く(一部の腱を切ってしまい膝蓋骨本体と分裂している膝蓋骨が衝突して炎症を起こしていたものを軽減する手術)と合計4回の手術を実施しています。


 普通ならこう言った体ということが分かった時点、どんなに遅くとも2010年の両膝の手術をした時点でスポーツや運動はやらないのが普通だと思います。確かに私も2010年の手術後3年ほどは運動はもちろんですが、駆け足といったことすら自制する様な生活をしてましたから。


 それまでは、日本でも市民リーグに参加しているサッカーチームに所属したり、社内にあるフットサルチームに所属したりと、生活の中に常にサッカーがある、スポーツがある生活をしていました。

 しかし、、、まさか海外赴任中にスポーツ自体を諦める様なことになるとは、、、、。


 そんな状況が変わったのが、2013年にベトナムのホーチミンで40歳以上並びに女性が自分が出来る範囲で楽しくボールを蹴るということで誘われたサッカーチームに参加をしてからです。


 もともとは全くサッカーなんかするつもりはなかったのですが、

   『昔サッカーやってたなら、久しぶりにサッカーしてみない』

   『メンバーの大半は40歳以上なんで、みんなそんなに動けないから、ユルいサッカーだよ』

   『見学するつもりで、ちょっとボール蹴ってみようよ』


 と執拗(笑)に誘われたことから、

   1:両足の問題があるので基本無理はしない。

   2:もともとGKをしていたので、しばらくはGKのみで参加させて欲しい。

   3:体の様子を見ながら、徐々に他のポジションを試す。

という条件のもと、再びボールを蹴り始めました。


 結果的にですが、どっぷりとサッカーにハマるまでそんなに時間はかかりませんでした。

 最初は普通のランニングシューズでボールを蹴っていたのですが、

  『やっぱりボールを蹴るとなるとキチンとしたシューズを準備した方が、、、』

と思い、トレーニング用のサッカーシューズを購入し、

  『練習試合をするならGK様のグローブを買わなきゃ』

とグローブも購入し、

  『あっ、レガースがないし、試合用のシューズもない』

  『膝にかかる負担を軽減するためにも専用のサポーターを買わなきゃ』

と部屋の中は、あれよあれよと言う間にサッカー用具が増えていったのでした。


 さらに、追い打ちをかける様に、参加しているサッカーチームの代表者から

  『OJIN CUP(Overseas Japanese Inter-Nations Cup)というアジア地域に赴任をしている40歳以上の方がそれぞれの赴任先でチームを作り、年に1回どこの国が最強かを決める大会があるので、来年(2015年大会)はそれに参加します。』

 とのご報告!


 それを軽〜く受け流していればよかったんですが、

  『やるからには、目標一勝!』

 とさらに追い討ちをかける様に燃える始末。

 どうすれば手術した膝に負担をかけずにサッカーができるのか?

 どうすれば40過ぎのおっさんが、昔の様にサッカーをする事ができるのか?

 そういったことを考えながら、毎週木曜日に練習、隔週くらいでフルコートの練習試合をこなしていきました。


 結果、、、初参加ながら参加12チーム中5位とまずまずの結果。


 これで満足するかというと、、、サッカー馬鹿は当然つぎの様に考えます。


 『来年はもっと上位になる様に練習しよう』


 迎えた今年2016年の大会は、昨年よりも1チーム増えた13チームが参加。

 去年よりは上位を!!を合言葉に頑張ってきたおっさん達は、途中グランドが池の様になるくらいの大雨の中、汗まみれ、泥まみれになりながらもひたすらボールを追いかけ、走り続けて、、、目標だった昨年よりも上の順位、4位という結果を得ることができました。


 今は、大きな大会が終わったこともあり、仕事中心の真面目な生活に戻っているおっさん達ですが、毎週1回仕事終わりに遊びにも行かず、飲みにも行かず、ただただボールを追い回しています。


 ひたすら、自分にできる精一杯のプレーをして、来年に向けてひたすらボールを蹴り続けているのです。中学生の様に、得点すればみんなで喜び、失点すればみんなで反省をする。そんな青臭い2度目の青春を謳歌しながら、、、。


 けれども、寄る年波には絶対に勝つことはできません。必ずいつかは、みんなとプレーが出来なくなる本当の『引退』という時がやってくると思います。

 でもその時まで、できる限り長くみんなとボールを追いかけていたいと思う、サッカー馬鹿のストーリーでした。

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