260キロで負けた

「コルベットZR-1」
私が20 歳の頃乗ってた車だ。
ノーマルで300 キロ出る。
あの当時、ゼロヨンも12 秒だ。
ヤナセのような正規ディーラーで買うと、1340 万円。
私は外車屋だったので、並行で600万円くらいで仕入れた。
鋼のフレームのフロントミッドに、V8 5.7 リッター 4 カム32 バルブ オールアルミ製エンジンを積み、ボディはFRP だ。
2 シーターで、タイヤサイズはフロント275/40R17、リア315/35/R17。
内装は本革電動バケットシート、メーター類はすべてデジタル表記。
6 速マニュアルトランスミッション。さすがにクラッチは重い。ツインプレート。
400 馬力、トルク58㎏、カムに乗るのは2000 回転くらいから。
車重1580㎏。
さすがにパワーがあるだけに、100 キロくらいのスピードで走っていても、シフトダウンしてアクセルを踏めば、そこからホイールスピンする。
第三京浜にオービスが出来る前はよく遊んだもんだ。
ホントに300 キロ出るのかどうか試してみようと思い立ち、夜の湾岸ではなく、昼の常磐道へ行った。
そしたらポルシェのツーリングチームに遭遇。
バトル開始。
ノーマルのカレラ程度のポルシェなら、ブッチぎれるのだが、エキゾーストの音も違うしロールケージも入っている。
こいつら只者ではない。
いくらアクセルを踏んでもルームミラーに写るポルシェが小さくならない。
いい加減200 キロを超えてくると、普通に120 キロくらいで走っている他の車を、まるでパイロンを
かわすかのように運転しなければならなくなってくる。
ここで面白かったのは、追い越し車線をそこそこのスピードで走っていたフェラーリが、びびったかのようにすぐさま道を空けたことだ。
フェラーリもついて来るかと思ったがサイドミラーの彼方に消えた。
話を戻そう。
260 キロを超えたあたりで、根性負けした。
怖くてアクセルを緩めた。
勢い良く中央車線から3~4 台のポルシェに抜かれた。
ふぅ…。ポルシェいじってる人って、結構本気なのね。
踏めば300 キロ出る車なので、もっと勝負できたかもしれないが、練習が必要だな。
なんて思っていた矢先に、勤めていた外車屋が倒産。
車も手放した。
私が人生で一番最初に所有した車だ。
もう、あんな車に乗ることは無いと思うが、また乗れたら楽しいだろうなぁ。
ちなみに、今はZR-1 の進化版がGMシボレーから発売されてます。

著者のさとおじさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。