「自殺したい」と考えたことのある、すべての人へ。

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これは、あたくし、『いずくま』の声ではなく、恐らくあなたの知らない、『私』の声です。


あたくし、いずくまは、『私』が、あたくし、いずくまに聞かせてくれたこの声を、あなたにも聞いて頂きたいと思い、ここにシェアさせて頂くことにしました。


これを読み終えた後、あなたの頭の中でも、色んな言葉や思考が飛び交う事になるかと思いますが、ぜひ、この機会に、一緒に考える時間を作って頂ければ、嬉しいです。


あなたのために、世の中のために、そして、『私』のために。


いずくま

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 ママ、パパ。

 本当にごめんなさい。

 私は、死ぬことにしたの。

 人というものが、本当に恐いの。


 人でいることが、本当に、本当に、恐いの。


 生きることが怖く、辛く、悲しく、もう、耐えられないの。


 私だけが、運悪く、人を恐ろしく思ってしまう生き方を歩む事になってしまったのかな?


 私だけが、運悪く、人の恐ろしさに耐える事ができない弱い人間として生まれ堕ちてしまったのかな?


 分かんないけど、私はもう、耐えられないの。


 だから最後に、ママとパパに聞いて欲しい。


 最後の最後に、好き放題に、嘆かせて下さい。お願いします。


 私のこの手紙をママとパパが読む頃には、私はたぶん、もういないと思う。


 こんな親不孝な私がやっぱり嫌いだったら、読まずに捨ててくれて良いです。


 ごめんね。本当にごめんなさい。 


 実は私、小学校の時からずっと、いじめられてたの。


 パパとママが殺しちゃったら嫌だから、誰かは言わないし、私も今は気にしてないから良いんだけど、ずっとみんなに無視されてたって事は知って欲しかったから、言うね。


 先生もたぶん、知ってたと思うけど、仕方ないよね。


 その時は助けてって思ってたけど、今になったら、先生だって立場があるし、仕事があるし、家族もいたと思うから、私一人のために人生を投げ売る事なんて出来ないって気持ちは分かるよ!

 だから今は恨んでないし、パパもママも、復讐とか考えないでね。お願いだよ?


 パパとママが悪者になるのが、私は一番つらいんだからね。


 でもね、一つだけ誤解を解きたい事があるの。


 私はね、勉強したくないから、サボって、成績が悪かったわけじゃないの!


 教科書とか、宿題とか、私がトイレにいったり、忘れて帰ってしまって戻ったら、ぜんぶなくなっちゃってたの。


 ママも、先生も、宿題しなさいとか、勉強しなさいって怒ってくれたけど、無かったの。


 でも、それを言わなかった私が悪いのはわかってるよ。


 ママとパパを責めたいんじゃなくて、反省してるの。


 ごめんね、なんで、正直に言えなかったんだろうね、怖かったのかな。


 でもね、高校に入ってからは、友達ができたんだよ!


 ミホの話はいっぱい話したから、ママも覚えてるよね?


 それでね、言ってなかったけど、始めての彼氏もできたの。


 すごく優しくて、頭もよくて、私にはもったいないぐらいかっこ良くて、サッカーも凄くうまいの!


 それが2年生だったかな?たぶんそうだと思う。


 でもね、実は彼のことをミホも好きだったみたいで、ミホが怒って、私のことを無視したの。

 

 しかも、ミホの友達もみんなでね。


 でも、私は彼の事を本当に好きだったし、彼も味方だって言ってくれたし、なにより、もう無視されるのは慣れてたから、彼と一緒の大学に行こうと思って、勉強もがんばり始めたんだよ。


 けど、やっぱり彼は頭がよかったから、大学は別々になっちゃったけど、電車で30分ぐらいの距離だったから、ぜんぜん会えるし、幸せだったけどね。


 パパとママも、こんな感じでラブラブだったんだろうな〜とか、私もパパとママみたいに結婚して家族をつくるのかな〜とか、子供がいじめられない様に頑張るぞ!とか考えてたよ笑


 笑えないよね、ごめんなさい。


 でも実はね、彼とミホが一緒に浮気をしてたの。


 彼もミホの方が好きだって言ってたみたいで、頭が真っ白になっちゃったけど、仕方ないよね、ミホの方が可愛いし、頭もいいし、人気者だもんね。


 そう言って自分を励ましたんだけどね、やっぱり悔しくて、誰も信じられなくなっちゃって、結局大学もずっと一人でいる事にしちゃったんだ。バカだよね。


 大学でも一応友達はできたよ!でもやっぱり、なじめなくて、友達の彼の話とかを聞いたら私も思い出しちゃって悲しくなるし、でも私の話をしたらテンション下がっちゃうだろうし、あまり仲良くなれなくて、2年生の時にはもう単位のためだけに大学に行ってたよ。


 それでね、その時に、自分の人生について考えてみたんだ。


 もし私が、いじめられてなかったら、どんな人生だったんだろう?って。


 もし私が、いじめられてる事を、ママに言えてたら、どうなってたんだろう?って。


 もし私が、彼を振って、ミホと仲良くしてたら、私は傷つかなかったのかな?って。


 全部過去のことだし、こんな事を考えても私は変われないって思ったんだけど、ひょっとしたら、私みたいな人が他にもいて、その人達を変える事は出来るんじゃないか!?って思ったの。


 だから、学校の先生になったんだよ。実はね笑


 でもね、やっぱり、私なんかが変えられる世界じゃなかったよ。


 今だから言っちゃうけど、先生もみんな、やっぱり自分のことや、自分の家族のことばっか考えてて、生徒のことなんて二の次だったの。


 それでやっぱり、いじめは毎年絶対に起きてたよ。


 私がいじめられてる時は、ママやパパにも先生にも相談しなかったから分からなかったけど、私が先生になって、いじめっ子を怒った事があったんだけどね、いじめっ子の親が私に猛抗議してきたの。


 私はいじめられてる姿を実際に見たから、色々反論したんだけど、いじめっ子の親は、「証拠は!?証拠は!?」って言って聞く耳もたなくて、でもいじめられてる姿をムービーなんて撮ったらプライバシーだとか、ムービー撮る時間があるなら早く止めろ!とか言われるし、もうどうしたら良いのか分からなくなっちゃった。


 それでも、私は自分の過去の話まで持ちだして親に訴えたんだけど、私と一緒に話を聞いてた教頭先生までいじめっ子の親の肩を持ちだして、私の方を見て、「しっかり教育しておきますので、今回は・・・」なんて言っちゃうんだよ。


 一人の小さな男の子の大きな人生が掛かっているのに、大人の立場の問題一つで、いじめを無視しても良いってわけ?


 そんなはずがない!と思って、私も食い下がらずにずっと戦ってたんだけど、やっぱりダメだったの。


 結局、いじめられてた男の子は親に相談して、私はその子の親と、いじめっ子の親の両方から責め立てられて、教頭率いる学校の先生たちからも責め立てられて、また、居場所をなくしてしまったの。

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