地震で壊れた祖父のお墓をなおす旅に、幽霊?の女の子と一緒にいった話。⑤

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 幽霊の名前はヨネちゃん。

祖父のお墓を探しているのに、女の子の幽霊にお人形をねだられた理由がわかった。

祖父と同じ墓に入っている女の子だったのか。

ホラー大嫌いな私だけど恐怖感はなかった。

静かに納得できた感じ。


薄曇りの空は晴れて、風が少し強くなってきた。


墓石をみて見る。

地震の横揺れの影響だろう、中台の部分がひし形にゆがみ、

固定されていない石がずれて隙間が空いていた。

隙間に誰かが板切れをはめて、補修した後があった。

触ると板はすぐにはずれ、のぞくと暗い空間がみえた。

この中に骨壷があるんだろうな。

竿石(名前が彫ってある石)も、欠けがあったので

一度倒れたことがわかった。


欠けと板切れ挟まれたのが嫌だったんだな。


「ヨネちゃん、お人形と風車どうぞ」

お菓子と一緒にお墓にお供えした。


お線香もあげよう。

一本出して、ライターであぶるが

風が強くてライターが消えてしまう。


困ったな、

10本位まとめて

ライターであぶると

ボオオオオッと松明のように

燃え上がった


ちょっ!あつい!

火を消そうと、振っても振っても消えない

線香がマッチ棒並みの短さになって、

たまらず地面に落とした。


喜んでいるのか、歓迎されているのか、

お線香に飢えていたような感じもする。


もう一回・・・。

ゴオオオオオオ!!

火が消えない!

何度か繰り返し、線香半箱位使ってしまった。


笑うしかなかった。

今までごめんね。幽霊とか、ご先祖さまとか

信じてないっていうか、

関心もなかったけど、こんなに喜んでもらえて

うれしいよ。


でもさ、おじいちゃん、ヨネちゃん

大問題があってね、

お墓直せないんだ。

お金ないんだ。

お墓って、何十万~何百万もするんでしょ?

すぐには出せないよ。

だから、出世払いってことで

ちょっと待っててちょうだい。


私は墓地を後にして、車に乗り込み

とりあえず、さっきの石材屋さんに戻って

おばあちゃんに報告することにした。



石材屋さんの観音像脇に車を止め

観音像を見上げたら、

安堵感で笑いと涙がふきだしそうになった。


涙をこらえた変な笑い顔で

お店に入ると、おかっぱ頭のおばあちゃんが出迎えてくれた。

お墓見つかりました。ありがとうございます。
おばあちゃん
ええ!本当に!

おばあちゃんはあたふたして

私に座るよううながし、だるまストーブの上のなべから

小豆の煮物をついでくれ、お茶をだしてくれた。


十勝沖地震が起きてから、ここに来るまでのこと。

自分に霊能力なんてないし、

なんで呼ばれたのかわからないとか

お墓直してあげたいけど、

正直、大金は出せないと謝ってきたことを話した。

おばあちゃん
わかったわ。一緒に行きましょう。墓石を見てあげる。
ありがとうございます!

二人で、墓地へ戻った。


※ここまで読んで下さり、ありがとうございます。とてもうれしいです。


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