地震で壊れた祖父のお墓をなおす旅に、幽霊?の女の子と一緒にいった話。その後

前話: 地震で壊れた祖父のお墓をなおす旅に、幽霊?の女の子と一緒にいった話。⑥

 函館から帰り、数日後

私を苦しめた左胸は大分おさまっていたが、

まだ心臓に何かを巻かれているような違和感は残っていた。


それが突然

パリン!とガラスが割れるような感触がして

心臓が元に戻り、温かい血液が体中にめぐるのがわかった。

お墓が直ったんだ!


その日の夕方、石材屋のおばあちゃんから電話があった。

おばあちゃん
お墓なおったわよ。写真も現像次第おくるわ
ありがとうありがとうありがとう!
おばあちゃん
あなたに似合いそうなアクセサリーがあるから、わたしからプレゼントするわ。楽しみにしててね。


おばあちゃんからのプレゼントは

ブルーレースのブレスレットだった。

これは、シゲオじいちゃんにかかわりのある物として

大事にしよう。


その後

胸の痛みもとれ、

成田山新勝寺にお礼参りして、

観音菩薩を奉るお寺でもお礼をして。

お盆には、ヨネちゃん用お菓子を供えたりした。

(みえないけど、部屋の中にいる気配はあった。)


地震から12年たち

普通に暮らす中で

よい人に出会い、結婚し

子供二人授かることができた。


一人目を産むときは

ブルーレースのブレスレットをはめて

散歩をしたら、陣痛がきて

医者に褒められるほどの安産だった。


二人目の時は

とても晴れた日で

ああ、今日生まれるんだな、と穏やかな気持ちで

ブレスレットをはめ

散歩をしていたら陣痛が来て

一人目以上に短時間の安産だった。



一つ、お願いしていいかな。


私、家族が欲しいんだ。


努力しますから、見守っていてください。


あの時、シゲオじいちゃんにお願いした

望みは叶った。

会ったこともないおじいちゃん、ありがとう。


おしまい。


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