ストリートチルドレンと我が息子の話

セブのコンビニの前で、息子が飲みきれないで持て余しているジュースを、ストリートチルドレンの男の子がくれと寄ってきました。その手には腐敗して変色したマイス(トウモロコシの粉を加熱したもの)が入ったビニール袋が握られていました。

息子がそのジュースを手渡すと、その男の子はお礼を言うでもなく目の前で必死にジュースを飲み干しました。息子と男の子と僕とでコンビニの階段に腰掛けました。

そのあと、その男の子が「What's your name?」と息子に尋ねました。息子が答えると、男の子は、ここではじめて子どもらしい笑顔を見せ、自分の名前を息子に告げました。当たり前のことですが、この男の子にも名前があるのだと思いました。

垢にまみれた男の子が物乞いをするときには決して見せなかった笑顔と歯並びの悪い白い歯が印象的でした。

このように、コンビニの前で客の食べ残し、飲み残しで空腹を紛らわす子どもたちがいます。その一方で滞在しているホテルでは、うちの息子のような観光客やローカルの富裕層の子どもたちが親に促されるままに、ぐずりながら朝食を口に押し込んでいます。

フィリピンには、こんなふうに路上で生活する子どもたちがいることを息子に説明すると「じゃあ、日本に連れて行ってあげればいいじゃん。」と言いました。

僕が「じゃあ、この男の子と一緒に日本で住む?」と息子に尋ねると、息子なりに状況の難しさを考え、答えました。「じゃあ、僕たちが日本に帰る前に、ご飯とか、お肉とかお野菜をあげようね。」

息子にとってはただ楽しいだけではないセブ滞在になりましたが、この経験から何かを感じ取ってもらえたらと思います。

でも、こんなことはフィリピンだけではなくて、日本でも困っている人がたくさんいます。お腹をすかせながら夏休みを過ごしている子どもが日本にいることに驚きと戸惑いを感じます。

世界中でお腹をすかせている子どもたちにほんの少しのサポートを。

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