パプアの森の勇者デメギョ3

熊本から車でフェリーに乗って、島原に向かっているらしい。

「どこで待ち合わせしようか。」と、艶のあるハスキーボイス。

「どこでって、島原の地理知らんやろもん。」と言うと。

「島原は、何回も行ったことあるとよ、じゃあ、市役所の駐車場で一時間後、友達二人(男女のカップル)と一緒に行くから、車はスカイラインジャパンの白やけん。」プー、プー、切れた。

車は、白スカイラインジャパン、白のジャパン、白のジャパン、頭の中をグルグル回り始めた。

当時、ヤンキー車の代表格がスカイラインジャパンで、それが正式名称なのか、郷ひろみの歌なのか分からん、とにかく向かって来るのはジャパンなのだ。

ど、どうしよう、その男はどんな奴、凶暴なのか、クラクション鳴せば、パラリラパラリラ鳴るのか、シャコタンか、どうすればいい、姉ちゃんの目的は何、米に助けを求めるか、チョットビビってきた。

僕は普通の高校生、少し勇気のある男デメギョ、結局、一人で市役所に向かった。

一番目立つところに、典型的なヤンキー車、スカイラインジャパンが止まっていた。

運転席には案の定、絵に描いた様なヤンキー兄ちゃん、パンチパーマが少し伸びた様な感じで、45度メガネをかけ、睨む様に僕を見ていた、隣に座っているのは可愛い、ポニーテールで、ニコニコ笑って手を振っている、ヤンキー兄ちゃんの彼女だろう。

「バタン。」後ろのドアを開け姉ちゃんが降りてきた。

「待っとたよ~。」実は、ビビってしまって、米に電話したけど居なかった、どうしようノープランだ。

今日も黒づくめ、長めのタイトスカート、切れ目入っていて足チラチラ見える、ヤバッ、鼻血が出そう、ゴールドブレスレットが腕を動かす度にチャラチャラ音がする、姉ちゃんが手招きをしている。

「乗らんね、ドライブしよう。」

車に乗り込むとキツイ消臭剤の匂いがした、隣りに姉ちゃんが座ると香水の香りと色香が、僕の下半身に衝撃を与え、ピキ〜ん、深呼吸をして反応の収まるの待つ、

上を向くと、ルームランプがシャンデリアに付け替えられていた。



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