ずっと気になっていたニューヨークへ。思いつくまま、ノープランで行ってみた。

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とにかく、気になる場所、NY。


一回は行ってみたい。


ひょっとして、住んでみたいところ。


東京で暮らしている私は、


どこか背中を丸めて、目立たないように、


人の視線を集めないように、


こそこそしていて。


道をあるけば、公園やお店や道ばたに


立ち入り禁止、なになに禁止の連続で、


どこか窮屈。


人に変な目で見られないように、


迷惑をかけないように生きていた。


「人に迷惑をかけるな」


って、言葉は嫌いな文言の一つ。


なのに迷惑をかけないように


縮こまって生きてる。


迷惑って何だ?


例えば、電車の中で、刃物を振り回してる人に、


突然自分が人質にとられたとしたら、


それは迷惑な話だが、


そういう経験を引き寄せたのは自分だから、


それも一つの貴重な出来事として、


面白いに違いない。


あたりさわりなく予想のできる範囲で、


平穏に暮らそうとしているこの殻をやぶりたい。


そんなことをぐるぐると考えながら、


よし、NYに行こう! 


そう思い立った、2015年5月。


4月で一度、仕事を休職することにした私は、


ひとりで行こうか迷ったが、


同じように4月いっぱいで無職になった友人、


画家の野村さんをさそった。


野村さんとはかれこれ15年の友人。


同じ部屋にいても大丈夫、


そう。彼はゲイだった。


素敵な彼氏だっている。


どこまでも私の妄想につきあってくれる、


規格外の彼との旅は面白いに違いない。


何年か前、ハワイに友人の結婚式に一緒に行ったとき。


5泊もするのに、ヨレヨレの大きな布バック一つで現れた、野村さん。


「あ、ボク、トランク持ってないんで」ってな具合。


常識にとらわれてない彼の自由な、言動に、


なんだかいつもホッとする。


野村さんとの旅は安心、かつエキサイティングだ。





私がNYに行く目的はただ一つ。


NYのエネルギーを感じること。


それだけだった。


行きたい場所はセントラルパーク。


それ以外に行きたい場所なんてない。


私たちは、3泊5日のNY小旅行に行くことになった。





人気の少ない成田空港はリラックスした雰囲気。


遠くからグリーンのパンツをはためかせて


野村さんがやってきた。


もうすでにニューヨーカーみたい。


私たちはのんびりと出国手続きをして飛行機にのった。


いざ、NYヘ出発。



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