パプアの森の勇者デメギョの復活(アトピー地獄からの脱出) 5

前話: パプアの森の勇者デメギョの復活(アトピー地獄からの脱出) 4

あずみとの食事で気分を良くし、楽しく仕事を終え家に帰ると、またいい事を携帯の着信音が知らせてくれた。

調剤薬局の麻巳子だった。

「デメギョ、今日の夜9時八尾と一緒に花屋に行くから、ゆっくり話しましょう。」

昼ごろ食事に誘った時は、ゆっくり時間が取れないから次の機会にと、次の機会はないだろうと思っていた。

しかし、隣りの病院の八尾に話しをして急きょ今日になったらしい、二人とも家庭を持ってるのに時間を作ってくれた。気持ちが嬉しい。シビれる。

そそくさと食事を済ませ、花屋に戻り店を開けしばらく待っていると、二人はやって来た。

花屋のカウンターに買ってきてくれたお菓子や、お茶やコーヒーを並べて女子会が始まった。

最初に本来の目的である、いろいろ心配してくれてありがとうとお礼を言い、気持ちは上向いてきたことを伝えた。二人とも喜んでくれた。

それからは、僕のおもしろ話や、お互いの近況を言い合って時間が過ぎて行った。

遂に、僕の誕生日4月18日になってしまった。

「実は今日誕生日なんだよね。」二人に伝えると、ハッピーバースデイをうたってくれた。

「おめでとう〜。」

なんだか恥ずかしいけど嬉しい。47歳にして初めて女性に誕生日を祝っていただいた。

時間はもう午前1時になろうとしている。

「遅くまでありがとうね、今日は楽しかった。またしようね女子会。」二人を送り出し、今日の幸せを噛みしめた。

今まで自分の不遇を嘆いてばかりだった。自分は幸せ者だと思うことができた。

やっぱりお礼参りを始めてよかった。引きこもっていたって何も始まらない、もちろんアトピーも治らない、頭の上に乗ってる神様のおかげかもしれない、僕の頭の中のデメギョがささやくようになってからいい事が続く、車の修理代10万円は痛かったけど、積極的に前に出るようになってからの失敗はあまり気にならない、そうか、バックして電柱にぶつかったんだ。

バックはいけない、何事も前向きになろうと強くまた噛みしめた。

誕生日当日、気分良く1日の仕事を終えようとした時、幼なじみの純子がやって来た。

「どう、元気にしてる。」いつもパワフル、ブルトーザーのような女性で今まで何度も勇気付けてくれて、助けてくれていた。

最近、昔の自分を取り戻しつつある、なんか調子が良くなってきた事を伝えると、純子も喜んでくれた。

「実は今日誕生日なんだ。」と言うと、

「それじぁお祝いしないとね。居酒屋に行こう。」さすがパワフル純子、決断が早い。

「居酒屋はいやだ。酒を飲んだらアトピーが痒くなる、東とカラオケに行きたい。」と主張した。

「じゃあ、あずみのカラオケ屋に行こう。今から東に電話してみる。」純子は、バックから電話を取り出し東に電話をしようとした。

「純子ちょっと待て、東が来た。」???。

「エ〜ッ。なんでわかるの、そんな訳ないよまだ電話して無いのに、何も見えなかったよね。」純子は立ち上がりウロウロしだす。

「今から3分後に裏口から、こんにちはと言ってヒョッコリ顔を出すはず。」僕には根拠のない自信があった。

「ウソ〜ッ。」純子は落ち着かないらしく店内をウロウロしている。

「じっと座っとけ、もうすぐだ。」僕は腕を組み眉ひとつ動かさずじっと座っていた。

3分後裏口から、「こんにちは。」と、東が顔を出した。

純子はびっくりした様子で目を見開いていた。口も開いていたかもしれない。

「え〜っ、なんで分かったの。」まるでマジックでも使ったのかという表情だ。

「必然です。今の俺の頭の上には神様が乗ってらっしゃる。」と言い、東と純子に藤枝さんとの出会いを詳しく話した。






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