第二十八章 受験の真実

第二十八章

「受験の真実」

  私は北勢中学校では、体操部の副キャプテンだったし、クラスの議員で班長だった。しかし、そんなことを公表したことはないし履歴書などに書く欄もない。つまり、社会では評価の対象とならないので公表していない。少林寺拳法の黒帯で、若い頃にジャッキー・チェンとTV番組に出たという話も評価されないことを知っている。

  たまたま勉強ができたので公表しても大丈夫だが、そうでないと

「要するに、いろいろやってどれも中途半端で何も成果が上がらなかったということね」

  と評価されるのがオチなのだ。社会とはそういうもの。

 

  ところが、三重県のように日教組の先生が100%という県では特に

「クラブ、生徒会、勉強、恋愛、なんでもバランス良く成長していこうね」

  という理想を掲げる。科目も

「体育も家庭も音楽も、みんな大切」

  と指導する。時には

「調査書は合否を左右する。どの科目も手を抜かずに」

  と恫喝する。嘘なのに。四日市高校がテニスボーイを欲しがるわけがない。東大や京大が、家庭や音楽が得意な生徒を欲しがるわけがない。

  私はクラブも生徒会もやってきて、否定するつもりはない。政治家をめざすのなら、生徒会で練習するのも悪くない。アスリートをめざすのならクラブもいい。しかし、あれもこれも手を出すのは人生を誤る第一歩だ。

  最初に左翼教師に洗脳されると、

「ボクは科学者になりたい」

  というタイプの子は困るのだ。そういう賢い子たちは、とうの昔にソ連が崩壊し北朝鮮や中国のような社会主義の国がパラダイスなどと信じていない。現実が違うのだから明らかだ。

  東大や京大が、一芸に秀でた生徒を特別扱いして入学させる制度を持っていることも知っている。バランスなどどうでもいい。ガリレオの湯川先生や、相棒の杉下右京のように変人と呼ばれるくらいでちょうどいいと知っている。

  そうでないと、競争に勝てない。受験とはそういうものだ。

 東大は、来春の入学者を対象とする平成28年度入試から推薦入試の導入に踏み切った。出願資格として、数学オリンピックなどでの顕著な成績(経済学部)や商品レベルのソフトウエア開発経験(理学部)などを挙げている。

 京都大学も28年度から「特色入試」を導入。医学部では国内の大学で初めて、数学や物理などの国際科学オリンピックで日本代表として世界大会に出場した高校2年生が出願できる「飛び入学」を実施する。入学後の研究計画や卒業後の人生像を記した「学びの設計書」も合否判断に用いる。

 

  受験など、どうでもいいと言う人もいるだろう。

「将軍様に全てを捧げます!」

 と言う人もいるだろう。私は否定する気はない。問題なのは、全ての子を一つの方向に向けるために「強制」することだ。

 

  • 強制クラブは直ちにやめる。自由参加にする。

  • 下校時間を設定しない。学校に7時間以上拘束しない。

  •  

    この2点は都会では保証されている場合が多いが、地方は全体主義的なのだ。

    実施しないと、地方から若者の流出が続くと思う。私の優秀な塾生の子たちは地元の閉鎖性に辟易しているのだ。

      たぶん、この地区は近い将来過疎地として財政破綻の道を歩み統廃合されるような気がする。若者がいなくなりつつある。私の塾生はほとんどが大学を卒業後に戻ってくるとは言わない。

     

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