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14/1/22

ヤクザに殴られてから刑事訴訟をするまで私のしたこと

Image by Olia Gozha

私もこのようなことになるまで怖かったです。ええ、過去形です。私の体験談を共有することで皆さんの恐怖が軽減できればと思います。

無知だとなすすべもない

西暦2000年の話です。私は当時二十歳、すすきののカラオケ店に勤務しておりました。16時くらいから3人組の男の受付をしたところ、しばらくして別の部屋からクレームが入りました。いわく「勝手に部屋に入ってきて一緒に歌おうとする人たちがいるので注意して欲しい」とのこと。まずは電話の入った部屋へ向かい、思い当たる節はありましたので彼らの部屋に。どちらにも見あたりません。そうこうしているうちに別の部屋から出てきました。私は丁寧にお店のルールを伝えました。やりとりは要約するとこんな感じです。

「在室者の許可無く入室した場合は、入室した側に部屋代を請求させていただきます」

お客様「ハァ?なんでそんなの払わなきゃいかんの?ボッタクリか!この店は?」

「他のお部屋のお客様から苦情を頂きました。今回は結構ですが、同じ苦情を二度頂いた場合は先ほど申し上げたように請求させていただきます。お部屋にお戻り下さい。」

お客様「最初からそう言え、ナメてんのか!」

この台詞と同時にお客様は私の髪を掴み、ぐいと引っ張りました。


お客様「俺はヤクザだ!警察でもなんでも呼べ!」

正当防衛という言葉は頭に浮かびましたが、相手がお客様なのでどうしたらよいか分かりませんでした。こちらが無抵抗でいると、3人がかりで蹴られたり唾を吐きかけられたり、気の済むまで小突かれました。

彼らは部屋に戻り、その後はクレームの電話はありませんでした。憤りはあったものの、私もどうして良いのか分かりませんでした。1時間もする前に、彼らは退出しました。お会計は通常通りです。

知ってる人からすればこんなもの

夜になって社員さんが出勤したので経緯を報告しました。

「ものすごい腹がたったんですけど、何とか出来ないですかね?」

社員さん「へ?訴えればいいじゃん」

「えっ?」

社員さん「会員証今日作ったんだろ?免許のコピーもって警察行けば暴行罪で捕まえてくれるよ。」

「相手ヤクザですけど?」

社員さん「本当にヤクザなら外見の特徴言うだけでマルボウが捕まえてくれるよ。最低3年実刑、執行猶予無し。」

「はぁ。」

社員さん「よくヤクザが刑務所行ってハクを付けて帰ってくるとかいうじゃん?あれは抗争で活躍したパターンね。カタギ殴ってムショ入ったヤツに出迎えなんて来ないよ。一発でほぼ失業する。」

「ちょっと交番行ってきます!」

社員さん「待て、シフト上がってから行け!」

事情聴取~現場検証

免許のコピーと唾を吐きかけられた制服を持って、交番で3人組の特徴を伝えました。引っ張られた髪の毛根が赤くなってましたのでその写真を撮りました。現場検証が必要とのことでお店に電話して許可貰いました。おまわりさんがヤクザ役をやり私が本人役で暴行の様子を再現してバシバシ写真撮ります。

アルバイトの同僚が目撃者として「その再現で間違いない」との証言をします。

およそ1週間後、警察署にて

容疑者のうち、免許証の人物を確保したとの電話があり、学校の視聴覚室のような部屋に通されました。壁に鍵の付いたアルミ製の小窓が付いており、それを開くと隣の部屋に五人の被疑者が立っているのが見えました。

そうです。マジックミラーです。


「右から二番目の人ですね・・・」

刑事「間違いないですか?」

あ~。これはアレだ。あの台詞だ。アレを言うんだ。と、ピンと来ました。


「刑事さん、アイツで間違いないですよ!」

刑事「ご協力ありがとうございます。」

あとはもう、忘れた頃に家に封筒が届いて、3人組を特定して起訴したって報告が実名入りで記載あったくらいで、裁判とかそういうのは必要なかったみたいで、出てません。その後どうなったか知りません。報復とかもありません。

おさらい

今後ヤクザと名乗る人物にすごまれたらこうして下さい。

・警察に届け出る旨を伝える(暴力団構成員だと名乗るだけで脅迫罪)

・「暴力をうければ暴行罪で即実刑」だと伝える

・外見上の特徴を復唱し覚えたことを伝える

これが理解できない人間は、小物か詐称です。怖くありません。

最近私は、あきらかに親分と若頭とおもわれる全身入れ墨の二人組に温泉ででくわしましたが、無言の圧力だけで特になにもありませんでした。ええ、彼らが出て行くまでニコニコして浸かっていましたよ?


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