高木教育センターのありふれた日々(9)

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高木教育センターのありふれた日々(9)

第八十一章「睡眠学習機&キオークマン」

第八十二章「湯川先生の犬のウンチ理論」

第八十三章「四日市高校って、どんな学校?」

第八十四章「そんなことは分かっている」

第八十五章「黒歴史」

第八十六章「発情期のオス」

第八十七章「悪いけど、つきあっていたら落ちてしまう」

第八十八章「オランダ人は、背が高い」

第八十九章「味噌とクソの違い」

第九十章「左翼教師とテロリスト」

 

 

 

第八十一章

「睡眠学習機&キオークマン」

 昭和40年代には下記のような怪しげな広告が少年雑誌によく載っていた。寝ている枕元で公式やら年号やらをテープで流す装置だ。すると、寝ている間に全て頭の中に入る記憶マシーンというわけだ。

  私の友人の佐藤君は

「オレ、すっげぇ安い記憶マシーンの広告見た。もうすぐ届くぜぃ!」

 と言うので、後で見せてもらったら紙で出来たバナナのような形をした円筒形のものだった。一方を口に当てて一方を耳につける。そして、口元で英単語をささやくと耳から音声が聞こえて直接脳を刺激するという代物だった。

Amazonより

ITキオークマンとは
 
「目で見る」「声を出す」「耳で聞く」という3つの知覚刺激を大脳に伝えることで、学習能率をアップさせる学習用機材。
ITキオークマンの使い方は
   例えば英会話を学習する時、テキストを黙読するだけではなかなか覚えられないが、声に出して音読することで、記憶の手助けをすることができる。キオークマンを使うと自分で発音した言葉がマイクとヘッドホンを通して耳にかえってくる。目で見て、声に出し、耳で聞くと言う3つのことが同時になされることで、更に記憶の効率がアップされる。また、ヘッドホンをつけることで外部の雑音を遮断することができ、さらに集中力もアップできる。

  「スピード・ラーニング」というのもある。音声を流しておけば外国語が自然と身につくそうだ。

  他にもタブレット教材、パソコン教材、衛星を使った動画配信。ネイティブの指導から、大規模なLL教室に、留学。

  私たちの予備校や塾業界でもある。豪華なホテルで合宿とか、駅前の一等地の巨大ビルだから安心。あるいは、有名タレントがジャンプするCM。有名アニメのキャラが踊るから信用してください。そんな経営方針だ。

  私たちが生徒の頃は、相対評価の通知表だった。上位の7%だけが「5」だった。何が怪しい教材かどうかは、この上位の7%の子しか理解できなかった。今もそうだ。中間層の最大多数は

「楽してよい成績を」

 と思っている。そして、サギに引っかかる。難関大に合格するには、英単語は6000語、数学は2000題が必要。統計はそう教える。どの参考書でも、どの問題集でもいいんです。ダメなものは自分で分かる。自分で分からない程度の勉強量なら、どれで練習しても変わらない。

  自分の手を動かさずに、キオークマンなんて安直な方法を考える時点で終わっている。私はそんな生徒は要らない。もちろん、高校も大学も要らないだろう。会社も要らない。怠け者、愚か者を欲しがるところなんて無いのだ。

  ところが、学校とか受験指導の場で

「四高を落ちた講師が、四高受験生を指導?」https://youtu.be/Ocouy7L3x9Y

「2級の先生が、1級の生徒を指導する?なんか変」https://youtu.be/C4xAkpjlikU

 といった動画をアップしたら、蛇蝎のごとく嫌われた。本当のことなのに。受験指導なんて、睡眠学習とかキオークマンの出番はまったくない。数学の問題を解く。分からない問題があったら講師に聞く。つまり、先生がすべてだ。

  時給2000円の学生アルバイト講師に質問するとどうなるか?河合塾のチューターに、私の塾生は不満を言う。

「質問しても答えられない」

  学校の教師についても不満を言う。

「今度までに考えてくる」

 90分指導のときに、これをやられたら90分で1問に答えるので終わる。しかし、私に尋ねると毎回平均4問か5問は解説している。つまり、学生アルバイト講師なら単価が1問2000円。私なら1回の指導が倍の4000円だとしても、1問1000円。半額で済む。

  しかし、それは上位の7%の子には通用する論理であって、バカな生徒は睡眠学習機に何十万も払ったりする。そういう子は救いがない。

 円筒形のプラスチックを持って、ささやき続ければいい。

そんな懐かしくも、甘酸っぱい昭和のアバウトな時代なのですが、そんな昭和らしい、怪しくも魅惑なグッズも、結構あったものです。そんな怪しさ満点でありながらも、なうなヤングや、チビッコ達を虜にしたマシンに、睡眠学習器があります。

 

第八十二章

「湯川先生の犬のウンチ理論」

  私に誹謗中傷のいたずらメールを送信する人は、悪質なものは員弁警察署に通報しているので臨界値を越えたら警告を受けるか逮捕される。「餅は餅屋」に任せておくのが一番。私は時間もエネルギーも浪費したくない。

  格闘技をやればよく分かるのだが、本当に怖いヤツは静かなのだ。「弱い犬ほどよく吼える」のは何故か。それは、弱い犬は吼えられると怖い小心者だからだろう。だから、相手も同じように吼えると怯えると誤解する。

  しかし、世の中にはキャンキャン吼えられると

「こいつはチョロイ」

  と逆に安心する人も多い。つまり、相手の攻撃パターンを見ると本物か偽者かすぐに分かるのだ。

  受験指導も同じことで、生徒の質問を聞くと

「この子は本物だ」

 とか

「この子は救いがたい」

 と、すぐに分かる。弱いものをイジメて、自分の力を確認せずにいられないような劣悪な生徒は救いようがない。そういう生徒は警察に任せておけばいい。

 私たちは、そういう生徒ではなくて人類のプラスになる子たちに目を向けるべき。お金をかけるべき。エネルギーを使うべき。だから、どの業界でも才能ある子しか学校に入れないし、修行の場を与えない。

  野球なら甲子園まで来た子にだけプロ野球のスカウトが声をかける。プロで活躍した人にだけ、メジャーのスカウトが声をかける。音楽でも、芸術でも、必ずコンクールとか登竜門というのがあって、ふるいにかける。

  そういう意味で私が指導させてもらっている子たちは、学問の世界ではエリート候補生が多い。京大受験生が今年(2015年)は10名を越えそうだ。通塾生と通信生の両方に各高校のトップクラスの子が多い。北海道から九州までの生徒の方たちだ。

  英検1級に合格して、京大で8割とれることを確認したときに思った。

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