京浜東北線で見た二人のオタクガイの話

京浜東北線の先頭車両で、二人のオタクガイが運転席を覗き込みながら話し込んでいます。運転席の広さや運転手の動作などに厳しい批評を加えています。どちらかが体臭きつめのようで、ちょっとくさい。

その電車話の間に差し挟まれる日常生活についての発言が結構ハード。

「今月バイト20連チャンだけど、休むとクビだから休めなくてね~」

「何か、最近職質妙に多いよね?テロ関係のあれかな?」

「○○君、最近お家から少し出られるようになったみたいでよかったね。」

「○○型は廃車にすべき」なんていう電車話の間に交わされるこんなやり取りは結構ヘヴィーなんだけど、この二人は割りと淡々と笑顔で談笑している。

趣味があって、友達がいれば結構なことでも意外と淡々と受け入れていけるんだろうかと思い、オタクと呼ばれる人々実はレジリエンス(へこたれなさ、打たれ強さ)が高いのかもしれないと電車の中で妙に一人納得する。

そういえば、昨日もいかにも気弱そうなオタクガイが屈強な警察官に公衆の面前で所持品検査と身体検査を受けていた。されるがままに従順に免許証を差し出し、かばんの中を開けて見せていた。

テロ対策なのかなんなのかよくわからないけど、とりあえずやりやすいところから手をつけてるってことかもしれないけど、全く何をやっているのか?

そうこうしているうちに、「じゃあね、またね。」とにっこり笑って、二人はオタクガイらしく小さな中途半端なハイタッチをして、一人は電車を降りました。

友達がいるってことは本当にスバラシイ。見ていて心が温まりました。

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