第百一章 人生を伸ばす方法はある

第百一章

「人生を伸ばす方法はある」

  私も初孫が生まれてオジイサンになってしまった。中学生や高校生の受験指導をしていると中学や高校での経験を生徒に話してやることも必要なので、思い出すことも多い。

  人間は思い出したくないような黒い歴史は自然に封印してしまうのかもしれない。イヤな思い出は自然に記憶から削除されてしまうようだ。もしかしたら、私だけかもしれないが。

  逆に、楽しい思い出は長く心に残りすぐに思い出せる。

  つまり、楽しい思い出の数がその人の人生になる。だから、私はできるだけ不愉快な人は避ける。マナーのなってない人、非常識な人、時間を守れない人。そういう人がいたら、すぐ逃げる。人生がムダになるからだ。

 棺おけに入る時に走馬灯のように人生を振り返るとき、良い思い出だけが再現されると思う。良い人との出会いが多いほど、良い人生になる。ろくでもない人と出合った思い出は消えてなくなるとしたら、それだけ人生を短くさせられたということだ。

  結婚してから離婚するまでのことを思い出すことが困難になっている。たぶん、楽しかったこともあったはずだが、もろとも削除されてしまった気がする。もと奥さんと過ごした時間は自分の人生でなかったことになっている。

  人生の壮大な空白だ。

  アメリカでは、日本でなら10年に1回しか出会わないような素敵な人にたくさん会えた。そのせいで、あの1年は10年分くらいの時間の長さを感じる。英語や数学の勉強では、普段行かないような場所に試験を受けに行き、会わないような人たちに会えた。

  その全てが濃い人生の思い出になった。

  インパクトがあった人をあげろと言われたら、四日市高校で会った全国で5本の指に入っていたOくん。今は京大の教授だ。北勢線で一緒に通っていたSくんは京大病院の先生だ。名大で出会ったYさんは、大学院も国家公務員試験第一種も大手銀行にも合格した才女だった。車で下宿まで送ってもらった覚えがある。

  塾の卒業生では、3年間ほとんど塾内テストで一位だったNさん。京大大学院から研究職になった。暁6年制の特待生だったHさん、その後輩のIさん。二人とも、三重大の医学部に行った。Kくんは名大に行き、公認会計士をしている。Kさんは名大医学部。Iくんは京大医学部に進学した。

  近所でトラブルを起こした子もいたけれど、そういう悪い思い出は記憶にない。思い出すことがないので忘れてしまうのだろう。誰の仕業かさえ忘れた。

  感動した歌、ドラマ、人は長く記憶に残る。できるだけ良い歌、映画、人に出会うべき。それだけ人生は豊かになる。そして、できるだけ悪いヤツは避けるべき。人生が貧弱にさせられる。

 

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