アンコールワットで見た奇跡の朝日〜カンボジア

朝、ふと目覚めると集合時間を5分過ぎてることに気付く。
今日はアンコールワットの朝日を皆で見に行くと決めていた事をぼんやりと思い出した。

そして顔も洗わず、急いで支度を行い集合場所に向かう。
しかし、まだ皆集まっておらずホッとしてロビーにあるイスに腰掛ける。

やっと5分後に皆集まって、チャーターしていたトゥクトゥクに乗り込んでアンコールワットを目指した。
僕は3daysのチケットを持ってるから、それを入場する際にスタッフに見せるだけで良かった、はずだった。

ところが……昨日使っていたチケットがどこにも見当たらないのだ。
トゥクトゥクに乗りながら懸命にチケットを探すが見つからない。

うっすら空も明るくなって熱も帯びてきた。
これから新たにチケットをチケットカウンターで買い直す時間もなさそうだ。

結局僕だけアンコールワット入口で1人待つことにした。
今日が朝日が見れる最後のチャンスだったのに……。

目的地に到着してスタッフに「チケットを無くしたから、アンコールワットに入らずにここで待つことにしたよ。」と渋々伝えると、

「少しだけなら、朝日を見れるところがあるから入っていいよ。」とスタッフのお姉さんがなんとエントリーさせてくれた。

アンコールワットは見えず、誰もいない場所で1人朝日を見る。
でも偶然チケットをなくしたことで、外国人の僕にも優しく接してくれたクメール人の温かさが、朝日の温かさと共に僕の身に染みていった。

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