中国大陸で知ったことは、自分が何も失いたくないと思うときには、好きな人と結婚は出来ないということ。

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友人関係から恋人関係になって、結婚することなんて信じられない!という人がかなりいる。

結婚相談所にやってくるお客様の中にも、

一度友達になってしまうと、恋愛に発展しないんですよね。


とため息をつく人がいる。しかし、私は知っている。中には、甘んじて片思いの人もいるのだ。

 男性側が恋愛スイッチが入っていないことがわかるから、あえてアプローチをしない。自分の気持ちを伝えてしまったら、今みたいにそばで楽しく話ができなくなるかもしれないと考えている。

そうやって、友人関係を続けながら、長い間片思いをするアラサー、アラフォー女性は結構いる。


私は、

出会ってから3ヶ月がだいたい賞味期限です


と伝えている。多くの片思いのアラサー、アラフォーたちは3ヶ月どころか数年単位だったりするので、愕然とされる。

 でも、例外はある。それは、思い切ってこちらから告白というアクションを起こした時だ。相手が最初はその気がなくても恋愛スイッチがいきなり入る場合がある。きっかけを自分で作り出す勇気によって、長年の友人関係から恋愛関係に持ち込むという力技なのだ。

 

もちろん、振られるリスクはかなりある。男性側はアプローチする価値を見出していなかったから女性に告白したりしていない可能性のほうが高いからだ。でも、ここで振られるのは実はそんなに危険なことではない。なぜなら、長年の片思いという呪縛から開放されることによって、新しい出会いの場に行くことが出来るからだ。


 私はたった一度だけ、友人関係から恋愛関係に発展するという経験をしたことがある。相手な日本人ではない。しかも日本で起こったことではない。


お隣の国、中国が舞台である。



 きっかけは私が離婚したばっかりで、相手が婚約を破棄されたことだった。破棄された原因が女性の異性関係という結構すごい話だったため、めちゃくちゃお互いに被害者意識が強く、慰めあっているうちに、恋愛関係に発展した。


 長年の知り合いだったけれども、どちらもパートナーがいて、家族ぐるみみたいな感じで仲が良かった。だから異性として見たことなんてお互いになかったところに、1対1で改めて出会った感じになった。これが恋愛のきっかけになった。やはり友人から恋愛関係に発展するには、何かきっかけがなければならないのだ。


 私たちはふたりとも小さな会社の社長だった。一緒に仕事をすることもあったし、通訳をやってもらったりして、私の仕事の幅も広げてくれたりもした。

 日本と中国とそれぞれの場所にいる間は、Skypeをしてやりとりをしていた。喧嘩も特になかったし、順調かのように見えた。


 しかし、私も彼も気がつき始めていた。この恋愛関係は結婚に発展するということはないということだ。私側の問題としては、中国に住むという選択肢はあり得ない。日本でやりたいことがたくさんある。まだまだビジネスの勉強もしたいし、仕事も違うことを始めたいとも思っていた。(その中にうすうす結婚相談所というのもあった。)


 彼の方は、30歳を超えて結婚について本気で焦っていた。同年代だったけれども、全然日本とは適齢期が違う。20代半ばぐらいまでに結婚をしなければ変な人扱いされると超焦っていた。

 しかも、彼だって私が結婚相手だなんて考えられない。日本でバリバリいろんなことやっていきたいなんて鼻息の粗いやつが奥さんとしてサポートできるなんて思えない。私の性格もよくわかっていた。


 私も彼が描いているお嫁さん像をよくわかっていた。彼は子どもが欲しい。当時は一人っ子政策をしていたけれども、たくさん税金を払っていいから子どもいっぱいの家にしたいと言っていた。そして従業員の人達を家族のように招き入れて一緒に食事が出来る会社を目指していた。


 私は中国に行った時、いつも彼の家族とご飯を食べた。彼のお母さんの美味しいモチモチの水餃子がいつも楽しみだった。お父さんとは、豆の殻をわって、実を食べながら、カンパーイって何度もやっていた。私の中国語が片言だから、彼が通訳をしなければいけない。でも、彼も酔っ払うから通訳はなくなる。そうすると、カンパーイしか話すことがなくなる。

 それでも、本当に楽しかった。だからこそ、彼が結婚後イメージしていたものがすぐに理解できた。


 しかし、私は料理は出来ない。好きじゃない。そしていつも人と一緒にいるなんて耐えられない。子どもだってそんなに欲しいと思っていない。


ああ、もう別れないとダメよな。これは。

と、私も彼も気がついていた。


結婚は好きというだけでは踏み出せない。相手のために生活をどれだけ捧げられるのかという覚悟が必要だ。

 あの頃の私は、何の覚悟もできていなかった。アレもしたいコレもしたいと自分のやりたいことばかり握っていたのだ。


 ある日、決定的な事件が起こった。



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