18ヶ月間の世界一周旅行で学んだ人生の知恵(間違った先入観〜ジョージア編)

間違った先入観 ジョージア編
海外で旅をしているとこんな機会に遭遇することがある。

年越しも終わり、翌日は少人数ながら新年祝いを行うこととなった。
そこで僕と健太郎さんと一緒に近所にある酒屋にお酒を買いに出掛けた。

年始は小さな商店しか開いてなかったので、そこでビールとワインを購入することにした。
おばちゃんが、購入した2リットルのビールとワインを1つのビニール袋に詰めてくれた。

その袋を受け取った僕が店を出ようとして1、2歩進んだ瞬間である。
「ガシャーーーン!!!」

僕らが買ったワインの割れる音が店内中に響き渡った。

ビニール袋の取っ手が見事に裂かれてしまい、ペットボトルのビールは弾んでワインは地面に落下して粉々に砕け散った。

僕と健太郎さんは顔を見合せ、そして店内のおばちゃんは気の毒そうな顔でこちらを眺めていた。

他の接客で忙しいおばちゃんに代わって、ビンの欠片を拾い集めて片付けた。
そのあとで駄目元でおばちゃんに聞いてみる。

「袋が脆いから破けてワインが割れてしまった。新しいのと替えてくれないか。」と、英語が通じないので僕はジェスチャーで必死に伝えてみた。

おばちゃんは「残念だけど、私の手から離れたモノはもう関与しないよ。」と、恐らくこう言っているのだろう。表情や仕草、雰囲気で大体感じることができる。

新品との交換を諦め、ふと想いに耽けながら夜道を歩く。
もし同じ事が起こったら日本だったら絶対交換してくれるのにな、と考えている自分にハッとした。

商品を交換してくれるのは店員側のサービスであって、客側はそれを過剰に要求してはいけないことを知った。

確かにビニール袋が脆い事や、重たいモノを2つ入れた要因で袋が裂けたことが大部分を占めるだろう。
だが、僕も商品を別々に分けて袋に入れてもらったり、袋を二重にしてもらうように要求することもできたはずだ。

起こってしまった要因は沢山有るのだろう。
しかし大事なのはどう行動するかである。

交換してくれるまで怒鳴り散らすか。
または諦めて新しいのを買うか。

ふと、買ったビール入りの新しく貰った袋を何気なく見てみる。

………。

袋の端が破けていて、ビールの先端が見えているではないか。。。

急いで再び買ったお店に戻る。
「やっぱり袋がダメじゃん(笑)」と僕は日本語で伝えた。

困り顔のおばちゃんにその一言だけ伝えて、笑いながら僕はお店を後にした。

ストーリーをお読みいただき、ありがとうございます。ご覧いただいているサイト「STORYS.JP」は、誰もが自分らしいストーリーを歩めるきっかけ作りを目指しています。もし今のあなたが人生でうまくいかないことがあれば、STORYS.JP編集部に相談してみませんか? 次のバナーから人生相談を無料でお申し込みいただけます。

著者の奥原 崇志さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。