神さまありがとう番外編その3

次話: 神さまありがとう番外編その4

 生きづらさを生きやすさに変えるわたしの工夫

ー時間を設定する


”過集中”が得意な発達障がい者はとても多いです。得意というよりも”特性”といった方が正確かもしれません。特に自閉症スペクトラム障がい(アスペルガー症候群)に多いとされる症状です。ADHDでは逆に集中できずに、注意散漫・落ち着かないと言われますが、わたしは両方あります。

最初にアスペルガー症候群っぽいとの評価をいただいているので、ADHD・アスペルガー両方あるのかもしれないです。実際単独の症状だけ発症する事はまれらしいから、わたしも例外ではないのかもしれません。このあたりは医学的な見地ですので、無知なわたしにはわかりかねます。

とにかく、過集中 & 時間の感覚が明解でないゆえの生きづらさを長年背負ってきました。最も困ったのは空腹感と筋肉疲労を実感できない事です。

わたしは文章入力を主な仕事にしているのですが、パソコンのワープロ機能を活用して行います。ですから家にいる時は朝から晩まで文字うちを延々としているわけです。

毎日毎日・・・。文章を製造し続けます。マシーンのように。「よく文章をそれだけ思いつくな~」と夫があきれていましたが、逆に文章が書けない人の方が不思議だと思ってしまう・・・。

頭の中は常に言葉が渦巻いていて、そのまま放置していると、どんどん言葉の渦で頭の中がパンク状態になるのです。こちらの方が苦しいです。

で、納期もあるので期限が迫ってくると、夜も寝ずに指を動かし続けます。その間は筋肉疲労はほとんど自覚できません。痛みは徐々に強くなり、指の動きも鈍くなってきますが、それでも疲れを実感できません。

さらに食事を忘れます。時間を見ていないので、今何時頃かもわかりません。ただ暗くなったり明るくなったりするので、夜昼の区別はつきます。最長3日間、一睡もせずに指を動かし続けました。3日ほどたって、腕に鈍痛を感じるようになりました。ちょっとでも指をキーボードから話すと、耐え難いほどの激痛が腕から肩にかけて走ります。

指もほとんど動かず、正確にキーボードを打てなくなりました。そこまできて、ようやく自分の体が限界を越えた事を実感できました。それでも納期があるので、痛みに耐えながら打ち続け、めどが付いたところでやっとキーボードから指を離しました。

ものすごい激痛・・・。肩から首にかけてびんびんに張っている感じ。さらの立ち上がろうとしたら、バランスを崩して倒れてしまいました。まっすぐに立てない・・・。実はきょうは朝に1度だけ食事をしたきりで、夜まで何も口にしていなかったのです。でも空腹感は一切なし。

この後、整骨院での治療に半年かかりました。「なんでもっと早くこなかった!?」と言われてしまいました。さすがにこれではいけないと思い返して、時間を設定する事にしました。

携帯に時報をつけて朝7時、10時、12時、17時、18時、22時とタイムラインごとにアナウンスをする設定にしました。

パソコンにも時刻が出ますから、それも時々見直します。で、時間になったら空腹感の有無に関係なく、とにかく食事をとる。仕事が終わっても終わらなくてもめどをつける。これを自分に徹底させる事を心がけました。

その結果、12時の時報がなるたびに空腹感を覚えるようになりました。

空腹感を回復した!・・・と思いましたが、そうではなく、「12時になったらおなかが空く」という感覚を自分の体にすり込ませただけのようです。時間を確認しなくなったら、また元に戻っていましたから。聴覚・視覚・触覚は過敏なほど鋭いのに、空腹感や体感、痛感、など末端神経や伝達神経から脳への伝達機能が、かなり弱いらしい事がなんとなく実感できたのは、良い事かもしれませんが、生命の維持のために、本来はしなくても良さそうな工夫が必要なんて、わたしの体ってなんなのでしょうねええ・・・。

参考にしていただければ幸いです。

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神さまありがとう番外編その4

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