二人の乞食

二人の乞食の話


昔インドのカルカッタに一人の少年がいました。
彼は裕福な家庭の末っ子で、何の苦労もなく育ちましたが大変感受性の豊かな子でいつも宇宙や自然のことに思いをめぐらせていました。


あるとき 父親とカルカッタの繁華街を歩いているときのことです。
町には繁華街といえども乞食が道端にあふれており、少年が通り過ぎると物乞いをしました。

好奇心の旺盛な少年はついつい年老いた乞食に声をかけました。

「おじいさん、どうしてそんなに困っているの。」

「どうしてって、家族もないし家もないんでさ。飢饉が来て

収穫が全部だめになってさ、この有様でございます」


今にも死にそうなしわしわで干からびた顔を見ると、少年はかわいそうになって、父親に何か食べ物を上げようといいました。
そのときです。

後ろからやってきたお坊さんらしき人が、自分のもっているお椀をこのこじきに上げていいました。


「何もないのも幸せですよ。」
まだ若い感じのお坊さんをみて、少年は聞きました。

「お坊さんはどうして困ってないのですか」

「困っている人を助けてあげようと思っているからですよ」

少年からすると、このお坊さんもさっきの乞食も、同じ乞食に変わりないように思えたのだ。


このときのお坊さんの一言が少年の心の中に染み渡った。
少年の名前はタゴールといった。

やがて少年は大きくなって詩人になった。

多くの人に感動を与え、平和を与えるために。



タゴール インドの詩人 アジア初めてのノーベル文学賞受賞
http://www.b-family.org/public_html/omoi/017/tagoredoc.htm#birth

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