宇佐美だより

2016年。年賀状が転居挨拶になった。

 

そろそろ林住期のライフスタイルをどこにどのように過ごすのかと考えておりました。シンプル、スローそして、クオリティーと自分流に生きる道を浜辺を歩きながら考えました。「智に働けば角が立つ。情にさおさせば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」草枕に辿り着きました。小さな庭に早咲きの梅や水仙が満開です。時には野菜づくりにも、土に触れてみたいと思います。川のせせらぎが世の喧騒を遠くの方へ追いやっています。そんな所にしばらく佇んでおります。お近くにお越しの折にはお声をかけてください。                                         2016年1月

 

昨年12月にこの海と山の間に位置する伊豆、宇佐美に古い家を借りた。この地をもともと知っていたわけではなく、時々、ここを通過して、伊豆高原や、下田方面に車を走らせることはあったものの、この地に住もうと思っていたわけではない。それがこの何とも響きのよい「宇佐美」の地名に心動かされたといってもよいかもしれない。もともと熱海に10年ほど住んでいて、そこから多賀、網代、宇佐美と辿ってきて、ここに決めようと思いついたのである。

この家のすぐ隣を川が流れている。この川の音がなんとも心落ち着く響きでもあった。

しかし、この古家はここ数年空き家で、きれいに快適に住めるようにするにはかなりの時間が必要だった。1か月がかりで、掃除と手直しをして、新年をここで迎えることができたのである。

その間、DIYが趣味、将来はインテリアデザイナーを目指している、息子の嫁に助けていただき、心から感謝している。

 

これは、そんな林住期のおばさんの日常物語である。

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