安保法制 備えあれば憂いなし


2015年9月19日に成立した平和安全法制が、来る2016年3月29日に施行されることになる。昨年9月に安保法制について文章をまとめてから半年経った今も、やはり現在の日本には安保法制が必要だという結論は変わらない。


 現在、国会では安保法制の審議が大詰めを迎えている。長い間、自分の国は自分で守るという当たり前のことをやってこなかった日本は、2015年の不安定な世界及び極東情勢の中で非常に危険な状況にある。

 バブルが完全に弾けた事により、実体経済が急激に落ち込みつつある中国は、社会が急速に不安定化している。人民の不満が共産党に向かうことを恐れ、その不満の矛先を外に向ける為に、なりふり構わず強引に東アジアへ勢力拡大路線を進めて行くだろう。共産党は権力を維持する為には、党の私兵である人民解放軍を使っての戦争も辞さない。
 2016年に駐留米軍が完全撤退予定の韓国は、北朝鮮との内戦再開のリスクが一気に高まる。韓国は北朝鮮に対する牽制と経済依存の為に、中国からはもはや離れられない。
  北朝鮮は、天候不良による食料不足と経済の低迷から、武力を背景にした周辺国との瀬戸際外交に活路を見出そうと必死だが、それももう限界にきている。日本人拉致問題も全く解決の兆しが見えない。
  ロシアはウクライナ問題が原因で、国際社会から孤立しつつあり中国に歩み寄りを強めている。政府高官が日本の北方領土を何度も訪問して、ロシアの実効支配をアピールしているので、北方領土返還及び日露平和条約締結など、極めて困難な状態になってしまった。
  韓国を除く3国全てが核を持っていて、4か国すべてが反日教育を進め、日本を敵視している。ちなみに東南アジアの国々は総じて親日的である。

 現在の日本では、メディアや教育さらに政財界の中で左翼勢力が大変な力を持っており、連合国に押し付けられた現在の憲法を破棄して新憲法を作るどころか、9条を変える事さえもきわめて難しい。60年以上前に作られた憲法はもはや時代と世界情勢に合っていない。

 今、速やかに日本の防衛力向上の手を打つ必要が有る。戦争の抑止力を高めなくては危険なのだ。現実的に考えてみれば、日米同盟を強化して、自衛隊の訓練度や装備をさらに充実させることは、実現可能かつ有効な手段だと言える。
  現状のいびつな日米同盟のままでは、敵がその気になれば、一瞬で崩壊する。たとえば日本近海にいるアメリカ軍艦船が攻撃を受けた時、そばにいる自衛艦は見殺しにするしかない。その瞬間、日米同盟は事実上失われる。近年、アメリカの国力が急激に落ちつつあるので、そういう事が起きる可能性が増しつつある。
  一方で、アメリカ軍の後方支援の為に世界中に自衛隊を送れるようになるとか、アメリカの戦争に巻き込まれるリスクが高まるという一面もあるが、日本が仕掛けられた戦争にアメリカを巻き込むことにもなる。同盟とは本来そういうものである。それが嫌なら日米同盟がいつ無くなっても困らないように、核を持ち自衛隊だけで日本を守る覚悟が必要だ。


 また、自衛隊員の負担や危険が増すのではないかと心配する声も聞かれるが、今まではその場しのぎの特別措置法を作って、ろくな武器も持たせずに、海外の紛争地域に自衛隊を派遣してきたのではなかったか?しかしそのような時でも隊員は命を懸けて、多国籍軍と国連を助ける協力支援活動や、被災民救済活動などの任務を全力で遂行してきた。

 それよりも、しっかりと法律を整備して国民の合意のもとで、十分な装備を持たせて派遣する方が、国民は自衛隊員に対しても誠実に向き合っていると言えるのではないか。


 戦争が嫌だとか民主主義を守れとか言って、国会前でデモをしている人たちは、意味が無いとは言わないが、ただの甘えだと思う。日本では自由と民主主義が守られているから、国会前で安全にデモができるのだ。一方で世界には、政権を批判するデモを行っただけで参加者が逮捕・処罰される国も多い。
  戦争など一部の拝金主義者や気違いを除いて、皆嫌いに決まっているが、平和を願うだけで世界が平和になれば苦労は無い。現実には、21世紀の世界は未だに弱肉強食であり、国家間のパワーバランスが崩れた時に戦争は起きる。そのバランスを取るために抑止力を高めるのだ。
  デモ隊の成人は全員選挙に行っているのだろうか?統計的には約半数程度が投票していることになるが、民主主義選挙で選ばれたのが現在の国会議員であり、与党ではなかったか。

 もっとも重要な事は、この安保法制をきっかけにして、日本人がもっと国際情勢や政治や真実の日本史に関心を持ち、自国の置かれた状況を理解し、まずは祖国に対する誇りを取り戻す事である。また、自分自身の力で自国を守るという当たり前の事に気付き、日本を守る意思を持つ事であろう。

 

『備えあれば憂いなし』

 

 残念ながら、世界は再び弱肉強食の時代に戻りつつある。

 その中で日本を守るには、国民が自分の国は自分で守るという意思を共有し、日本人の手による新憲法を制定すべきだろう。もしくは現在の憲法9条だけでも改正して、自衛隊を自衛軍と改め、自衛軍を持つことを明記し、国防力を強化するのが基本だが、それには膨大な労力と時間を必要とする。しかし現在の日本を取り巻く厳しい国際環境下で、全ての備えを終えるまで日本が平和である保証はどこにも無い。

 だから、今すぐ実行可能な防衛力向上の手段として安保法制を制定し、同盟国である米国との協力関係を深めておくことはやはり必要だと思う。 

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