夫、鬱

前話: 夫リストラ
次話: 夫、いまだに無職&鬱

そして夫は、鬱になった。


転職活動している気配もなく、ずっと家でオンラインゲームをしている夫。最初の頃は、「ずっと働いてきたんだし、ま、ちょっとは息抜きも必要でしょ」と思っていました。

でも、それが何ヶ月か続き、失業保険の手続きも「だって僕今まで失業したことないから分からない」という訳の分からない理由で行っていませんでした。

失業保険は、失業してから1年以内に手続きをしないともらえません。

結局、期限の1年を過ぎてしまいました。

それでもなんとか手続きをさせると、1年を過ぎていましたが、リストラにあった後に、一度だけ単発で前の会社の仕事をしてお金をもらっていたのでそれを理由に1年の期限が延び、ぎりぎり(本当にあと数日遅かったらアウト)で失業保険をもらえることになりました。

2015年1月。なんと、思ってもいなかった事件が起こります。

1月2日、私はたまたま家にいました。電話が鳴ったのでとると、住宅ローンの会社。なんと!!督促の電話だったのです。7件の投資物件の住宅ローンは、主に2つの会社に分かれているので、一つの会社から電話がかかってくると、「この物件も」「あの物件も」と、結局全部2014年8月から支払いが行われておらず、Forclosure=差し押さえの状態になっている、という。夫に聞いても「気のせい」とか「ローン会社が間違えているんでしょ」と普通に答えます。

とにかく、お金を作らなければなりません。裏のガレージを物色している途中に、見たことのないかばんが出てきます。開けてみると、その中にさらに小ぶりのかばんが入っています。それを開けてみると・・・数か月分の差し押さえ通知が、びっしり、最後のほうは開封せずに隠されていたのです。

これは、どういうこと??
分からない。記憶にない。

へ???記憶にないって、どういうこと?

まずは、手持ちのお金を全部使って、さらに夫のお母さんにも事情を話し、お金を借りて、7件中6件は立て直しました。弁護士費用もえらくかかって、追徴金もえらくかかって、非常にお金がかかりました。

と同時に、どう考えても夫は病気。本人は絶対に大丈夫だ、っていうけれど、これはどう考えてもだめでしょ。

医者に連れて行きました。

診察して2分くらいで

医者
あ~鬱ですね。
・・・
医者
テストをしましょう。
はい(超しぶしぶ)

えらく時間がかかるテストを受けた結果、やっぱり鬱じゃん。

お薬を処方してくれる医者に会い、グループセラピー週3回、医者に会うのが週1回、夫の精神科通いが始まります。

それでも、本人は鬱だなんて思っていないのが怖いところ。もう、人間として機能していないのに、自分の鬱は私と医者が作りだしたものだと言う。

ま、まじですか?

住宅ローンを立て直したものの(簡単に言うけど1ヶ月くらいかかった)、一つは間に合わず、ものすごく良いロケーションの良い物件だったのに、競売にかけられてすでになくなっていました。セカンドローンだけが残り、それは今も支払い続けています。

夫が失業してすぐに、彼も私の職場の健康保険に追加してあったので助かりましたが、それでも医療費が結構かかります。

医者に、無理、と相談。

すると、新手の案が!

医者
え?まだ失業保険もらってるの?じゃ、Disability Insuranceに切り替えられるはずだよ!
それは、今すぐ申請できますか?
医者
うん、この場で書いてって!
・・・・


と言うわけで、その場で書類に記入。夫はもう機能していないので終始無言。

でも、この医者の機転がものすごく私を助けることになります。

2週間後から、Disability Insuranceが2週間に一度ずつ振り込まれることになったのです。

著者のNishiguchi Satokoさんに人生相談を申込む

続きのストーリーはこちら!

夫、いまだに無職&鬱

著者のNishiguchi Satokoさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。