アニメが人を変えることもあるかもしれないという話。

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去年の今頃の話になります。僕は挫折してうちのめされていました。


そこからなんやなんや1年間、一歩一歩を踏み出して、挫折からは完全に立ち直りました。


振り返るといろいろな要因があって、その一つ一つに感謝をしたいのですが、ふと、立ち直るきっかけのひとつに、あるアニメがあったことを思い出しました。


普段なら、なんとなく流す話ではあるのですが、「何がきっかけになるか、わからない。」という教訓?も込めて、この話を書くことにしました。


少し長いですが、どうぞお付き合いくださいませ。




去年の3月、僕は失業しました。


とある携帯会社の販売員をやっていたのですが、その毎日は苦痛でした。


数字に追われる毎日の中、結果が出せないのでパワハラ上司に何も言えず、「せいいっぱいやる」以外は何も出来ず、その「せいいっぱい」ではなんの結果も出ず、状況を打開する策など何もない状況です。


それでも、頑張れば報われる筈・・・と考えて、がむしゃらでした。いつかきっと結果はついてくる筈、と。無策に突っ走ることで、何か変わると思っていました。


その時僕は、「コーチングコーチ」になるのが夢で、2015年の初めには、毎月、コーチになる資格になるためのクラスを受けに行き、毎日、隙間時間があれば、すべてをコーチングの練習に費やしました。


「あなたがあなたのヒーローになる」とキャッチコピーを掲げたコーチ志望の携帯販売員は、自分が自分自身のヒーローにすらなれていないことにも気付かずに、ただひたすら、脇目も振らずに突っ走っていました。


赤信号は、きっとたくさんありました。でも、全部無視して走りました。結果、大事故を起こすことになります。業界では絶対タブーとなっておるヒューマンエラーを起こして、出入りしていた店舗から出禁を食らうことになったのです。


コーチングどころじゃなくなり、その時約束していたコーチング練習のお願いは、全部キャンセルしました。余裕もなく、何十件もの約束をただひたすら断るのに、恐らく不快な思いをさせてしまった人もいるかもしれません。


「これからだったのに・・・。」そう思うと悔しくてたまらなかったのですが、それどころではありません。


まずは、自分自身を立て直さなければ。立ち直して、コーチングの勉強はすぐ再開するつもりでしたが、思ったよりショックは大きかったのか、立て直すどころか、立ち直ることすら出来ていない自分がそこにいました。



そこから立ち直るために、僕は「深夜勤のアルバイトをする」という選択をしました。


何年前か、僕はある牛丼チェーンで深夜勤のアルバイトをしていて、慣れ親しんだ職種なので、さしあたって失敗のショックを癒やすには、最適な場所である確信があったのです。


「いつまでも、フリーターではいられない」と、その牛丼チェーンを飛び出して社会に出て行ったのに、またそこに逆戻り・・・というのは悔しくもありましたが、さしあたっては、「ベテランで、仕事ができて、重用される」という立場は、狙い通り、僕の心を癒やしてくれました。



1ヶ月も経てば、日常生活を送るのに、挫折の痛みに苦しめられることはなくなりました。しかし、その日暮らしの毎日を送るだけで、前に進むことを考えるとパニック発作を起す・・・ということが続きました。


身の回りに仲間も友人も一人もいない状態。いないと言ったら嘘になります。その時、助けを求めていれば、手を差し伸べてくれる人はきっといたはずです。実際、僕が立ち直ったのは、仲間の力が大きいのです。しかし、その時の僕にとっては、助けを求められる相手など周りにおらず、僕は孤独でした。


その時、心の拠り所はアニメだけ。仕事はもちろん一生懸命でしたが、仕事時間外の殆どをアニメに費やしており、それはそれ楽しいのですが、何も変化も進歩もない、無味乾燥な毎日を過ごしました。


ちょうどその頃放映を開始したのが、「響けユーフォニアム」です。


「涼宮ハルヒの憂鬱」をヒットさせた京都アニメーションによるアニメ化で、毎度毎度賛否両論はあるものの、アニメオタクであれば、京アニ作品は、見ないわけにはいかないもののひとつです。(あえて見ないという人もきっといるけれど。)


端的に言うと、落ちぶれた吹奏楽部が全国1位を目指す・・・といった物語で、高校生たちが、時にぶつかり、時に認めあいながら切磋琢磨していくという、王道的な内容です。


青春真っ盛りのその姿は、眩しくもあり、アニメを観て感動しながらも、僕は心を抉られていました。


アニメ自体は面白かった。でも、辛かったのです。


面白いので見る。見るけど、前へ進むことにから逃げ続けている自分を直視してしまい、心を抉られる。


「楽しければいい」という部員と、「真剣に吹奏楽をやりたい」という部員が対立するシーンがあるのですが、そのシーンを見て、真剣な方の部員に共感する自分、そして、共感しながらも、そういった真剣さから逃げている自分、そんな自己矛盾に、心はかき乱されました。


吹奏楽ではないですが、自身も音楽をやっていた経験があるので、楽器の楽しさは、そういった真剣さの先にしかないことを、知っていました。


逃げた先がアニメだった筈が、結局前に進むしかないことを、アニメから、思い知らされた。というわけです。


結局、「僕は何をやってるんだろう?」という想いは日に日に強くなり、逃げることを辞めた・・・というまではいかないまでも、一歩一歩、少しずつ、前に進み出しました。時に、勇気を振るったこともありました。


それから、なんやかんやいろいろあり、今では前向きな気持ちも取り戻し、夢も希望も持ち、仲間に恵まれ、婚約者もいます。


「あの時このアニメを見てなかったら・・・。」とまでは言いません。


アニメを見ていて湧いてきた気持ちは、自分の元々ある本音を、体現していただけに、過ぎない可能性もあります。


しかし、僕は去年、挫折したタイミングで響けユーフォニアムを観て、触発されて一歩を踏み出した、それは紛れもない事実です。


今の僕は逃げていませんが、今も僕はアニメを観ます。当時のような敗北感はもうないため、今、観ているアニメに触発されて何かが変わるということは、きっとないでしょう。


ですが、アニメ・・・アニメだけではなく、正直なんでもいいのですが。


フィクションの物語に触発されて奮起したり、何かが救われる・・・ということもあるのだということ。


そのことに、何かを感じる人が一人でもいたら、と思い、このエピソードを綴ってみました。

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自分もアニメは大好きです。漫画も良いですね。没頭して時が経つのも忘れる感覚が心地よいのかも知れません。世界トップレベルのアニメや漫画が、気軽に手に入る日本に生まれて良かったと思います。小島さん。アニメも良いけどアートもおすすめです。

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