弁護士を雇って その2

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 法律に関わりが多いのには幾つか理由がある。一つは大学時代に司法試験受験サークルに参加していたこと。

そしてもう一つは卒業後入社したのが外航海運会社であったこと。

大学は高田馬場にあるW大学の政治経済学部の政治学科。

政治学科にしたのは同じ学部に経済学科の生徒数が一学年1,800人だったのに対して政治学科が200人強だったこと。

はっきり言って東大の滑り止めという性格が強く。

実際、入学初日のクラスで「僕は来年の東大受験にチャレンジしますので、もう大学に来ないと思います。」と、訳の分からない主張をする輩も。

浪人生が圧倒的に多く、現役はクラスで数名。

女子ももれなく浪人生だった。

自分も東大の法学部へ行って司法試験を受けるつもりだったので入学当初は

(これからどうしたらよいのだろう?)という日々。


法学部の校舎を覗いて見ると「司法試験受験サークル」なるものがあることを発見。

今でこそ前大阪市長の橋本さんの様に政治学科出身で司法試験を受験するものが多いが、その頃は未だ稀。

三大サークルの内、一番小ぶりの元第二法学部、つまり夜間のサークルにその元を持つサークルに所属したが政経からの所属は私とあと一名。

サークル活動は先輩が先生になっての「ゼミ」が中心。

3年生になってからは教える立場になる。

法学部には教師になる為の「教職課程」ならぬ「法職課程」なるプログラムがあり、授業や模擬試験をやっていた。

最初の模擬試験は憲法の人権。

短答式と言って選択式なのだが判例への言及もあって結構難しい。

ところがこの試験で現役700名中で7位、司法試験を受けている卒業生1400名中で14位という成績を取ってしまったのが間違いの始まり。

(おもったより簡単じゃん!)

たかが一科目でそう思った時点で負け。

頭が良いと言われる人でも全ての法律を理解して、論文も書いてとなると地道な努力、インプットとアウトプットが必要となる。

それに加えて今ほどではないが弁護士になった先輩の話を聞くと、弁護士にも関わらず生活保護を受けるようなレベルの生活をしている人もいると聞くに及んで、大学卒業後平均3年は係ると言う司法試験への熱意は段々に冷めていった。

そうして外航海運会社へと入社することになった。



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弁護士を雇って その3

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