(書きかけ)子供達に何かを伝えたい

誰かに何かを教えてるということ

約4年前・・・

「専門学校の講師をしてもらえないか」という連絡が入った。

私は大学を卒業してからずっとイベント業界で働いてきた。

サラリーマンから独立し、これから自分で頑張っていかなければならないと

心に決めたばかりの時期だった。


専門学校の講師?!


1講義で、私の経験を喋ればいいのかな?位に思ったが、

「週2回で1年間やってほしい」とのこと。

読んでいる皆様ならばいかがだろうか。

自分の仕事はもちろんそれなりに自信はある。

後輩も部下も育ててきた経験もある。

じゃあ、「先生」と呼ばれる立場に自分がなれると自信を持って言えるだろうか。


その頃の私は独立したばかりで、正直定例化した仕事はもちろんなかった。

妻や子供たちを養っていかなければなかった。

「やります!」

自信からではなく、不安から出た返事だった。


その連絡を受けたのが2月。

2ヶ月後の4月から早速授業を行うという。

俺が出来ることと言えば「イベント」だけ。

生徒たちに伝えられるものはあるのだろうか。



【仕事を探せ】

専門学校の「実習」を受け持った。

実際に生徒たちに「イベント」を作らせて、実際に本番を行わせる。

イベントの「イ」の字も知らない生徒が本気のイベントを作るのだ。


生徒たちに企画させ、実際にイベントを作らせる。

ほとんどの生徒から「何すればいいんですか?」と言われる。

その時に答えるのが、

「何すればいいのかを考えて。これから社会人になって、エサを与えられるのを待っているだけの人間にはなってほしくない。自分で考えてエサを・・・仕事を自ら探し出せる人が欲しい。お前たちは俺の敷いたレールに乗りたいの?いつまでも先生や講師が与えてくれるものを喜んで受け止めてるのは子供。社会人になりたいなら「自ら探し、自ら奪い、誰かに与えられる」存在になって。「自分たちのイベント」を「俺のイベント」にしていいなら仕事を与えてやるけど?」


まぁ、反応は薄い。

50名近くいる中で反応してくれるのは1/3程度。



【仕事は辛い】

「イベントの仕事は98%辛い」・・・私が良く使う単語だ。

イベントの仕事は本番に向けて準備をする。

通常のイベントで1年~半年は準備期間として取る。

イベントの準備は地味で面倒で手間がかかる。なので準備期間は楽しいことがない。

本番になれば楽しいかというとそうでもない。本番中は今までの努力をより確実な形で成功させなければいけないという思いが強く出てしまうから緊張もする。

全てが終了して、「やったー!終わったー!!」という瞬間がある。

しかし、それはたったの5分。人によっては2~3分。

終わった瞬間に片付け・撤去を進めなければいけないから。当然ここでもトラブルは起こせない。

裏方は来場者から「ありがとう」とは言われない。来場者は裏方のことを把握しきれていないから。

でも、来場者から「ありがとう」をもらうアーティストやタレント、主催者の方から「ありがとう」を

もらえる。二乗分の「ありがとう」。

それがたった2~3分の間に受け取れる、唯一の喜び。

半年を時間にすると「24時間×6ヶ月=144時間」

144時間を分にすると「144時間×60=8,640分」

半年間寝ずに仕事してるわけじゃないので、1/10程度の仕事量として考えると、

「8,640÷10=864分」

喜びの5分は864分からすると「0.57%」

「98%辛いどころじゃなく、99.43%辛い」になってしまう(笑)


生徒たちにはさらに付け加えて話す。

「たった数分。。。時間にすればほんの数%なんだけど、これがたまらない!終わった時の解放感、充実感、満足感!!イベントは98%辛いことしかないけど、気分値でいえば、「98%が気持ちいい」お前たちはどんな仕事に就く?辛いことを乗り越えた快感がある仕事と、辛いことが少ない仕事。どっちをとっても正解だよ。ただ、1度この快感を味わうとやめられない。気付けば俺みたいに20年間もこの業界にいてしまう。再来年の春にお前たちはどんな仕事がしたい?それを考える2年間だぞ」




【出来る出来ないはどうでもいい!やれ!】

仕事(学生のイベント準備)を進める中で、「じゃあ、これやっておけ!」「あれやっとけ!」と生徒に伝えることが多い。

学生は「え~( ;∀;) マジですかぁ??出来ないですよ~」が口癖だ。

そんな時、俺は、

「お前の感情なんて聞いてない!出来る出来ないはどうでもいい!やれ!命令だ!」と言う。

今の学生にとって必要なのは「やる」こと。

俺自身も学生が完璧に出来るなんてこれっぽっちも思ってない。

「俺の理想の5%出来たら褒めてやる」と言うと、意外なことに15%ぐらいまで上げてくる。

「やれば出来るじゃん」とは言わない。「やる」という壁を乗り越えた生徒は、自分が乗り越えたという実感は意外と持ってない。「近藤さんの理想になんて近づけていない」というビビりしかない。

だから書類や行動を提示しても「足りない」「俺が満足しない」と言い続ける。

もちろん内心では「こいつすげーな」と思いつつも。

本人たちは「壁」だなんて思ってないけど、気付くと登り始める。

そして乗り越えた後ですら「ぜんぜんダメです」と言う。

「出来ないです」と言った生徒が「ダメです」と発言してる時点でもう凄い成長なのに。

俺のクラスを卒業するときに「成長してる」という具体的発言をするまで泣いてもらう。


続きます。。。

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