世界放浪、ヨガスタジオ経営後、インドで5年学んだことを教えたらチャリティーしながら世界で自由に遊ぶ、愛と楽しさいっぱいの幸せな生活を手に入れた夫婦の話

次話: 第2話:ジャッキーチェンに出会った日の話

第1話:オーストラリアからの出発


「おまえ、これだけは他の人より知ってるとか、得意なこととか、大好きなことととか、何にもないの?」


バイト先のお兄さんが、夜空に浮かぶ星について、しばらくウンチクを語った後、そう言った。




「ほんとに、何にもないんだよな〜、私。得意なことも、好きなことも。将来何をしたいのかも」



1996年。大学2年生の時、私は、世界放浪の旅に出た。



海外をいろいろ見て回れば、自分のやりたいことがきっと見つかるんじゃないか、と期待してのことだった。


予算はバイトで貯めた100万円。学費も払いながら、カツカツの貧乏生活をして貯めた貴重なお金だった。



予定は1年。大学に休学届けを出した。



実家に帰り、両親に旅のことを伝えた。


「いくら貯めたの?」と、父は聞いた。


「いくらだと思う?」


「60万円くらい?」


「100万円」


「よう、頑張ったな!」


外国に行くことは、絶対反対だった父が、この努力を認めて、許してくれた。




まずは、オーストラリアで半年間、車にキャンプ用具を詰め込んで一周するつもりだった。

ダーウィンに到着。旅の始まりだ。

とはいえ、実は、車の免許さえ持っていなかった。

旅をしている大学の先輩たちから、海外で取ると安いと聞いていた。

だから、オーストラリアで免許を取ってから、安い車を買って、スタートしよう!と思っていた。



とりあえず、現地の人に免許センターの場所を聞いて、オフィスへ向かった。

オフィスでは、無料で試験のための本をくれた。

外の芝生に座って本を眺めていたら、オーストラリア人の夫婦に話しかけられた。


その夫婦のフレンドリーさに嬉しくなった私は、


「私、車の免許を取って、これからオーストラリアをキャンプしながら一周するんです!」


意気揚々と宣言した。



「まあ、頑張ってね!」


キラキラした目で、「うん、頑張るね!じゃ、またね!」と手を振りながら、その場を立ち去った。




滞在していた安宿に戻り、改めて免許センターでもらった本を眺めてみたら、


英語力が足りず、理解するのに、相当な労力が要ることに気づいた私は、


あっさり、当初のプランを諦めた・・・。




「そうだ!バスで回ればいいんだ♪」




次の日、オーストラリアの東側を半周するバスを予約した。




一体、何日間、バスの中で寝たのだろう?

オーストラリアは、何しろ日本の20倍もあるというのだから、半周するのにも、何日もかかるわけだ。



かの有名なエアーズロックを見た。

オーストラリアに来る前は、必ず行きたい場所の1つとして数えていたが、

実際に来てみると、あまり感動がなかった。




長いバス旅の中で、永遠に続くように思われた砂漠のような乾いた土地を眺めがら考えていた。



「一体、私は何をしに、ここまでやってきたんだろう?

ただ、箱に乗って、バスの中から、大して変わらない景色を眺めて

私がしたいことは、ここにはないのかもしれない」



そう思ったら、決断は早かった。



バスの旅はまだ先の目的地へと続いていたが、途中下車して、一人で旅を続けることにした。




「とりあえず、メルボルンへ行ってみようか」



何を考えての決断かは分からないが、メルボルンへ向かうことにした。


旅人には人気のガイドブック、ロンリープラネットを見て、宿を決める。


予約はなしで、現地についてから、歩きながら探す。




見つかった安宿でフランス人の男性と出会い、散歩に出かけた。


すると、中華街で、ジャッキーチェンが一人で立っているのを見つけた。




オーストラリアに行く前、私は、どの国を旅するかを検討中、「香港」を候補の一つにあげていた。

その理由は、「ジャッキーチェンに会えるかもしれないから」というものだった。


結局、香港に行くプランはなしになったが、期待しなかったオーストラリアで、


目の前に、ジャッキーチェン本人が立っていたのだ。






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第2話:ジャッキーチェンに出会った日の話

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