新卒で証券会社に入社して1年間で100件以上の新規開拓を達成し、3億円の資金を導入した話(16)

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これまでの営業を振り返って



社長に謝罪した帰り道、僕はこれまでの半年を振り返った。
すると、自分の営業活動は、営業成績のことばかり考えていることに気付いた。

僕は、自分の成績のためだけに仕事をしていたのだ。

僕はこれだけ税理士のために尽くしているのに、なんで報われないんだろうとも考えてしまっていた。


僕の営業成績なんて、税理士の先生たちにとってはどうでもいいんだ。


全く関係ない。


そんな当たり前のことに気づけなかったのだ。




僕はこの出来事があって以来、紹介の大事さを常に意識している。
営業マンにとって、紹介をもらうことが最も重要な仕事だと考えてさえいる。


支店に戻ったら、朝会に出ていなかったこともあってこっぴどく怒られた。
いつもなら落ち込んでいただろうが、この日は本当に清々しかった。

K先生のところへは、菓子折りを持って謝りに行った。
怒って相手にしてもらえないとも思ったが、すぐに許してもらえた。
さすが大人だ。

僕はまた帰り道に、今後の営業戦略について考えた。
先生方にとって、僕の営業成績はどうでもいい。
だったら、僕も営業成績には拘らないでおこう。
とにかく、税理士の先生たちのためだけに働こう。

そんなことを考えた。

今思えば、会社に利益を与えようとしないダメリーマンの思考だったと思う。
けど、何千人もいるような大きな会社にいて、会社のために自分が利益を追求しなくてはいけない、なんて思考には全く至らなかった。
上司に怒られるのさえ我慢すれば、別に会社に儲けを与えてるかどうかなんて、その時の僕からしたらどうでもよかったのだ。


税理士のためだけに仕事をしてみよう。


その日から、いろんなことをした。

証券税制のセミナーは何度も繰り返しいろんな場所で開いた。
税理士先生の持っている株や投信の情報は、他の証券会社の口座で運用しているもでも状況を詳しく伝えた。
どうしても先生が忙しい時は、先生の子供の子守もした。
税理士先生の顧問先の接待にもついて回った。


もちろんこんなことを続けていても、一切営業成績は伸びなかった。
毎日課長からはこっぴどく怒られた。
でも、毎晩税理士先生や顧問先の方たちから飲みに誘われるようになった。
自分の仕事について、自分からは飲みの場では話さなかったが、証券会社の人間であることはみなわかって付き合ってくれた。
そして、よく夜の店にも連れていかれた。
どうやら、証券会社の営業マンを連れているだけで、キャバクラの姉ちゃんたちからモテるようだ。笑

そうやって、確実に僕は縁もゆかりもない群馬県で、色んな会社の社長と仲良くなることが、少しずつできるようになっていった。

続く

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