夢は火星へ 最終章 夢まであと一歩 

前話: 夢は火星へ 2章 夢が大きくなるまで 

 サードドリームを叶える


海外への想いを高める

大学時代は日本各地を自転車で旅したり

ヨーロッパ一周旅行に行ったりなど

世界の広さを体感

将来は日本ではなくグローバルに関われる仕事がしたい

そう願った


現実は酷だった

大学では商学を学び

学問を活かせる職場とサードドリームである海外に関わる就職先を考えた

しかし、英語など語学系はさっぱりできない自分に

海外でのフィールドは閉ざされている

それが現実だと感じ始めた

海外なんて夢であり

駐在員はエリート集団の中でも一部の人しか行けない

自分には行ける資格は無いんだ

そう思い込んでしまう


せめて海外の食品を扱う仕事がしたい

世界の食品には興味があった

せめて料理だけは活かした職場へ

そうして就職したのは某高級スーパーだった。

世界各国の食品を販売するお店は

見るものすべてが魅力的で

毎日ワクワクしていた


結婚を通して現実の壁にぶち当たる

入社2年目、23歳で結婚をした

そして子供も生まれ

家庭を持った

幸せを手に入れた喜びもつかの間

現実的な問題が発生した

給与的な圧迫だった

若すぎる結婚に家族を持つ事

その収入の無さに絶望感を得た

なんとかしなきゃと焦るものの

どうにもできない現実を実感する


好きな仕事に定時は無い

仕事を出来るだけ早く覚え

もっとスピードアップしないと

家族を養えない

そんな焦りがあった。

過ぎ去る時間を惜しみながら働き

ブラック企業が可愛くなるくらい

好きで残業し仕事をしていた

当然残業代は全部出なかったが

経験値が欲しかったから文句は当然言わなかった


苦労した分はしっかりと報酬がある

そんな姿勢が会社に伝わり実績も残したので

当時、最年少で主任へ昇格した

入社3年目という異例の速さ

経験時間は同期の2倍はあったかと思う

から3年間は6年間と同じ労働時間数

社内でも優秀賞を得て

親元企業への出向も得た

エリートコースへと階段を駆け上がる

そんな気持ちだった


サードドリームの夢が叶う

ある日の事

転機が訪れた

「中国で一緒に働かないか」

元上司からの誘いだった

まさかの海外への切符

誘いを受けたその日にYESの返事

翌日には辞表を出して3か月後に退職

家族を連れて中国へ飛んだ

25歳の時だった


サードドリームを叶えた中国での経験

中国での仕事は同じくスーパーマーケット関係だった

違うのは文化の差と食の安全が無い点

そのスーパーマーケットの経営改善がミッション

当然 語学能力ゼロだった当時

通訳を通しての会話がほとんどだったが

一緒に行った上司の秘書でもあったので

独学で覚えるしかなかった


中国語を覚えるコツは現地化する事

現地の言葉は現地に習え

従業員やコンビニのおばちゃん、近所のおじちゃんなど

言葉は現地の人から覚えた

耳で覚える

これが中国語を覚えるうえでのコツ

目で覚えてはだめ

先に意味を知ってはだめ

耳で残った音をPCや携帯で意味を調べ

納得する

そうして中国を覚えていきミッションを進めていった


ミッションクリア

経営改善ミッションをクリアした時

すでに5年の年月が流れていた

0歳だった娘が幼稚園へ

2歳だった息子は小学生へ

日本へそろそろ帰らなければいけない

そんな気持ちが出てきた

中国の食も不安で子供たちの体に何かあっても嫌だ

そう強く思うようになった


食の安全を確保したい

中国人の友人が大勢いるが

既に数名は亡くなってしまった

癌が主な原因だ。まだ若い人もいた

結局は残留農薬や衛生管理上の不備からだ

こうした経験を経て食の安全を訴えたい

そう思い始めた


植物工場という安全な食の生産

ある日、生まれ故郷の徳島にLEDで野菜を生産してる企業を知った

土を必要とせず閉鎖環境下での野菜栽培

この技術を知ったとき

何か衝撃が走った

このLEDを海外へ広めたい

空気も土も水も汚れた国へ

その想いが強まりじっとしてられず

一時帰国時に訪問をした


絶対的な技術を持つLED

徳島にある実家のすぐ近くにその企業はあった

ノーベル化学賞の青いダイオードを活用した

トップクラスの技術で作られた野菜達

世間では葉物を生産し量産している中

この企業は実を生産していた

キュウリやスイカやメロンなど

業界では信じられない様な野菜を作り出す技術を目の当たりにした


日本へ帰国そして顧問へ

食への探求は根本的な安全な食の提案へと視点が変わる

もちろんスーパーマーケットの職には幕を閉じず

アドバイザーとしてセミナーなどを中国で実施している合わせて

合わせて、このLED企業の顧問として事業を携われることになった

植物LEDの事を勉強すればするほど

この技術のすごさを感じた

太陽と変わらない光を生み出す事の意味

太古の時代

神としてあがめられた太陽に生贄をささげ

作物の収穫を願った

あれから数千年の時を経て

人は太陽と変わらぬ技術を手にしたと

そう考えると大きな夢が見えてきた

ファイナルドリーム 火星へ

宇宙でも野菜の栽培は課題になっている

特に葉物以外の野菜作りは研究課題と考える

この技術は宇宙でも通用するんじゃないのか

そう考え始めた今

この技術を宇宙へ飛ばし

いずれは火星へ

そんな夢を追いかけたいと願った


実現しそうなチャンスを手に入れる

そして今

途方もないと思っていた夢の一歩手前まで来た

「その技術について詳しく聞かせてくれないか」

その声掛けを頂いた

あと少しで手が届く

叶わなくてもここまで来た事に驚いている


実現しそうな途方もない夢

その技術が天に飛んでいく姿を

家族と一緒に見たい

幼いころから続いた夢の続きの続き

今はこの夢を実現させたい

そう願っています

行くぞ 火星へ


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