非モテおばさんで透明人間だった私がデミムーアやキャサリンゼタジョーンズをモデルにしてセクシーな女性に変身、モテモテの華の40代を過ごした話


元夫
40以上の女なんて誰も欲しがらないさ


憎々しもそう言い放ったのは夫でしたね。


40歳を目の前にして女としての自信をなくしてた私にとっては

強烈に傷つく言葉であり、それが動機になって

必ず綺麗になって復讐してやるって思わされたくらいでした。


私は痛いおばさんになりかけていた


30代の私はアーティスト気取りで

それは派手な色のパンクっぽい服を着ていました。


多分にあれはとにかく注目を引きたい現れだったんですね。


細身だったからショートカットでパンツ姿。


本人はボーイッシュを気取っていたけれど

写真の自身の姿にだんだん違和感を覚えていたのも事実です。


なんだかもう可愛くもかっこよくもないんだな。


普段そんな格好していた私が

友人の結婚式で慣れないスーツを着たら

女政治家?!

と笑われました。


当時化粧の仕方も知りませんでしたが

それで自分がブスだと思ったこともなかったのです。


でも、イベント会場でガハハと笑って写真を撮ってもらったら

画像を見た素敵な青年に

すごい、虫歯まで見えるよ

と笑われましたこともありました。


そう、男性の視線は私の上を通り過ぎ

自分が女として『透明人間』でいたのはずっとでした。


モデルに出会う


ある日キャサリンゼタジョーンズの画像を目にした時

自分の昔の運転免許書の写真と重なることに気づきました。


珍しくボブヘアだった頃のそれは異国人風に撮れていて

国籍不明!

と皆から笑われたものです。


若い時にお互い似ているのなら

私も努力すれば今でもキャサリンのようになれるかもしれない。


そんな淡い期待を抱きました。


そうやって研究するうちに

自分に似ているデミムーアの画像も見つけました。


それで徹底して彼女たちを模倣することにしたのです。


そして奇跡は起こりました


溜め込んでいたアーティスティックで派手な服を手放すことは

一番の辛いところだったかもしれません。


海外で仕入れたレアもの。


でも、それを着ても「痛いおばさん」に見えるのも承知。


断捨離して泣く泣く思い切って全てを手放しました。


着たい服ではなく、好きな服ではなく

はたしてこれをキャサリンが、デミが着るでしょうか?

という基準でワードローブを選んでいきました。


パンツはやめ、とにかくどの場面でもスカートをはきました。


コスメ一式を大人買いし

出かけなくても毎日メイクの練習をし続けました。


歯の詰め物を全部白に変え

インビザラインで歯並びも整えました。


その頃からSNSを始めたので

10歳も若いお洒落な女子に慕われました。


新しく買い込んだドレスを

女子会で披露する楽しみが増えたのもこの頃です。


その頃知らずに後ろ姿を盗撮されたことで

姿勢が年齢を感じさせることを知ることになりました。


それでバレエを習い、ハイヒールの歩き方を学び

ソーシャルダンスで身のこなしを学びました。


アルゼンチンタンゴを学び

セクシーなドレスを身にまとう機会も得ることになり

モニカベルッチのセクシーさを研究しました。


それでミロンガでは休みなく男性たちから誘われ

決して壁の花になることで終わることもありませんでした。


その頃にはかつて男性にとって透明人間だった私が

一緒に踊れる順番を待ちわびられるという人気者になったのです。


どこに出かけても

男性から優しくエスコートされるという現象がおき

自身にとってそれはまるで奇跡といえるものでした。


それでも老いは襲ってくる!


45歳が私の一番美しかった時だと思います。


そしてやがて50歳が近づいてくると

脳裏にゴジラのテーマ曲が流れるようになりました。


シワが増え、頬が垂れ、ぼおっとしてるとババア顔になっています。


モテ女が歳をとるとどうなるのでしょう?


デミがアシュトンクッチャーと別れたニュースはショックでした。


キャサリンはどこか不自然に威圧的なキャラになっていたし

モニカはツンとした性格がシワを哀しく目立たせます。


新しいモデルへの切り替え


『ステーションエージェント』という映画を見た時のことです。


そこには離婚をして田舎に一人暮らす中年女性を演じる

パトリシアクラークソンがいました。


特に美人でもなく、その辺にいそうな白人女性で

その性格もモタモタ中年のそれそのもの。


ところが、フードトラックの男性が男同士の会話で呟くのです。


彼女の、こうなぁ... 女っていう感じがなぁ、いいんだよ!

その時、私は彼の言うそのエッセンスを理解しました。


この歳になったら威圧を感じさせるような「元美人」はいらない。


一緒にいて落ち着く、受け入れてもらえるような柔らかいオーラ

「普通」それこそが男性の求めているものだと。


パトリシアクラークソンはちょっと可愛い母親役が多いです。


頬もたるんでいるし、シワもある。


でも、笑顔が最高に良いのです。


威圧感のない、お店のショップマスターや郵便屋さんから

ほんわり惚れられる「近所のおばさん」


何者でもなくていい。


彼女と私は全く似ていないけれど

そのオーラ、それこそが自分が目指すところだと思いました。


モデルを見つけた今

彼女の動画を何度も見て研究しています。


彼女は私よりもひとつ年上でちょうどいいです。


このままその路線でゆっくり歳をとっていけばいい。


ほんわりとやわらかな老女になって

男性からずっと恋愛の対象と見てもらいたい。


モデルを持つ。


そして徹底して研究する。


それが奇跡を起こす最短の方法。


画像:zimbio.com





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