ファイナンス入門 (21) FinTechとは

次話: ファイナンス入門(22) GDP統計についての最近の議論

ここに来て新聞紙上でFinTechという言葉が頻繁に現れている。但し、この言葉が使われる様になって来てから未だ数年。

そもそもX-Techという言葉はITCやデジタルが他の業種と融合することにより新しいサービスや生産性・利便性の向上るイノベーション一般を指し、X部分に広告が入ってAdTechなんていう所が始まりの一つで、その後にオンラインによる有名大学の講義の配信であるMOOCが出現してEdTech(Education+Tech)、農業分野でのAgriTech(Agriculture+Tech)、医療分野でのMedTech(Medical+Tech)と様々な分野に及んでいる。

FinTechは文字通りFinance+Tech。ファイナンス分野では旧来からITCを業務系で駆使してきたでは無いか、と思う方も多いと思うが、従来のITCの使用の仕方は金融業の旧来の業務のやり方をITCを活用することによって効率化したり、ホームバンキングの様に店舗という物理的な制約を乗り越え流ことに繋がっている。人によってはこの段階迄のFinTechをFinTech 1.0と呼ぶ場合もある。

このFinTech 1.0に続く新境地がFinTech 2.0とも呼ばれる。一番の違いはFinTech 2.1では、FinTech 1.1とは違って金融側がIT側に擦り寄って行き、又は現在の金融の枠の外でのビジネスに携わっているという事。

これは従来の金融では、安全性という規制が強すぎて利便性が犠牲にされて来ていることに由来している。

現在、提供されているサービスとしては、1.電子オンライン家計簿の様なお金の管理、2.人工知能を利用した資金運用、3.クラウドファンディングの様なオンライン資金調達、4.資金送金・決済、等。

まだまだ黎明期で様々なサービスがこれからも生まれて来るだろう。

これらの新サービスを展開していく際のキーとなる技術が「ブロックチェーン」と呼ばれるもの。

例の「ビットコイン」の発明者によって開発されたもの。

従来の資金決済では、銀行を通して送金者の資金残高を確認の上で、資金を幾つかの銀行の口座上での残高の書き換えを行う事により実行している。間違えや不正が無い様に、一つずつ確認をしていくので時間がかかる。よってコストも嵩んでくる。別言すると銀行が信用仲介の中心者としてビジネスを動かしている。

一方、ブロックチェーンは分散型のコンピューターネットワークで構成されており、それらのコンピューターの其々が取引実績や残高のデーターを保持していて皆んなで管理、監視をしている。よって一つのコンピューターでデーターの毀損があっても、他のコンピューターの間で合意が形成されて取引が継続できる。ここには銀行の様な仲介者を介する必要が無い。

ファイナンスの分野における究極的な民主主義とも言えるだろう。


何れにしてもFinTechは未だ始まったばかり、これからの進展から目を離せない。


ストーリーをお読みいただき、ありがとうございます。ご覧いただいているサイト「STORYS.JP」は、誰もが自分らしいストーリーを歩めるきっかけ作りを目指しています。もし今のあなたが人生でうまくいかないことがあれば、STORYS.JP編集部に相談してみませんか? 次のバナーから人生相談を無料でお申し込みいただけます。

続きのストーリーはこちら!

ファイナンス入門(22) GDP統計についての最近の議論

著者のTachibana Toshiyukiさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。