華やかゲイライフ〜Gの世界〜【プロローグ】

ゲイって本当にいるの?

いますよ。ここに。生まれつきのゲイが。生粋の。


ヒロです。どうも。


実はいっぱいいるんですよ。中学は吹奏楽部だったんだけど、先輩にも同期にも数人。高校は体育会系の部活で少人数だったけど、男子の半分はこっちの人でした。



なんでそんなことがわかるの?

それはいつか、お教えいたしますね。



ゲイの物語って大体カミングアウトして、偏見を乗り越えたりとか、そんなのばっかだけど、実はゲイの生活って思ったより華やかなんですよ。自分は日本ととある国とのハーフでその国で生活してたこともあるし、アメリカの大学にしばらく通っていたこともあって、いろんなゲイ体験をしてきました。



ゲイってかわいそう。みんなで助けてあげよう。偏見はやめようって話もいいけど、ゲイもゲイで楽しくやらせてもらってることをこの華やかゲイライフでみんなにシェアしたい。




まずは、俺の事からお話ししたい。



ゲイってオカマっぽいイメージがあるけど、7割くらいのゲイは本当にオネエっぽくない。普通の男って感じ。俺もその一人で、黙ってればゲイってバレない。



俺は自分がゲイっていうと一々説明するのも面倒くさいから、自分がゲイってことは本当にごくわずかな親友と母親にしか伝えてない。いわゆる「クローズドゲイ」ってやつで、俺らの世界では「ノンケ生活」って表現することもある。ノンケっていうのは要するにストレートの人のこと。



今は大学生で、3年近く付き合ってる彼氏がいる。彼は隣の医療系の大学に通ってる、ちょっとしたエリート。過去に数ヶ月同棲してたこともあって、結構、仲が良い。こいつは俺と違って「オープンリーゲイ」で、自己紹介の段階で、「ゲイでーす、よろしくねー。」って言っちゃうくらい。周りの友達はみんなゲイだって知ってる。



俺ら二人の出会いは、共通の友達の紹介だった。



俺のことをものすごく好いてくれる女の子がいて、まぁもちろんゲイだから、俺は全然恋愛感情なんてわくことなんてなかったけど。いつも家に遊びにきて、結構グイグイきてたから、やべぇなこの女って思って、諦めてもらうために、自分がゲイであることを明かした。



少しビックリした後に、「私の大学にもゲイの人がいるよ!紹介してあげる!」って言うもんだから、全然恋愛なんてする気なかったんだけれども、今の彼氏と会うことになった。



今は全然なんだこのくそオカマとしか思ってないけど、3年前最初会った時の衝撃はすごかった。イケメンで、高身長だし、めちゃくちゃ良い匂いがした。すごい緊張して、あまりうまくしゃべれなかったけど、そこからしばらくデートを重ねて、付き合うことに。



そんな俺らだけど、1年間の空白期間があった。それは俺が留学で1年日本を離れ、アメリカの大学に通っていたとき。彼氏が2丁目で店子として働き始めた。2丁目というのは新宿2丁目のことで、いわゆるLGBTの人たちの溜まり場。店子というのは、ゲイバーの店員さん。



安いお酒と謎の大学生ノリで客を盛り上げ、ぼったくり料金をとる。一瞬たりとも俺は楽しいと思ったことのない場所だが、ゲイは唯一自分でいれる場所で、好きな人は高頻度で通う。若いゲイはここにいくと高確率で店子としてスカウトされ、おじさんゲイ達に貢がれるわけだ。



そんな場所に働くって聞いたら、俺はどうして?という疑問と、きっと他に大事な人がいるんだっていう不信感から、別れを切り出した。向こうは未だに何もなかったし、今は2丁目の世界からは足を洗ったんだ。って言ってるけど、信じてない。



というわけで、自分は、1年間のフリー期間をアメリカで過ごしたわけで、この期間、俺に何があったか?華やかゲイライフの始まりである。




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