偏差値35だった僕が名門大学に入学し 在学中に公認会計士試験に合格した話。2

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音楽室で花火事件

吹奏楽部にカモイさんという先輩がいました。 茶髪にパーマ、見かけも喋ることもやることも、ヤンチャ君そのもの。 楽器の演奏だけは超真剣で上手くて、精神的リーダーといった存在でした。

「カナガワ、おもろいことせんかー?昼休みに音楽室集合や!」 僕は友人のアキラと一緒に音楽室へ向かうと、カモイさんは花火をしていた。 「おー、めっちゃ燃えてるぞー」

うひゃひゃひゃひゃ

僕も夢中になってライターで花火に火をつけました。

花火は白やピンクの閃光を放ちながらシューシューと音を立て景気よく燃えていました。 煙がもくもくと立ち込める音楽室。

はしゃぐカモイさん。

「アカン、煙出過ぎや」

「はよう消せや」 「そんなん言っても音楽室やし水とかないですよ」 「ほんなら逃げようか」 「いやいや、あ、カモイさん待ってくださいっ難」

窓から外へ、廊下へともくもくと溢れる煙。

鳴り響く火災報知器。

僕とアキラは急いで逃げようとしましたが、

スクランブル事態に異様に強い我が校の教師陣はすでに到着していました。

あえなく拿捕された僕は職員室でこってり説教されました。 カモイさんもそこは男らしく自ら出頭、3人で大変な量の罵声を浴びることになったのです。

3日間の停学

翌日、処分が発表されました。

実行犯である僕とカモイさんは3日間の停学。

音楽室は一週間使用禁止になってしまいました。

停学あけ。 ともかくみんなに謝ろうと、吹奏楽部の部室に顔を出した時のブーイングの嵐はこたえました。

そもそも部に何の貢献もしていなかった僕が、 夏の県大会目前の大事な時期に練習場所を奪ってしまったのです。 部のみんなの怒りも、もっともだと思いました。

それまでは自分が音楽をやる気がなかったからやっていなかっただけでした。

でも人に迷惑をかけて申し訳なくなりました。

そこから、一気に気持ちの大逆転が起こりました。

「だったら楽器を本気でやってやろう」 「プロを目指そう」

それからというもの、

寝ても覚めてもブラバン

寝ても覚めてもトロンボーン

朝6時に行って2~3時間練習 授業中も昼休みも放課後もひたすら練習。 さらにそれだけでは気が済まず、プロのレッスンも受けていました。

すると中学時代から楽器を習っていた人よりもうまくなりました。

「音大に行きたい、プロになりたい。」

そう思うようになりました。


アキノリ、堪忍な

音大は入学金も学費も高いので、父の収入では断念せざるを得ませんでした。

これからどうする?

18歳にして、僕は行く道を見失ったのでした。 だけど、なにをするにせよ

「将来 ”成功” して、お金持ちになる」

という目標だけはしっかり持っていました。 経済的に自由になることが大きな夢だったのです。

そこから成功系の本を読み始めました。 どうやったら将来お金を稼げるんだろう?と思ってざっくり読むと、

ひとまず大学に行ったらいい

というのがなんとなくわかってきました。 それで大学に行くことを新たな目標にしたのです。

やるしかない

「あきらめたらそこで試合終了ですよ」(井上雅彦/集英社 スラムダンクより) 一念発起したものの、もちろん簡単ではありませんでした。

授業はまともに聞いたことがない

教科書を開いたこともない

基礎もなにもありません。

なかなか成績は上がりませんでした。

高校3年生の夏に受けた全国模試。

僕の偏差値は35。

名門大学を目指すには60から70は必要ですから、

これは絶望的な数値でした。

英語のアルファベットは最後まで言えず、 発音のいい単語に出会うと”おいしそうな食べ物だな”

化学でH2Oと聞けば”歌手か?” ”歌聞いたことあるな”

そんなレベルの僕は 試験が始まれば3分でもうなにもやることがなくなり、寝てしまっていました。

結果は惨敗。

唯一受かった大学は”ボーダーフリー”と呼ばれるランク帯である ”願書を出し、入学金さえ払えば誰でも受かる”大学のみでした。

一応大学ではありますが、誰でも受かるレベルでは先が知れています。 学費も高く、結局入学はしませんでした。

大学、諦める? いや、それでは成功者にはなれません。

結論 予備校で1年間勉強して、いい大学へ行こう!(3へ続く)

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