ハードワークで疲労困憊な彼女が、いきいきとし始めた理由/肩書きの数だけ、未来が拓ける vol.7

スラッシュなライフスタイルを実現していくのに欠かせない要素のひとつが「仕事外のコミュニティ」を持つこと。このコミュニティは同じ志向を持った仲間と出会うだけでなく、自分の趣味やアイディアをアウトプットする実験場としての役割も担います。こういった場を複数持ち、それぞれのコミュニティで経験を積んでいくことで「趣味」や「想い」を価値に変え、社会に発信していく肩書へと育てていくことができるのです。いま、こういったゆるやかな志向でつながるコミュニティがたくさん生まれています。


そんなコミュニティの力を実感する出来事もありました。


表参道にある市民大学「自由大学」で私が講師を務める動画を学ぶクラスがあります。

このクラスには20代〜50代まで幅広い年代の生徒さんが受講しています。多いのは会社で働きながら夜に受講される人。

クラスはだいたい2ヶ月で修了するのですがその後も卒業生は「ショートフィルム部」「ファーマーズマーケット動画部」「平日ナイターシネマ鑑賞部」などの部活を結成して、自主的に集まっては動画を作ったり、観たりを楽しんでいます。


みんなそれぞれ仕事を抱えるビジネスパーソンがほとんどですから、忙しい合間を縫ってわざわざ集まって精力的に活動をする姿を見て、コミュニティを主催する立場ながら「どうしてそんなに集まれるの?」と不思議に思うことも多々ありました。


たとえば、本業は広告制作会社のデザイナーという女性がメンバーにいますが、彼女の業務は多忙を極め、休日にみんなで集まって映画を撮ろう!というときには徹夜明けのまま(!)現場に来てくれたこともあります。(私だったら絶対帰って寝るためにキャンセルします)


あるとき、彼女がこんな話をしてくれました。


「私、これまではハードワークすぎて、休日は平日の疲れを取るための日でした。ひたすら睡眠をとって、気づいたら終わっているって感じで。でもこのコミュニティに参加してから、休日の活動のために平日があるという風に変わりました。休日に仲間と楽しい企みがある。だから平日がんばろうって思えるのです。平日の仕事も、ただこなすだけじゃなくてどうやったら休日の活動に生かせるかという視点で取り組むようになったら楽しくなったというか。職場の人からも変わったね、と言われます」


彼女は、そうやってコミュニティの活動に参加することの楽しさを知り、今では他のコミュニティを立ち上げ、運営者として関わるようになったそうです。ハードワークは変わらずのようなので、さらにやることが増えて、大変なようですが、それでも明らかに楽しそうな様子が伝わってきます。



私も、同じような経験があります。

会社員時代、ハードワークが続き、自分がどこに向かっているのかもよくわからなくなったり、異動が続いて自分のキャリアが見えにくくなっていた頃、たまたま観たTVでノマドワーカーとして活動する安藤美冬さんの存在を知りました。SNSを使って、自分の仕事を切り開いて自由に生きる彼女のライフスタイルにいたく共感した私は、彼女が運営する社会人向けのスクールがあると知り、サイトで調べて申し込みました。


そのスクールでは、自分と同じように働きながらも今の自分に違和感を感じつつ、そんな状況を前向きに打破したい、自分らしいキャリアを拓いていきたいと思う仲間に会いました。その仲間たちとは、得たい未来の姿が近かったこともあり、意気投合し、お互いに切磋琢磨しながら、卒業して4年経つ今も交流は続いています。


今年に入って、そこで出会った1人の仲間と一緒に新しいコミュニティを立ち上げたりと、人生にとって大きな意味をもつ一歩を踏み出すこともできました。


そんな仕事外のコミュニティで仲間と出会ってよかったと思うことがいくつかあります。


1つめ:仕事の愚痴が言えない

仕事の同僚も、楽しく尊敬できる仲間は多いですが、仕事が近く、かつ状況がわかりすぎているがゆえに社内の話になりがちで、どうしても愚痴や不満が少なからず出てしまいます。それを肴に元気になるということもありますが。仕事外の仲間は、仕事の状況はわかりませんから、愚痴の言いようがないのです。すると話題は自然と前向きなこと、共通の関心事になります。


2つめ:素直に応援できる

同じ会社の同僚の場合、誰かが頑張った、評価されたというニュースは喜ばしい一方「自分はどうなんだろう」「自分は今のままで大丈夫なんだろうか」と不安な気持ちになるもの。仕事外の仲間であれば、その功績は自分と切り離し、手放しで素直に応援できます。また逆も然り。そうやってもらったエールは、さらに頑張ろうという力になります。


3、コラボが生まれやすい

会社の同僚だと「一緒に仕事しよう!コラボしよう!」と言っても、お互いの業務やミッションがあり、実現は意外と難しい印象があります。一方社外の仲間と、プロジェクトを立ち上げ必要になったときに外部パートナーとして組むほうが(なぜか社内でやるより)実現できます。プライベートでプロジェクトを立ち上げてコラボすることも、社外メンバーであれば社内の目を気にせずにできるというメリットもあります。



いま、コミュニティの価値が高まってきているように感じます。

『明日の広告』『明日のプランニング』著者のサトナオさんも、自身の主催する勉コミュニティ(4thコミュニティ)を立ち上げ、その重要性について下記のように話しています。



”さまざまな業界からさまざまな人生を歩んできた人たちが、ある目的の下に集まった「4thコミュニティ」でした。その目的自体を作り出すことも含めた「コミュニティづくり」が、これからの世の中では重要になってくるはず。個人的に「目的仲間がほしい」というよりは、社会的な必要性を感じているんです。”

(WORK MILL より引用 http://workmill.jp/fourth01.html



このようなコミュニティに参加することによって自分の中に新たな価値観・好奇心の芽が生まれ、それを仲間と育てることでいつしか、肩書へと変わっていく。

そんなキャリアの選択肢も生まれているのです。




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