高校進学を言葉がさっぱりわからない国でしてみたら思ってたよりも遥かに波乱万丈な3年間になった話【その4:夏の始まり】


さて怒涛の中学四年も、あっという間に終わりを迎えます。

まあ短かった、物理的に。

学校に入ってたったの2ヶ月です。そりゃ留年です。当たり前です。

なんせ私がこの2ヶ月まともにやった教科と言えば体育くらい。いやあバレーボール楽しかった。

通知表を埋め尽くす0を眺めながら、いっそのこと成績をつけるくれるなと思わず涙がちょちょ切れました。

留年して当たり前、そう覚悟はしていたのでいざ宣告されてもしょうがないと割り切ることは出来たのですが、しかし短い期間ながらも優しく接してきたクラスメイトと、やはり一緒に進学したいという気持ちも私の中にありました。

それにせっかく皆と仲良くなりかけてきたのに、また新しく一からスペイン語が分からないことを説明して、距離を縮めて、というプロセスを踏まなければいけないと思うと、億劫にもなるものです。

しかし3年前の沙季ちゃん、何も心配することなどありません。

なぜなら沙季ちゃんの他にも、クラスには大量に留年した子がいる。だから貴方は決して一人じゃないよ!一体どういうこっちゃです。皆まじめに勉強しろと声を高らかにして言いたい。

ということで、中学4年(第1回目)のエピソードは大部分を割愛しちゃいたいと思います。とっとと夏休み突入です。正直もう記憶があやふやすぎるというのが本音です。

 

スペイン語は2、3ヶ月で、日常会話が出来るほどには伸びていたと思います。

やはり日本語から隔離された環境に身を置くと覚えも早い早い。

クラスメイトやホストファミリーとひたすら喋ることによって言葉を学んでいきました。

ちなみに私はこの赤子のように0から言葉を吸収していくシステムをDeador Learnと勝手に呼んでいるのですが、皆さんも是非この言葉使いそして普及してくださって構いません。

言葉が分からないと、伝えられる事柄はぐっと減ります。

そうすると自分の体調の変化だったり自分を取り囲む危険だったりを周囲に伝えれることが出来ず、そう語学力不足ゆえに最悪命を落としてしまうことだって決してありえないとは言えないのです。多分。

私は幸いにも身にそのようなことが起こる前に、相応の語学力を手に入れることが出来ました。運命はLearnの方を選んだのです。神に感謝です。

 

一応移民の子たちのためのスペイン語補習クラスにも在席していたのですが、さあ役に立ったかは少し怪しいところ。

マリキン(うちの学校をこれからこう呼ぼうと思います)にはスペイン語の話せない移民が私含め3,4人くらいしかいませんでしたので、プロフェッショナルな先生などおらずに数学の先生ピルカさんが私たちの面倒を見ていました。が。

また彼女が適当な先生で、おそらくこのようなクラスを受け持つための講習など一切受けていなかったのでしょう、現在形すら分からない私にCircunferencia(参考:Wikipedia)など日常に置いて使いどころがまるで分からない言葉ばかり覚えさせる始末です。

スペイン語補習を終え通常のクラスに戻った時に、私を家に呼んでくれていたアンドレアちゃんに「今日は一体どんな事を習ったの?」と聞かれたので

「うーん、Circunferencia・・・。」

と答えると

「うーん、Circunferencia・・・。」

と予想通りの答えが返ってきました。

この時の私と彼女の心情はおそらくまったく同じだったと思います。

完全なるシンクロです。完全に心が通じ合いました。「国境なんて無かったんや!」と私はこの時心から叫びたい衝動に駆られたものです。

ちなみに余談ではあるのですが、2年後に韓国人の友達とフェチについて語り合った際に「警察の制服を着た男性に踏まれて拘束されたい」という欲望が一致した時も私は同じセリフを心の中で思いました。

なぜ私は今このような場で不特定多数の方々に向けて己の性的嗜好を暴露しているのでしょうか。野球のユニフォームもクるものがありますよね。

ちなみに私のスペインでの人生の中で、恐らくですがまだこのCircunferenciaという単語を使う機会にはめぐり合っていないと思います。

 

話が逸れましたが、そのような感じで無事中学4年(第1回目)も終了し、スペインでの初めての夏休みに突入します。



私を探せ。クラスでは一番キョドっていたのに、なぜか写真では一番気取っています。


スペインの学生の夏休みは約3ヶ月。ついでに社会人の休みはというと、大体1ヶ月ほどだそうです。

政府の方々は経済危機などと自国の状況が何故こうも低迷している理由を探る際に、もう少し簡単なおかつ根本的な部分を見直したほうが良いと思うのは私だけでしょうか。働け。

 

スペインでは郊外に別荘を持っている家庭が多いのですが、ガルシア家も例に漏れず田舎にひとつ別荘を所持していました。

そしてチナに、夏休みはそこで過ごすことにしたと聞いたとき、私は一体どうしようと顔を青くしました。

なぜかと言うのも、別荘は自然に囲まれたとても素敵なところに位置しているのですが、いかんせん自然に囲まれすぎていて携帯の電波も入らない。

徒歩でいける距離にお店など一切無し。草と木と土と動物しかいません。なんなら人だってほぼいない。

そんなところに3ヶ月。

野原がぼくらの遊園地なちびっ子どもすら辛そうな状況に、コンクリートジャングル生まれネットサーフィン育ち、(頭が)悪そうなやつらは大体(オン)友達の私が一体どう太刀打ちできるというのでしょう。

こう書くとまるで私がネット廃人のようですが、ええ言い訳しようもございません実際そうでした。

コラムスを失ったばかりの傷心の私(前回参照)を誘惑する存在、それはゲットしたばかりのノートパソコンちゃんだったのです。ここで私のスペイン語上達は終わりを遂げました。スペインに来てまだたったの3ヶ月、いささか早すぎる終わりです。

 

とにかくこれはいかんと、私は当時よくしてくださっていた家の近くの日本人の方に相談しました。

するとなんと、ならばうちに来れば良いという菩薩ばりの申し出をしてくださり、私は夏休み中彼女の家にお邪魔させていただくことにしたのです。

 

しかしどうにかなったぞと思ったのも束の間、彼女の家はとある訳あり約1ヶ月で出ることとなってしまいました。

今までの道のりを振り返ると言っておきながら恐縮なのですが、この1ヶ月間に起こった出来事にだけはノータッチで話を進めることをお許しください。

居候させてもらっていた身でこのようなことを書くのも本当に心苦しく、また申し訳ないと思うのですが、どちらにも非があった末の結果とだけ言わせてもらいます。

 

さて彼女の家を出た私、完全にロンリーです。もちろんガルシア家はこの事の顛末を知る由もありません。

路頭に迷うかと一瞬は覚悟したのですが、そこを例のブルジョワな叔母が救ってくださり別荘に置かせてもらいました。

べそべそとしている私を叔母一家は優しく受け入れてくれ、本当に今でも感謝しています。

そして私が叔母たちと一緒にいるうちに、父が夏の間のホームステイ先を探してくれ、数日の内に私の新しい行き先が決定しました。

場所はアビラ、セゴビアの横に位置する街です。

夏休みのはじめの1ヶ月の間に起こった出来事でかなり精神を弱らせていた私は、この短期ではありますが新しい生活に、不安と期待の半々を胸に抱いていました。

 

結果だけ先に言わせてもらいますと、アビラでの生活はとても素敵で忘れられないものとなりました。

アビラで私は人生で初めてまともなスペイン語クラスに通うことになったのですが、そこで初めて出会った同じスペイン語を学ぶ留学生たち。彼らと過ごす毎日は本当に楽しく充実したものでした。

なんと言ってもクラスの先生アドルフォがとにかく面白い人で、この私がスペインという国に対し一抹の希望を抱いたほどです。相当です。

次のストーリーでは、そんなアビラのイカれた仲間たちとのエピソードについて書いていこうと思います。乞うご期待を。


読んでよかった
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ドMww
いや、でも語り方がうまくて読んでて楽しいわ^^

Dead or Learn ww

正直Die or Learnの方が言いたいであろうことにより忠実だけど・・・(文法的に) 
要に”死ぬか学ぶか”ですよね?
もちろんスペイン語が出来るだけ素晴らしいと思いますが、ちょっと英語が気になったので。
どうでもいいことをすみません。

Dead or AliveとかけたかったのでDeadにしましたが、文法的に間違っているなんて微塵も気がついてませんでした…(^O^)アカッパジ
ご指摘ありがとうございます~!

英語だと、Sink or Swim(溺れるか泳ぐか)という表現がありますよ。

しもむら さき

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