三井住友銀行の元副支店長による11億円の詐欺が信じられない。

三井住友銀行の元副支店長が1億9千万円をだまし取ったとして、電子計算機詐欺罪の疑いで逮捕された。

1億9千万円でも凄いとは思うのだが実際には11億円以上の金をだまし取ったらしい。


昔から銀行では1円でも勘定が合わないと行員は原因が分かるまで何時まででも帰ることが出来ないと言われていた。単位は1円では無い数十億円。

そもそも我々が現在使用している複式簿記という仕組みは、常にある取引が有ればそれに関する全ての勘定が釣り合う様になっていて、例えば金を引き出すとすれば代わりに負債が減るか、費用が発生するかしていなければおかしいといことが分かる様になっている。


報道によると、この元副支店長は架空の会社名義で円とドル口座を開設。

円口座に現金を振り込んだ上でドルを買った際に、その為替レートを10分の一。例えば、実勢の為替レートが100円の際に10円として実行。こうすることによって1百万円の資金が本来1万ドルであるはずなのを10万ドルにして、差額の9万ドルをくすねていた。

取引の実行と承認をこの元副支店長一人でやっていた為にばれなかったとの事だが、実行者と承認者を分けるのは不正防止のイロハなので、何でそんな事が許されていたのかが不思議。


この元副支店長、高校卒、所謂ノンキャリ組。事務部に多いが、大卒の行員が転勤をしながら出世していくのに対してスペシャリストとして同じポジションにいる事が多い。これも事件の発覚を遅らせた原因の一つだと思う。銀行のシステム、ことに外国為替は複雑で一般行員では慣れていない事が多い。

実際、外国からの小切手を現金化する為にこの銀行に何度か足を運んだ事があるが、手続きに2時間以上掛かった上に、手数料は都度問い合わせ。


新聞によるとこの元副支店長は一度正しい取引をシステムに入れて伝票を作成の上、これを取消して水増しの取引を入力実行。こちらの伝票は破棄して書類上は不正が無い様に装っていたとの事。


それにつけても解せないのが、銀行の決算での11億円の反映のされ方。

現金が11億円消えてしまっているのだから銀行の決算のどこかに損失として出てきているはず。

会計士による監査で見つからなかったのは、11億円がメガバンクにすると重要性の枠に引っかからなかったから?だとすると、事は一元行員の不正に留まらず、東芝事件でも露呈された様に監査法人の責任論へと繋がっていくのでは無いだろうか。


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