終い支度 ~私が離婚に踏み切るための助走として

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終い支度をはじめようと思った。
15年に及ぶ、この居場所のない結婚生活に、終止符を打とうと思った。
どんなにひどい言葉を浴びせられても辛い思いをしても、夫に捨てられたら、私にはもう帰るところがないなどと思い込んで、私を傷つけることを躊躇わない夫に、必死でしがみついていたけれど。
この家にすら自分の居場所などないことに気づいて、絶望よりも、苦笑した。否、苦笑というよりも自嘲といったほうが正しいかもしれない。
自分の心が病んでいることを知って治療を受け、被罰感や自己否定感が薄れ快方に向かうにつれ、自分の居場所を作ることが私にもできるかもしれない、と、最近ようやく思えるようになった。
だから私は、今の生活を手離して、私の人生に一つの区切りを付けようと思う。
お金のこと、これからの生活のこと。なにより、離婚となると私ひとりで決められる話ではないのでいろいろと問題も起こるだろう。考えなければならないこと、解決しなければならないことは山積みだけれど、それを乗り越えることで手に入れるものもあるだろう。
今はまだ、親にも妹にも友人にも相談できていないし、当事者でもある夫にも告げられずにいる。
専門家である離婚カウンセラーや弁護士の方に協力を仰いだほうがいいのかもしれないと思いつつも、なかなか最初の一歩を踏み出せずにいる己の不甲斐なさが情けなくも腹立たしくもある。

だから、私が、自分の背中を自分で押すためのツールとして、また、自問自答や自分の考えを固め、文章として人の目に晒すことで自分の退路を断つために、この場を借りて、離婚という人生の大転換に踏み切るための助走としよう。

お風呂場やトイレで一人で、息をひそめ声を殺して泣いた日々を。傷ついても傷ついたということが許されずに笑顔を取り繕っていた日々を、なかったことにして生きるのはやめよう。
自分の居場所を作るのは自分自身だと気づくのに15年かかった。
幸せになるためには自分から幸せになりに行かなきゃいけないということにも気づくことができた。

ここに綴ることをその助走の第一歩としよう。

幸せをつかみに行くための最初の一歩として、私の転換期の記録として。
私が前に進むために。


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