料理で伝わった母の愛。

僕は、普通の家庭に生まれた。

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  • 珍しい体験をさせて貰いながら育った!ありがとう母!
  • 絶縁状態だった母が病気に...。
  • グレてた時、母の愛を知って更生!
系の話が多いんじゃないかと思うけど、
僕は、普通の家庭に生まれたし、母はずっと健康だし、残念ながら僕はグレてもなかった。

ただ、いわゆる一般家庭とちょっとだけ違うのは、こじんまりとした自営業で、親の休みなんて無かったって事。

小さい頃は、
土日は母の運転する車で祖母の家に預けられ、母はそのまま出社。
1人祖母の家で、ブロック遊びをしたり、"パンダコパンダ"という虎と大熊猫がハイテンションで繰り広げる大活劇(アニメ)を繰り返し見たりしてた。
弟が生まれてからは1人では無かったけれど、だいたいそんな感じ。
平日も、学校から帰ってきても帰っても両親はおらず、テレビを見てたかと思う。

休日は無くて当たり前、
「お仕事頑張ってね!」って毎回言ってあげられるような愛想の良い子供では無かったけれど、わがままは言えないって理解していた。

このまま行けば、母親の愛に飢えて〜〜みたいなストーリーになっちゃいそうだけど、僕は、親に愛されていないと感じたことはなかった。


仕事で忙しい母に、愛されていた!と思う理由

それは、仕事以外の時間で、全力投球の愛情を注いでくれたと感じているから。
特に、家事の1つ、"料理"でかなりの愛情を注いでくれた。

お弁当

「ごめんね。休みがほとんど無くて」って言って、本当に申し訳なさそうにする母だけど、中学・高校と弁当が要るようになれば、毎日5時に起きて作ってくれて、
たまに、「ごめんねー、サボって冷凍食品入れちゃった。」って言われて弁当箱見ても、その1品の以外のおかずは全部手作り。

キャラ弁(笑)ではなくて、いわゆる普通のお弁当なのだけど、
前の日から弁当のためだけに唐揚げ用の肉を漬け込んでくれてたり、
アスパラとベーコンがあれば、ちゃちゃっと炒めものにしたらいいのに、ベーコンをアスパラにいちいち巻いていたり、
弁当箱に少しでも隙間があれば、ちくわにきゅうり突っ込んで梅ペースト塗った簡単なおかずを即席で作って入れてくれたり。

それだけ手間かけて作っているの知っているから、
「いつも残さず食べてくれてありがとう。」って言われても、
いや普通じゃん。ってピンと来ない。

残せないし、そもそも美味しいから残したくないし。って感じの、正しく手間をかけたお弁当。
むしろ「毎日作ってくれてありがとう。」って今でも言いたいわ。
さすがに恥ずかしくて言えないから、ここで書かせてね。

晩ご飯

いつもの晩御飯担当は、早目に仕事を抜けられる祖母だったのだけど、
3ヶ月くらいにいっぺんくらいある母の仕事が休みの日は、決まって、腕によりをかけて美味しいご飯を作ってくれた。

味噌汁のダシは煮干しからとるし、ママ友から教わったレシピを自分でも研究してもっと美味しく作ってくれた。
小さい頃、僕の誕生日に奇跡的に休みが取れた日が一回だけあったのだけれど、イチゴのショートケーキを一緒に作った。

いつだったか、学校から帰ってきた時、いやに家が焦げ臭くて、
「フランベしたら前髪燃えた〜!」って前髪とまつげがクルックルになった母が出てきたのも良い思い出。

(フランベ↓)

ビールはガソリンだって言って毎日頑張ってる母、
この間飲み会で記憶飛ばしたらしい母でも、
正しく付けるブラジャーの素晴らしさを、年頃の息子に説く母でも、
(※実家は婦人服店。このあたりの変態母STORYも書けそう。。。)

この人の息子で良かったなぁと思わせてくれます。

多分、僕が料理が好きなのって、
「頑張って作ってくれてありがとう!美味しいよ!」っていう、作った人への感謝や、食べる事を通じた触れ合いを強く感じるような家庭に生まれたからだと思う。

「僕は、親に愛されていないと感じたことはなかった」って書いたけど、
弟が生まれてすぐは、弟にお母さんを取られた!みたいな事はあったなぁ、と、ふと思い出しました。

無事、弟も大学に進学し、自分と父のお弁当を作るだけで良くなった母、
弁当どうしてるんだろうなぁと思いを馳せながら、今年はお酒に合いそうな南三陸の海の幸セットを送ります。

そんな母を尊敬する料理好き男子のSTORY
お読み下さり有難うございました。

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